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「よびしの食」レシピ 『100年フード』

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「よびしの食」(寄り合いの時のおもてなし料理)が2022年3月3日,文化庁【食文化あふれる国・日本『100年フード』】に認定いただきました! 「世代を超えて受け継がれ、長く地域… もっと読む
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スゲを刈りに行く

2024年6月4日 6月15日開催の「ちまきづくり」ワークショップの準備、 団子をクマザサで包み結ぶ紐、菅(スゲ・カサスゲ)を刈りに行ってきました。 「ツゲ(カサスゲ)は、早いこと刈って、干しとかんならんで」と昨夕連絡があり急遽行くことに。 1週間は陰干ししなければならないそうです(忘れていました)。 なるべく長いんを採るんやで!と。 少し日陰になる場所に生えるスゲの方が背丈が長いように思います。 刈り取って、葉先の方で束ねてバサバサ振ると、短い葉や枯れた葉が落ちるそう

季節の食暦をつくる。はじめの一歩

多賀大社前駅で週3回開催されている「もんぜん市」の記録を4月末ごろから取っています。 そんなたいそうな記録ではないのですが、畑仕事をしている人達が当番で店番をしていますので、野菜の調理方法に困ったときのアドバイスや、美味しい野菜の選び方などの豆知識が聞ける嬉しい場所なのです。 「こよみ」が出来たら素敵やん⁈ 旬の露地物野菜が並び、地元ならではの美味しい食べ方、交流ができる場を1年間記録したらすごいもんができるかも?! 旬の野菜カレンダーが出来て、地元野菜の食べ方レシピ、季

【よびし通信no.31】『お弁当箱のうた』の「すじのとおったふき」はどのふき?

よびし通信no.31発行しました。 多賀のお母さんから学ぶ食の知恵と技【『おべんとうばこのうた』 の「すじのとおったふき」どの「ふき」を思い浮かべますか? 】 ▼「ふき」といえば、滋賀県に来るまで出汁で薄味に炊いた「太いふき」の煮物しか見たことがありませんでした。「細いふき」がたくさん出回り、昆布と山椒、干しシイタケなどで炊いて佃煮にする、保存食を大量につくる文化に驚きました。 【トウブキ・クサブキ・ヤマブキ】 ▼もんぜん市では、三種の「ふき」が出回っています。いまだ

実山椒の備蓄計画

多賀大社前駅のもんぜん市に初物の実山椒が並びました。 とにかくストックしておかなければならない?? いや、 今は、軸を取る時間を考えると今日は無理かも・・・。 今買うべきか、やめておくか、逡巡していたら、我先にと実山椒を手に手にレジに並ぶおばちゃん達・・・。 実山椒が出回る時期は、数日のみで、ほんのいっとき。 やはり、今日を逃すと次が無いかも・・・。 急にスイッチon。かごに入れてしまいました。 軸(小枝)をとる 家に帰ったら、すぐに枝から実をとる作業にとりかかりま

豆ごはん好きの赤豆ごはん

滋賀県多賀町で昔から継がれている野菜の種子のひとつに「赤豆」があります。 もんぜん市のTさんが作っている赤豆、今年は種がFさんにも譲られて栽培されているようです。初物の赤豆がもんぜん市に並んだのが5月11日。 もんぜん市のおばちゃんたちが毎度口を酸っぱくしていうのが、 「豆は鮮度が一番!買うて帰ったらすぐ調理するんやで!」と。 「赤豆は、古代エジプトに起源があるツタンカーメンちゅう名前で種が売られとるらしいけどな・・・」と聞き、調べてみるとツタンカーメンの豆は鞘まで濃い紫の

わらびの一番美味しい食べ方は二杯酢やで

もんぜん市のおばちゃんたちが口をそろえて、「わらびの一番美味しい食べ方は二杯酢やで」とおっしゃる。 もんぜん市 滋賀県多賀町、近江鉄道多賀大社前駅で週に3日間、午前中だけ開催される「もんぜん市」。地元のおっちゃん、おばちゃんが畑で作った野菜を持ち寄って販売されています。 スーパーでは出回らないちょっと規格外の大きく成長しすぎたものや、間引いたもの、曲がったり割れたりしたものが並んでいますが、これが本来の野菜の姿。お財布にも優しい破格値で販売されていて、しかも、味が濃くて

杵と臼で「よもぎ」も搗く「よみや団子」にチャレンジ!

よもぎ摘み 令和6年4月21日、冷凍保存したよもぎペーストストックを持って、宵宮(よみや)団子作りに行ってきます!!と、張り切っていたら、杵と臼でよもぎをすりつぶして、餅搗く方法でやってみたいねん。と朝一番連絡が・・・。 朝から小雨ですが、再びフレッシュよもぎ採取4回目に行ってきました。 という話の続きです。 朝摘んで、水にさらしていたフレッシュよもぎを袋に入れて、多賀町栗栖のN邸に集合! 摘んできたよもぎは合わせて約400g。茹でて搾るとテニスボールほどのサイズになり

4月21日「よみや団子」のために「よもぎ」摘み4回!足りるかな?

