尚子

二人の娘を育児しながら認知症の両親のサポートをする日々を送っています。 両親が認知症に…

尚子

二人の娘を育児しながら認知症の両親のサポートをする日々を送っています。 両親が認知症になり、長らく住んできた家を離れることに。2023年の夏で、入居から早2年が経ちます。認知症の始まりから実家の後始末まで、目まぐるしく起こったあれこれを綴っていきたいと思います。

最近の記事

バカ者!

■2023年(両親81歳) 12/29  年の瀬に、父の異変 続き(4) 20:30 わたしだけ呼ばれ、父の元へ。 検査が一通り終わったので、父の横で診察を待つようにと言われる。 父はストレッチャーの上で悶えていた。 体を左右にわさわさと動かし、険しい表情。 ゴニョゴニョとずっとなにか呟いている。 酸素マスク越しで何を言っているのか聞き取れないのが歯がゆい。 ゴニョゴニョのなかに、「バカ者!」とのワードだけはっきりと耳に入ってきた。 その瞬間、カッと目を見開

    • 待合中の会話

      ■2023年(両親81歳) 12/29  年の瀬に、父の異変 続き(3) 19:30 救急車、別荘を出発 別荘から一番近い病院はNGで、少し先にある古いA病院に搬送先が決まる。 病院到着後、しばらく待たされる。 施設長さんも後追いで来てくれ、二人してひたすら待つ。 待合中、施設長さんより12/5に別荘内で看取った方がいたという話を聞く。 もう5年ほど入居していた方で、寝たきりになったのはここ1年ほどだそう。 ご飯が食べられなくなってから10日ほどで亡くなったと

      • ぐったり

        ■2023年(両親81歳) 12/29  年の瀬に、父の異変 続き(2) 18:30 別荘到着 車で向かっていると、背後からピーポーピーポーとサイレン音が聞こえてくる。 あれか、と思いながら、抜かされた救急車を後追いする。 父は1F食堂にいた。 車いすに座った状態でぐったりしており、例の険しい表情。 救急隊員が父を持ち上げ担架に乗せる瞬間、体中に電流が走ったように「痛い!!」と声を上げる。 とても痛そうで、見ていて辛い。 父が救急車に運ばれていく間、束の間母

        • 救急車出動

          ■2023年(両親81歳) 12/29  年の瀬に、父の異変 続き(1) 別荘より折り返しあり、もうこの時期で年末年始を挟むので、検査するとなると入院前提であれば受け入れ可能だろうとのこと。 このまま父が食事もできず、不安なまま病院にもかかれず年末年始をやり過ごすのは危険だと思い、入院前提で構わない旨を伝える。 であれば、入院前提で今から救急車を呼ぶとのことで、電話が切れる。 はぁぁ。また救急車出動か…。 お風呂上がりですっぴん、髪もボサボサ。 そんなこと気にし

        バカ者!

          年の瀬に…

          ■2023年(両親81歳) 12/29  今日から保育園は年末年始でお休み。 二女に駆り出され、公園でクタクタになるまで付き合う。 三女は熱が下がらずお留守番。 夕方帰宅後、二女とお風呂に入り、ほっと一息つこうとした矢先、別荘より着信。 父の飲み込みが悪く、食事が摂れない事態になっているという。 プリンですら飲み込めず。 心配なので検査した方が良いかもと。 このまま食事ができなければ、胃ろうなどになる可能性もあるが、胃ろうしますか? どうされますか? といき

          年の瀬に…

          年末のご挨拶

          ■2023年 実家じまいメモ 12/28  ご近所さんへ、年末のご挨拶 両親が実家を旅立ってから3度目の年末。 今年は2月から実家の賃貸が始まり、その後何とか落ち着いてくれている様子。 何となく、両親が旅立ってからの年末にはご近所さんへご挨拶回りに行くのが恒例になっている。 一昨年はスイトピー、去年はチューリップと、市場で仕入れた花を手土産にご挨拶回りしていた。 今年は何の花にしようかなと思っていたが、三女が高熱を出してしまい、敢え無く市場に行かれず。 そこで、

          年末のご挨拶

          思い出話

          ■2023年(両親81歳) 12/26 単身で訪問 9:30頃 往診立ち合い 続き(2) 往診が終わって食堂に戻ると、母がゆっくりとコーヒーを啜っていた。 ようやく頭が回転し出した様子。 わたしのことも辛うじて認識してくれ、笑顔も出る。 スタッフさん曰く、母がたまに、英語翻訳の仕事をしていた頃の話をする時があるらしい。 わたしたち子どもを負ぶいながら忙しく仕事をしていたというエピソードに、スタッフさんが「すごいね!」と言うと、母は「それほどでも…」と謙遜していたと

          思い出話

          頼りない

          ■2023年(両親81歳) 12/26 単身で訪問 9:30頃 往診立ち合い 続き(1) 往診医の第一印象は…  うーーん、なんだか頼りなさそうな医師という感じ。 診察中もずっとタブレット見てる。 ちゃんと目の前の父を見て診察してくれよ!! と言いたくなってしまう位。 ・手足のむくみ、恐竜爪について 水虫かも? と、とんちんかんな回答。  え? 水虫でこんなパンパンになるの!? 全くもって頼りない。 あかぎれ部分については軟膏を出してもらうのみ。 ・お尻

