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無限ループのさなかに

どハマリ中の『86―エイティシックスー』はテレビ放映が終わったあとに知った作品だから、ファンのみなさんのリアルタイムの反応を知らなくて残念に思っている。もっと早く知っていれば! の気持ちが強い。

原作は完結していないから、続きを知りたい一心で既刊の文庫本は全部読んだ。読んだらすぐ忘れる仕組みなので、最新刊を読み終わったところで初めがどうだったか読み直したくなり、ただいま2周目。同時に、このシーンってアニメはどうだったっけ? って思って、本を読めないときはラジオ感覚でアニメを無限ループしている。これが沼ってやつか!

原作とアニメを比べながら、違いを楽しむようになるなんて思いもよらなかった。平和な日本にいて、心は常に戦時下にある。文章の中のセリフは、ちゃんとアニメのキャストさんの声で脳内再生される。オタクはみんなこんなふうなのかい? なんて幸せなんだ!

そんな中、このところ話題のメディアミックス関連の投稿を見て思う。「アニメの続編が見たい」なんて、安易に言ってはいけないんじゃないかって。

もちろん、すべての作品がそうなわけじゃないだろうけど、よくある話だと知ってしまったら、原作者の意向がNOならば叶ってはいけないことだと思うから。

ある作家さんのSNSの投稿が流れてきてハッとした。

「未完結の作品の未来は原作者しか知らない。それに手を加えることは過去を変えるようなもの」

そんな趣旨の投稿だった。過去を変えたら、あるはずの未来が消えてしまう。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だって、あやうくマーティは消えかけてる。原作の魂を宿した人にしか、原作を触ることは許されない。とても神聖なんだと思った。

ボンノ少し相手を思いやるだけで、世界は変わると思う。三方よしっていうじゃない?

「好き」で満たす暮らしを目指しています。