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2021.2月21日 短編・48『厩舎街の殺人』 & 方眼編みのドイリー

名探偵ポアロシリーズ読書記録 短編・48は『厩舎街の殺人』です。
短篇集『死人の鏡』収録作品です。

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短篇集に収録されているのですから、短編小説という括りに入る訳ですが。そこそこのボリュームがある作品なので、中編小説といっても過言ではないかと思われます。

内容も凝ったもので、「あっさり終わっちゃったわ」という感じのミステリではありませんね。
読み応えのあるミステリ小説を求めている読者の方に、お薦めの作品です。

本筋とは直接関係ない部分ですが、私がとても興味深いと感じた箇所を、抜粋して記します。
この事件におけるポアロ氏のパートナー役・ジャップ警部とポアロ氏の会話です。

《 「なあ、ポアロ、ぼくはときどききみに人殺しをさせてみたいと思うことがあるんだがね」

「おやおや!(モン・シェール!)」

「うん、どういう手口でやるか、ちょっと拝見したいもんだよ」

「おいジャップ、わたしが殺人をやるとなりゃ、きみには皆目わかるまい…… わたしの手口がさ。たぶん、殺人があったってことにも気づかないだろうよ」》

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このやりとり、フィクションだからこそ、創り物の世界だからこそ、成り立つ会話だと思いませんか?

ミステリ作品というのは現実に起きる犯罪事件ではなく、あくまで創作であり非現実なのですよね。
だからこそ、エンターテイメントとして、娯楽として成立するのであり、嗜みとして楽しめるわけです。

【フィクションはフィクション
仮想現実は仮想
現実は現実】

フィクションや仮想世界と、現実の実社会を混ぜこぜにしないことの大切さを、アガサさんは教えてくださっているように私には感じられるのです。

アガサ・クリスティ氏の作品から読み取れる、こうした部分の良質さを、私は愛しているのですよね🐱

さらに、私の好きな文章をもう一つ。この小説のラストの2人の会話を。

《「あんたにしちゃあ上出来だよ!ほんとに、大したもんだ!(ユー・テイク・ザ・ケイク!) さ、飯でも食いに行こうか?」

「いいとも。しかし、ケーキはごめんだぜ。まず、マッシュルームのオムレツ、仔牛肉のホワイトシチューにグリーンピースのフランス風。それから……次は……ババ・オ・ロムといこう」》

グルメなポアロ氏らしい、締めくくり方ですよね♪
完全な再現は無理だけど、このメニューに近い料理を作って食べてみたいなぁ、なんて思います😋

本日のレース編み作品はこちら

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馬さんとは何の関係もないのですが🙇‍♀️

厩舎ということで、何となく四角い感じのものを。

2012年発行の『ニットマルシェ』に載っていた作品を参考にさせて頂きました❄️🐴

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