          頼りない

          痛々しい手足

          ■2023年(両親81歳) 12/26 単身で訪問 9:30頃 この日は往診とのことで、わたしも同席することに。 10月の終わりに新しい往診医に切り替わってから初めての立ち合い。 父の手足、特に左足のむくみがひどく、ぱんぱんに腫れあがっているのが心配で、そのあたりをわたしも直接聞いてみたかった。 手足の指先もあかぎれのような傷がところどころできていて、とても痛々しい。 今日の父は、またも苦しそうな険しい表情。 顔をしかめて眉間にしわを寄せている。 声をかけても

          痛々しい手足

          住まいを分かつ

          ■2023年(両親81歳) 12/22 単身で訪問 9:30頃 続き(5) 尚子「訪問看護を入れれば、こちらに居続けられるってことですか?」 スタッフ「はい。…大丈夫だと思います。」 尚子「ちょっと考えてみます…。」 帰りの車中でぐるぐると思考を巡らせる。 わたしとしては、今からいきなり住環境を別のところに移すというのは父にとって負担がかなり大きいと思う。 第一、母と一緒に居てほしい。 両親が住まいを分かつとは、やはり考えられない。 もしも父だけ別の場所に移

          住まいを分かつ

          訪問看護?

          ■2023年(両親81歳) 12/22 単身で訪問 9:30頃 続き(4) こうした状況を受け、今後何か起きた際、看護師常駐の施設(特養や療養型)の方が安全なのでは? と勧められる。 もしくは、訪問看護を新たに契約して、週何回か来てもらうという方法もありだと。 訪問看護を導入すれば、現状よりいくらかは手厚くなるが、介護保険の単位が不足する場合は自費になるという。 「どうしますか?」とその場で問われ、またも面食らってしまった。 そんなこと急に言われても、唐突過ぎるで

          訪問看護?

          噛みつく

          ■2023年(両親81歳) 12/22 単身で訪問 9:30頃 続き(3) 帰り際、スタッフさんより父の近況を聞く。 ・最近、朝起きると痰がらみの咳をするようになり、念のため12月から流動食にしている。 今後もし痰の吸引が必要になった場合、別荘ではそうした医療行為ができかねる(看護師しかできない)。 ・拘縮が強く、お風呂でうまく体が洗えない。 入浴中、嫌がってスタッフさんに噛みついたりと、入浴困難(噛み付かれたスタッフさんは腕にアザができたとか…)。 このまま入

          噛みつく

          クリスマス飾り

          ■2023年(両親81歳) 12/22 単身で訪問 9:30頃 続き(2) しばし食堂を離れ、久々に居室に行ってみると、手すりの棒が全て撤去されていた。 手すり案、まるで意味なかった。 まぁ試してみないと分からなかったから仕方ないか。 もうこの居室で使うことが叶わなくなってしまった品々を持ち帰ることにする。 毛布2枚、ハンドクリーム、キッチンペーパー、紙コップ、クリスマス飾りにお正月飾り… クリスマス飾りはキルトでできたクリスマスツリーの形をしたもので、ツリーの

          クリスマス飾り

          どうかお元気で

          ■2023年(両親81歳) 12/22 単身で訪問 9:30頃 続き(1) 今日は、両親宛にニューヨークから届いたクリスマスカードを見てもらいたかったので、カバンから取り出す。 赤と緑のクリスマスカラーで「HO!HO!HO!」と大きくプリントされたカードで、文字の上にあしらわれたラメ模様がキラキラ光っている。 「孝・淳子様 今春は久しぶりにお会いできて本当に嬉しかったです。 どうかお元気で、良いお年をお迎えください。」 この先輩方とは3月に久々の再会が叶ったこと、二

          どうかお元気で

          堂々と侵入

          ■2023年(両親81歳) 12/22 単身で訪問 9:30頃 父、新しい車いすに座って朝ご飯中であった。 大きなエプロンをつけられ、鮭のおかゆをスタッフさんに食べさせてもらっていた。 一昨日ぐらいから父専用の車いすが導入された様子。 車いすに座ったままリクライニングできるらしい。 母は表情硬いながらも、ウロウロと歩き回っていた。 私が横に付くと、私の手をぐいぐいと引っ張り、自分の行きたい方向に進んで行く。 その力強さにびっくりする。 食堂と引き戸でつながっ

          堂々と侵入

          脳梗塞の症状

          ■2023年(両親81歳) 12/20 お昼頃、別荘より留守電あり。 今朝、母がまた脳梗塞で入院した時のような意識がなくなる症状が見られたとのこと。 この日は娘たちを連れてクリスマスのコンサートにやって来ていたところだった。 コンサート中に中座して留守電を聞き、一気に陽気な気分が萎む。 折り返して詳しく聞くと、母は目を見開いたままいびきをかき、声掛けにも反応がなかったそう。 往診の医師が診てくれ、その後は症状も収まっているようなので様子見で良いとなったらしい。 医師か

          脳梗塞の症状