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デジタルマーケティングにおいて、大枠の「戦略」を描いた後、次は「戦術」を検討するフェーズに移ります。

戦略・戦術・実行計画

戦略から戦術を検討するには、まずデジタルマーケティング施策に対しての現状把握を把握するための「KGI・KPI」の理解が必要です。
特にデジタルマーケティングにおいては、各ファネルごとのKPIを捉えることで、課題分析や施策実施した際の効果検証の質が向上します。

ただ、「KGI・KPI」とはビジネスシーンで、よく聞くワードではありますが、デジタルマーケティングにおいてはどのように理解すればいいのでしょうか?
今回は、現状をデジタルマーケティングの現場において、現状課題を正しく把握し、今後の改善アクションを有効に設計するための「KGI・KPI」について共有していきます。

KPI・KGIとは

KGIとは

「Key Goal Indicator」の略語で、重要目標達成指標、つまりビジネスにおける最終目標を定量で評価するための指標です。
一般的には売上高、成約数、利益率などが設定されます。

KPIとは

「Key Performance Indicator」の略語で、重要業績評価指標、KGIを達成するためのプロセスが適切に進捗しているかを定量的に評価する指標です。
KGIである最終目標を達成するために日々の活動で何を目指すべきか、中間目標が具体的に設定されます。

ダイエットにKPIを活用した例が参考になります。

ダイエットで理解する「KPI」

KGIを体重(kg)として、目標数値としては6ヶ月でー6kgだとします。
体重を分解すると、体脂肪・筋肉・骨・内臓などに因数分解できますが、主要KPIはコントロールが可能かつ測定することができるものが望ましいので、「体脂肪」になります。
さらに体脂肪を分解すると、「摂取カロリー マイナス 消費カロリー」となります。
これが中間KPIです。
さらに摂取カロリーを抑えるには、朝昼晩・間食での摂取カロリーを1日〇kcalまでおさえるといった、活動のKPIまで分解することができます。

このように、KPIを捉えることで課題とやるべきことが明確になります。
また、何を指標として振り返ればいいのか?どの指標がボトルネックになっているか?を把握することも可能になり、改善アクションも明確になります。

KPIの設定パターン

では、本題であるデジタルマーケティングにおいてのKPIとは、どのように捉えると良いでしょうか?

KGIを「売上」と置いたときに、KPIは事業の売上構造を分解していくことで設定します。
その中で、コントロール可能で、且つその指標を伸ばすことでビジネスをドライブさせることができる指標を「主要KPI」として設定することが理想的です。

KPIパターン

例えば、パターン1では、訪問率、購入率、購入頻度を主要KPと設定しております。
デジタルマーケティングで、マーケットの市場規模や認知率を増やすことは現実的ではありません。
また、購入単価や購入個数もサービス・事業上アップセル・クロスセルが有効であれば機能するKPIになり得ますが、難易度が高いのあれば購入頻度をKPIとして、その指標を高めるためのシナリオを検討した方が筋が良いです。

難しい場合は、シンプルなパターン3もお勧めします。

KGIの売上目標120%だとすれば、
①自社へのサイト訪問者数を増加
②成約率の増加
③顧客単価の向上
となり、①だとWEB広告・SEO対策などの施策に分解できるので非常にシンプルです。
このように、KPIの設定はまさに売上拡大のツボを探す作業です。

KPIパターン参考例

こちらは、デジタルマーケティングで活用されるKPIや評価指標の参考例です。
特に各フェーズにおいて知っておいた方が良い指標がありますので、一部ご紹介します。

集客フェーズ

WEB広告でよく使われる方程式は、「Impression(表示回数)×CTR(クリック率)×CVR(獲得効率)×単価」です。
また、広告の効率性や費用対効果を見る指標として、「顧客獲得単価のCPA (CPC÷CVR)」、「広告の費用対効果 ROAS(売上÷広告費)」は活用するケースの多い重要指標です。

獲得フェーズ

「セッション数×CVR×単価」の方程式はもちろんのこと、獲得効率の指標である「CVR(CV÷セッション数)」は重要指標になります。

リピート・継続フェーズ

ひとりの顧客が、企業との継続的な取り引きの中でどれだけの利益をもたらすかを算出した「顧客生涯価値 LTV(顧客単価×購買頻度×継続期間)」は抑えるべき指標です。
また、WEB広告やLTV(ライフタイムバリュー)向上の文脈でよく使われるKPI・評価指標の例は、下記を参考にしてください。