4月21日は、宵宮(よみや)。 よみや団子は、懐かしいけど、誰も作ってくれる人がいはらへんし、自分で作らなしゃあないわな。今年も、よみや団子作るさかいにおいでや! 宵宮(よみや) 4月22日は、多賀大社の古例大祭(これいたいさい)。鎌倉時代より続く由緒あるお祭りです。地元の人は「多賀まつり」と呼んでいます。 前日の宵宮(よみや)に、よもぎ団子を作ってお重箱に詰め、親戚中に配ったそうです。それも、昭和終わり頃までのことで、今はもう無くなってしまった習慣だとか。 神輿や鳳輦

【よびし通信no.30】5年間発行してきて初のYOBISHIプロジェクトの紹介記事です 

よびし通信no.30 令和6年4月号発行しました。 滋賀県多賀町内には全戸配布されます。 YOBISHIプロジェクトの活動が、飲食店と勘違いされることが多く、初めて活動のコンセプトなどをno.30の節目で書きました。 よびし通信no.15までは、イベント告知メインのチラシでした。 デザインして印刷して、イベントが終わったら捨てられるのがもったいなくて・・・。どうしたら捨てられないのかスタッフと考えて辿り着いたのが、このまちの伝えたい郷土料理レシピを載せることでした。 バック

お手軽に「ぼたもち」を3分でつくる

令和6年3月20日春分の日、お彼岸の中日。 暖冬で土筆が出てきて、ぽかぽか陽気でそのまま春になるのかと思いきや、今日は、早朝から落雷、霰が降り霙まじりの荒天。 お墓参りは、天気の良い日に改めます。 家族みんな大好き、ぼたもち(おはぎ)。 我が家では年中「おはぎ」と呼びますが、春は牡丹餅というそうなので。今回はぼたもちで書きます。 餡は前日から解凍 お墓参りに行くのに、ぼたもちがあったら喜ばはるかなあと思い、冷凍保存しておいたそら豆の餡を出して、冷蔵庫で解凍していました。

ごはんonごはん??鮒ずしのお茶漬けは最高だった

ごはんがごはんのおかず?? 滋賀県に来てこの地の食文化に触れるたびに、未だに何が正解かよく分からない事があります。 白ごはんの上に鮒ずしの飯(イイ)をのっけて美味しそうにほおばること。それって、ごはんの上にごはんをのせて食べてる?? 炭水化物on炭水化物の罪悪感もあり、なんとも奇妙な光景に、それってどうなん??と、ごはんがごはんのおかずになるのか問題にぶち当たり何年も経ちます。 実は、他にも・・・。 鮒ずしだけでなく、焼き鯖そうめんも、炭水化物on炭水化物問題にぶち当たり

「そら豆」で餡をつくる

旧正月と建国記念日の三連休は、病み上がりにつき自宅に籠もる。 体調が回復してきたのか、あんこが食べたくて。 残念ながら、小豆のストックが切れていまして。 そんな時、乾物ストック棚を見ていたら、数年間放置していた乾燥そら豆と目が合ってしまいました。ずっと見て見ぬふりをしていた「ひねたそら豆」を使うか・・・。 雪予報??(ハズレましたが……)  薪をストーブにくべて、部屋を暖かくしたいので、煮物を作る環境は万全。 ちょっと昔までは、小豆は高級なので、そら豆で餡を作っていたと聞

プラスチック桶が所せましと並ぶ あの光景はなんだったのか?

ホームセンターに並ぶプラスチック桶 まだ多賀町に越してくる前のこと、今でも忘れられない光景があります。 ホームセンターの外壁天井まで何段も並んでいたのが、子ども一人が充分入れるサイズのプラスチック桶の数々。 何にそんなに需要があるのか??と衝撃を受けました。平成10年頃だったかと思います。 当時は、漬物を漬ける桶との認識はなく、雨水タンクかコンポストを推奨しているものかと勘違いしていました。 たくさん並んだプラスチック桶の数々が脳裏に焼き付いたまま数十年。最近になって聴

話し言葉は関西弁…お雑煮文化は?

親戚や隣近所の人が寄ることを「よびし」と言い、 お正月に親戚などが寄ることを「正月よび」とここらへんでは言います。 残念ながら若い世代には、馴染みのない言葉になってきています…。 その「正月よび」でいただくお雑煮、この町(滋賀県多賀町)の傾向がなんとなく分かってきました。 「どんなお雑煮を召し上がりますか?」 滋賀県多賀町は、平野部から山間部まで40ほどの集落があります。 鈴鹿山系を境に三重県と岐阜県に接する町です。 10年ほど前から、年に4集落ずつ民俗聞き取り調査をし