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2021.2月18日 短編・47『スペイン櫃の秘密』 & 籠のふた

名探偵ポアロシリーズ読書記録 短編・47は『スペイン櫃の秘密』です。
こちらも、短篇集『クリスマス・プディングの冒険』収録作品。

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(あれ?前に似たような題名の作品があったような…)と、思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そうなのです。よく似たタイトルの『バグダッドの大櫃の謎』という作品が短篇集『黄色いアイリス』に収録されており、私の読書記録でも短編・21の回でご紹介しました。

似ているのはタイトルだけではなく、内容も酷似しています。
『バグダッドの大櫃の謎』は、『スペイン櫃の秘密』の前身作品ということですね♪
短編である『バグダッド…』を膨らませ、より内容を充実させた作品がこの『スペイン櫃の秘密』でありますので、こちらは短編というより中編小説に近いと言ってもいいかもしれません。

クリスティ氏の作品の中には、こうしたものが他にもいくつか見られます。
読み比べてみるのも、読書の楽しみ方として有りですね😊

個人的には、ポアロ氏とミス・レモンとの会話部分を、この『スペイン櫃の秘密』ならではの魅力として挙げたいですね。

それと、初めのほうに、ポアロ氏の女性観が描かれている箇所があり
「彼にもかつて、ロシアの伯爵夫人に……が、今ではこれも遠い昔の話。」
と、記されています。
あの、ヴェラ・ロサコフ伯爵夫人のことですよね!
短篇集『教会で死んだ男』に収録されている『二重の手がかり』で登場した彼女。ポアロ氏に、とても強い印象と記憶を残した女性です。

『スペイン櫃の秘密』事件は、『二重の手がかり』事件から、かなり時を経てから起きた事件という設定なのですね。
なるほど🧐

こうした、過去の事件で絡んだ人物に関しての記述をさらりと織り交ぜている点など、職業作家としての技巧の高さを感じますよね。

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因みに。デビッド・スーシェ氏主演の英国ドラマシリーズでは、『スペイン櫃の秘密』だけが作られたようです。
流石に内容が似すぎているので、『バグダッド…』と『スペイン櫃…』両方を撮影する訳にはいかなかったのでしょうね。

本日の編み物作品は、こちら↓

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四角の籠に、目隠しになる蓋のようなものが欲しいと思い
紅い糸で編んで、籠に括り付けました。
細々した小物類を収納するのに使っています。

櫃とは、ちょっと違いますけど。
物を入れる用途として、箱や籠は便利で必要な物ですね🧺🗃 


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