記事一覧
フリーター書店員、家計簿をつける。
転職活動を一旦休止することにしたので、家計簿をつけることにした。お金の管理のためである。
飽き性の自分がどうしてこのようなことを始めたのかというと、有り体に言えば、何かをまた始めたかったのである。
私は書店員歴四年目のアラサー。アルバイトでの勤務であるため、給与は雀の涙ほどしかない。
書店員というのはあらゆるバイトの中でも常に最低賃金をさまよっている上、アルバイトを何年続けようが昇給、正
暮らしの種 『季節の色に目を凝らす』
何かと気鬱になりやすい性質である。
塞ぎ込んでしまうと、ベットの中で日がな一日「ああでもない」「こうでもない」と思い悩んでしまうことになる。それで自動的に収入が発生し、健康が持続され、知識が増えてゆくのならば問題ないのだけれど、そう都合のいいことなどないので、どうにかじゃじゃ馬のような情緒をなだめ、だましだまし生きている。
そんな私にとって、春はやさしい季節である。
というと、おかしな
逃避、そしてささやかなる抵抗
バス停まで向かう道すがら、ドライフラワーのごとく鮮やかに枯れた紅葉の葉が、廃屋のほとりに堆積していた。アラベスクさながらのその様子に、思わず感嘆する。そこは以前──というのは、私がこの土地に住むよりずっと前の話──蕎麦屋だったそうで、それなりに繁盛していたとのこと。気のいい老婦人が居た、と知人から聞いたことがある。しかし、今はもうすっかり物静かな廃屋で、蕎麦屋であった頃の良き喧騒などは見る影もな
もっとみる