一昔前の資料から分かったこと〜マーケティングの本質は今も変わらず
懐かしい資料を見つけた
私がB2Bの製品プロモーションを担い始めた10年近く前、巷では今のデジタル化の波に繋がる様々なアイデアが出てきた時期でもありました。
スタートアップが新たなコンセプトを提唱し、◯◯マーケティングという新語・造語が、次々と登場しました。
今も同じような状況は続いてはいますが、企業のネットインフラの活用の定着と共に、DXが市民権を獲得し、より大きな概念に向けての連携と統合が進んでいます。
話を戻しますと、当時、各々の◯◯マーケティングが、ビジネスのスキームの中で、どういう位置づけになるのかをまとめてみた資料を見つけました。
懐かしいですね。
当時の私は、こうした資料を作って、提唱企業のセミナーを受講したり、動向をウォッチしていました。
今では意味が異なってしまった用語もあります。
結論
この資料を数年ぶりに眺めてみて分かったことを結論として先に述べます。
マーケティングの本質は今も昔も同じ。
◯◯マーケティングの方法論に惑わされず「自社の課題」を見極めることが大切。
大きな枠組みは昔も今も変わっていない
全体を見渡して思うことは「大きな枠組みはそんなに変わっていない」ということです。
デジタル化が進んでも、主体は常に人間で、人間の思考・感情・行動のありようは変わりようがないので、ビジネススキームの本質的な部分は変わらないと言うことだと思います。
デジタルマーケディングについては、マーケティングオートメーション(MA)が代表的なスキームの一つとして、より洗練され、もはや定番中の定番に定着した感があります。
より効果的な顧客の行動変容(リードナーチャリング)を目指す、顧客オリエンテッドのアカウントベースドマーケティング(ABM)とも統合され、より効率的になっています。
これらは、どちらも優秀なマーケターやセールスがアナログで行ってきたスキームをデジタルで再現し汎用化したもので、技術の進化がこれらを可能にしました。
現在は、データによる顧客の理解やAIの活用がさらに進んで、顧客を定量的にモデリングし、精度の高いセグメンテーションが可能になっていますが、ビジネスの相手として人をモデルにしている限りは、アナログ時代からの本質は変わらない部分があり続けます。
結局は、人間を理解する、という根源的なテーマに行き着いてしまいますね。
(私が、大学に戻って人間科学を学んだ動機もここにあります)
そこで思い出されるのが、ピーター・ドラッカー氏の「マーケティングとは何か」です。
私が注目しているのが「最初に顧客ありき」です。
これは、顧客の理解無しでは、どんな優れたマーケティングツールや手法を導入しても結果が出ないこと示唆しています。
方法論に惑わされずに、顧客の理解を深め、その上で何が課題なのかを見極めることが最も重要と考えます。
意味が変化した用語
面白いのが用語の変化です。
インバウンド
元々は「顧客に見つけてもらう」というプロモーション手法として用いられてきましたが、今は、すっかり観光業を示す言葉になってしまいました。
インバウンドの代表例の一つがWebsiteで、Websiteを能動的に顧客に見つけてもらう施策の一つがSEO対策という位置づけでしたが、今はそういう言い方をしていないですね。
蛇足ですが、WebsiteをHPと記載するのも、日本独特の使い方として定着してしまいました。
データマイニング
データマイニングは、ビッグデータから有用なデータを発掘・選定することでしたが、マイニングが今は暗号資産の分野の用語として広く認知されています。
データマイニング自体は、今は、データサイエンティストがそのコンセプトを受け継いでおり、データで顧客理解を深めるためのとても重要なポジションになっています。
グロースハッキング
グロースハッキングの用語自体を聞かなくなりましたが、その本質は、実証実験でビジネスを立ち上げるスタートアップに引き継がれています。
Buzzマーケティング
当時は、主にB2CユーザーのSNSのインプレッションの分析を元にしたマーケティング手法で今も盛んですが、用語としては聞かなくなりました。
以上、お読みいただきありがとうございました。
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