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振り返ってみたら外食が苦手だった


いい寿司屋を楽しめなかった

両親と寿司屋に出かけた。予約の取りかたが少し変わっていて、枠も少ないとのことだ。いつもより少しおしゃれをして出かけた。

入店時間は決まっていて、客の全員に同じタイミングで同じものを出す。小さな店で、カウンターで10席ほどだろうか。板前さんが目の前で握ったものをその場で食べる。
出すときにこれは何とかです、と説明してくれるのだが、店の雰囲気にのまれて味があまりわからなかった。

飲みものは自由にえらべるが、メインはアルコールだった。私は体質的に酒が不得意なので、最初から最後まで温かいお茶を飲んだ。酒を注文した客のグラスが空くと、店の人がすかさずつぎは何にしましょう、と尋ねていたが、断っている人はいなかったように思う。

カウンターを囲むほかの客の会話が聞こえてきて落ち着かない。目の前の寿司を味わうことに集中しなければ、と思えば思うほど、意識が散漫になる。

2時間の食事を終え、父に出された領収書が目に入った。細かい値段は忘れてしまったが、一食ぶんとは思えない額だった。

帰り道、どっと疲れが襲ってきた。店に行ったのは、それが最初で最後になった。

好きなお菓子を持ち帰る

先日、雑貨屋と焼き菓子の店に行った。まえから気になっていたところだったので、インスタで投稿を見ていて、とても楽しみにしていた。イートインスペースも併設されていたが、ほかにも回りたい店があったので、焼き菓子をひとつとお皿を1枚買って帰った。

さらに2店舗を回り、焼き菓子を買って帰った。コーヒーを淹れて、お気に入りのお皿に載せて食べよう。

私は太りやすい体質で、お菓子の類は買わないようにしている。そのかわり「カフェやレストランで食べてくるのはOK」というのが、これまでのルールだった。これまでの、というのは、ここ半年ほどはそのルールが崩れ、お菓子もじゃんじゃん食べてしまっていたからだ。先日、こちらの記事にも書いた(最近は少しずつ改善してきている)。

家に着いた私は、コーヒーとお菓子をまえに座る。買ったうち、2つを食べることにした。

以前からブロンディという焼き菓子を食べてみたいと思っていたところ、インスタで見た商品ラインナップに「ストロベリーブロンディ」という文字を見つけたので、買ってみたのが一点。もう一点は、雑貨屋で見つけたオートミールクッキー。焼き菓子といえばクッキーというくらいに、大好きな食べものだ。

まれに見る最高のティータイム

ブロンディをひとくちかじって、歯のあたりの柔らかさに驚いた。かといって崩れることもなく、適度にしっとりしている。生地には、チョコチップといちごが混ざっている。甘すぎなくておいしい。こんなにおいしいお菓子がこの世にあったのか。

ブラウニーはチョコレート色なのに対し、ブロンディはブロンドカラーだからこの名前になった……と聞いたことがあったため、もっとぎっしりとした生地を想像していた(厳密にはちがうお菓子との情報も出てきた)。

コーヒーを飲みつつ、これはテイクアウトして正解だったな、と思った。

はじめて食べて感激したブロンディ

外食で苦手なこと

外食して「苦手だな」「不快だな」と思ったことを振り返ってみると、ほとんどが料理以外の点だと気づいた。私にとっては、食べものよりも「心地よい場であること」が大事らしい。

料理に関係する項目をあえて挙げるなら「量が少ないな」と寂しくなることが多いくらいだ。こちらは頻繁に起きるため、すでに「外食のときは量に期待しない」という姿勢が板につき、動揺しなくなってきた。どこまで食いしん坊なのか。

それよりも、店員がぶっきらぼうとか、笑い声がやたらと大きな客がいて会話が聞こえないとか、注文した料理が全然来ないとか、用事があるときに店員がつかまらないといったことが苦手だ。都内のカフェにありがちな、隣との距離が異常に近い席も得意ではない。

もちろん、いい店もあるとわかっている。でも、どんなに評判がよくても、入ってみなければ自分に合うかわからない。人間関係にしろなんにしろ、似たようなことはあるけれど、食事でそれをやるのが苦手なのだ。

友人と行った飲食店で、店主がアルバイトの女の子をずっと叱責している店にあたったことがある。ぐちぐちいう声が気になり、会話のテンポがくずれがちになった。味はおいしかったけれど、たとえひとりだとしても、その店に行くことは二度とないだろう。

自分なりの線引き

焼き菓子をお気に入りのお皿に載せて、じっくり味わう時間は、とても満足度の高いものだった。快適な部屋着で、誰にも見られずに好きなものを食べている。いままで、こんなふうに何かを味わったことはなかった。

「それならなんでもテイクアウトして食べればいいじゃないか」と言われてしまいそうだ。たしかに、自炊以外の食事を楽しみたいとき、私の場合はテイクアウトのほうが向いているように思う。とはいえ、テイクアウトできないものを諦めたり、親しい人とでも外食しなかったりというのは、あまりにも寂しい。

ここまで考えてみて、外食については線引きをしたほうがいいような気がしてきた。

  • 誰かと会うとき

  • どうしても食べたいメニューがあるとき

いまのところ、ここが私なりのラインになりそうだ。「この人に会うためだったら/これを食べるためだったら、だいたいのことは我慢できる」と思えたら、そのときは外食することにしよう。



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