おためしチケットレスで乗ってみた。
新幹線や在来線特急などの指定席では「チケットレスサービス」がある。きっぷを発券せずとも、スマホ画面や交通系ICとの紐付けで予約した列車の指定席に座れるというもの。
鉄道会社側にとってみれば、きっぷを拝見する手間を省略できるなどの効率化などのメリットもある。そういうところから割引キャンペーンも多く実施されている。
その一つが「おためしJWESTチケットレス」。「京都ー大阪間」を走る特急で使えるチケットレス商品だ。
通常の特急指定席→1290円
WESTERポイントと併用したチケットレスが450円+200ポイント
「おためし」→250円+200ポイント
比較してみるとかなりの「おためし価格」。手軽に使えそう。
そんなこのチケットレスを、去年末に大阪から京都への帰り道で使ってみることにした。
びわこエクスプレス
今回乗るのは「びわこエクスプレス」。大阪から草津や米原を結ぶ特急列車。種別は「通勤特急」で文字通り平日朝の通勤、夜の帰宅時間帯のみ運行される。
阪急電車や京成電鉄など大手私鉄ではよく聞く名前だが、JRグループではここだけ。私鉄は乗車券だけで乗れるが、こちらは別料金が必要だ。
キハ189系
車両はキハ189系というディーゼル車。特急「はまかぜ(大阪〜鳥取、豊岡など)」と冬の臨時特急「かにカニはまかぜ(大阪〜浜坂)」で使用される。
「びわこエクスプレス2号」は「はまかぜ6号」として20時過ぎに大阪駅にやってきた。少し整備と清掃し、引き続き使用。草津を目指すことになる。
ちなみに、同じ名前でも「1号」と「4号」は「サンダーバード」の「683系」を使用。平日の夜に米原まで向かい、そこの車庫で一夜を明かす。翌朝、大阪に向かい、「サンダーバード」として走る。全列車とも土休祝日の設定はなく、ダイヤに近い時間で「回送」される。
カニシーズンに釣られて
この日は3両を2編成繋げた6両編成。「香住ガニ」「津居山ガニ」が有名な兵庫県但馬地方へ向かう「はまかぜ」。カニ漁解禁時には増結が実施される。それに釣られた「びわこエクスプレス」もこの状態。
列車内は比較的空席が目立つ。別料金が要らない「新快速」の方が乗る人が多く、3両でも事足りる。ただ、本来は「回送」だったのを営業しているから、少しでもコスパは良いし、満員が嫌な人には良い環境。
大阪駅発車
大阪駅を発車。特急のディーゼル車は電車に近い高加速と高馬力。みるみるうちに速度が上がる。
淀川に差し掛かると、「大阪駅“うめきたホーム”」からやってきた「直通快速」と並走。一旦は抜き去るが、駅の手前で軽々追いつく。
新大阪の発車も同時。ただ、おおさか東線は分岐の速度制限を食らう。特急が勝利したよう。「直通快速」は「奈良」までひた走る。
高槻駅を通過。新快速との違いはこの駅を通過するか停まるかぐらい(1、4号は能登川駅も通過)。メインターゲットが大阪から滋賀方面というのと乗るにしては少し短そう。
短距離でいつもの路線。しかし、車両が非日常なだけでプレイリストを作らずにはいられない。
30分で京都駅に到着。列車はこの先、草津へ。そこで折り返して、向日町駅の車庫へ引き上げる。
客側は「密」を回避でき、会社側は回送を有効活用し、稼ぎを増やせる。ウィンウィンのような「通勤特急」。あくまで気晴らしの僕でもこれは使い勝手がいいのかも。
ただ、「びわこエクスプレス」自体は比較的まばら。「はるか」「サンダーバード」よりも圧倒的に本数が少ない。手軽さには少し欠けてしまうかも。
ただ、「おためしチケットレス」の対象列車はこれに限らない。
スーパーはくと
はるか
サンダーバード
など、京都ー大阪or新大阪間、ほとんどの特急が対象、キャンペーン期間中はどの時間でも使える。通勤目的でなくてもいい。
チケットレスはこれまでも使ってきたが、やっぱり、きっぷを発券する手間がいらないのはラク。次の次の列車ぐらいで「あ、そうだ乗ろう」というノリでも行ける。主要駅は人でごった返すし、私鉄沿線だと少し遠くて面倒。使いこなせば、便利なもんだ。
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