森正祐紀
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キャスティング屋が選ぶ「2023年下半期 気になった人50」
皆さんこんにちは。キャスティングの森正です。
上半期に引き続き、下半期も気になる人たちばかりだったので、例によってまとめてみました。今期は結果的に10代の女優が多めになっています。
では、早速本編に参りましょう。
上半期の記事もあわせてご覧いただくと、2023年全体のムードがよくわかるかもしれません。
また、過去の「気になった人まとめ」は以下のマガジンに集約してあります。ご興味ありましたら
自分のことばを生きる
中学1年のとき、担任の先生が同窓会に行った話が妙に記憶に残っている。当時、先生には長らく連絡を取っていなかった親友がいたらしく、同窓会で会えるのを楽しみにしていたそうだ。その友人を会場で見つけ、喜び勇んで話しかけに行ったのだが、どうにも"言葉が通じない感覚"に陥ったという。決してよそよそしかったわけではなく、友人も再会を大層喜んでいたらしい。だが、話している言葉にどこか違和感を感じ、別の人物になっ
もっとみるそう、僕らは夜を越えてきた。古びたニュータウンが掘り起こす、身近で壮大なアイデンティティ。
映画「すべての夜を思いだす」の余韻がまだ消えない。
映画の舞台となるのは多摩ニュータウン。高齢化が進み、人もまばらな団地の中を、世代の異なる三人の女性たちが闊歩する。三者三様の事情を抱えて団地を彷徨うわけだが、そこで何が起こるわけでもない。いや、起こってはいるのだけれど、取り立てて何か起こったとも言い難い日常の些事が描かれていく。総じてミニマムで静謐なムードを持つ作品だが、その背後には実にダイナ
何者かに変身したかった若者たちの「正しい老い方」|映画「仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド」
迷いの中のヒーロー
2003年に放送されていた「仮面ライダー555」が20年ぶりにVシネとして帰ってきた。
555と書いてファイズと読む。「仮面ライダー555」は、夢を持たない青年・乾巧が、変身ツール・ファイズギアを用いて仮面ライダーファイズに変身し、怪人・オルフェノクと戦う物語だ。といっても、単なる勧善懲悪の話ではない。主人公を含めた3人の若者と、怪人ではありながらも人としての生き方を模索す
システムを解きほぐす、「他者」への想像力|映画「PERFECT DAYS」
ひとりの男の「環世界」
昨年の暮れに公開された映画「PERFECT DAYS」をようやく鑑賞できた。
トイレの清掃員として生きる主人公・平山の日常をこれでもかというくらい淡々と描いた、なんとも不思議な作品だ。見る人によっては相当退屈だったに違いない。来る日も来る日も同じルーティンをこなす平山の生活は、まるでタイムリープのようにも見える。時折、他の人物の登場や働きかけによって日常にさざ波が立つこ
ナルシスト社長のみっともない成長記録。ひとり会社8年目のいま思うこと。
このほど、自分が代表を務める会社が7周年を迎えた。
会社といっても、ほとんどフリーランスと変わらない一人会社だ。昨年から妻が正社員として従業員になったので、もう厳密には一人会社ではないのだけど、大半の業務は自分でやっているから、そういう意味では今も一人会社のようなものだったりする。
多くの会社が10年で倒産するというデータもあるなか、資金的な余力を十分残した状態で8年目を迎えられたのは素直に嬉