広告及びLTV観点でのKPIパターン参考例

KPIと紐づけた課題分析の流れ

それでは、KGI・KPIを理解したところで、マーケティングファネルのフレームを活用した
デジタルマーケティングの課題分析の流れを、体系的に捉えるためのステップを解説します。

流れとしては、4ステップです。

マーケティングファネル分析

STEP①
まずは、マーケティングファネル別の現状施策を整理する。

STEP②
その施策を評価する主要KPIを設定する。

STEP③
現状課題を分析するための定量調査・定性調査を実施する。

STEP④
どのチャネルで水漏れしているのか?のボトルネックを把握する。

といった流れになります。

現状施策とKPIを紐づけて整理できると、どこの指標が問題なのか?ボトルネックの特定がしやすくなり、打ち手がシャープになります。
逆に、この理解が乏しいと打ち手を誤ることになります。

例えば、新規顧客数(新規顧客売上)がダウンした場合、獲得フェーズの「CVR」が明らかに低いと判明したとします。
本来であれば、公式サイトやLP改善が打ち手になりますが、改善施策が「ディスプレイ広告の強化」や「コンテンツマーケティングの強化」だと、流入数を上げる施策になるので、課題に対してシャープな打ち手になっていません。

このように、KPIは売り上げ拡大のツボを探す作業であるとともに、水漏れ箇所を特定するためのチェックポイントにもなります。
施策とKPIを紐づけて整理して、課題の分析をしていきましょう。

参考_KGI・KPIを設定する上でのチェック項目

以下は、KGI・KPIを設定する上でのチェック項目です。

(チェック項目)

KGI・KPI設定を成功させるには、誰が見ても明確、且つ自社でコントロールと測定が可能であることが重要です。
「SMART」という目標設定に役立つフレームワークをベースにしたチェック項目で設定すると、それらは明確になります。

また、下記はデジタルマーケティング評価指標でよくでる用語解説です。
デジタルマーケティングにおいては略語が用いられることが多いため、参考にしていただければ幸いです。

デジタルマーケティング評価指標でよくでる用語解説

最後に。日経ビジネススクールの講座紹介

日経ビジネススクールのオンデマンド動画講座では、「デジタルマーケティング戦略立案」について、より詳細を解説しております。
デジタルマーケティング戦略立案において、概念的な基礎知識だけなく、実践的で再現性の高い「戦略立案方法」を解説しております。
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講座の想い
「未経験でもデジタルマーケティングを活用してもらいたい!」

私自身は、営業出身で新規開拓営業からソリューション営業まで多くの企業様への営業経験をさせてもらい、そこで強烈に感じたのは、ほぼ100%に近いクライアントがデジタルマーケティングに課題を感じており、「事業を生かすも殺すも、デジタルマーケティングをものにできるか否か」といった現実でした。
そこから、デジタルマーケティングの必要性を強く感じ、未経験でデジタルマーケティングのコンサルティング業に思い切って転身。
そして、BtoC、BtoB問わず、大手企業からベンチャー企業までデジタルマーケティングを活用した事業成長支援を、通常の倍速以上で濃縮に経験させていただいております。
もちろん、クライアントへバリューを提供するために、ご飯を食べるように書籍や動画など、デジマケ関連の情報は読み漁りました。
そこで感じたのは、WEB広告、SEO、SNS、LP改善などなどなど施策単位のナレッジ・方法論は人生賭けても読みきれない程解説されていますが、「何をすべきか?」の戦略的な問いに対して理解することが難しいと感じました。
というのも、デジタルマーケティングは、「施策メニューが多い!分析データ量も多い!」と「忙殺の沼」にハマるといった落とし穴が多いからです。

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デジタルマーケティング特有の横文字が多いのはご容赦いただきたいのですが、デジタルマーケティングに関わる方には、お役に立てる講座です!
僕自身がそうであったように、未経験でも体系的に理解できるように、出来る限り解説しております。
是非、ご興味あればご試聴ください。拡散も嬉しいです。

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