箕面萱野、初日
2024年3月23日、北大阪急行電鉄の千里中央〜箕面萱野間がついに開通した。北陸新幹線と比べればローカルな話題ではあるが、初日から賑わいを見せている。そんな僕も開通初日から箕面萱野へ行ってみることに。
新大阪駅
京都から新快速に乗って、新大阪駅へ。JR側の表示には箕面萱野の文字はないが、デカデカと御堂筋線を書いてある。元は小さい文字だったが、尋ねる迷い人が続出、駅員さんが疲弊し、こんなにデカくしたのだとか。
大阪メトロの改札へやってくると早速見つけた「箕面萱野」。ついに本格的にお目見えだ。
箕面萱野行き
新大阪止まりの回送車が出ていくと、箕面萱野行きがやってきた。行き先にある4文字を見ると
新時代キターーーー!!!!!
とバイブスが上がって加速する笑
箕面萱野という発音も個人的には気にしていた。箕面は地元アクセントで強調し、2ワードで分けている。こういうところに謎にうるさい僕にとってはなかなかの完璧さがある。
車内放送のお姉様は1ワードで「箕面萱野」を読み上げる。声の主が大阪人だから違和感はないし、いつものイキイキしたあの声なのは変わらない。
北大阪急行
江坂から先は大阪メトロから北大阪急行線へ。大阪市内を出てしまうこの先は別会社。
1970年大阪万博アクセスをどうするかというときに阪急電車が仲介。御堂筋線と接続し、万博会場目の前は直通する「北大阪急行電鉄」を立ち上げた。短い距離ながらもそういう歴史があって、別々になった経緯がある。
雨の新御堂筋
千里中央
次は千里中央。放送文面は大幅に変更された。
次は、千里中央、千里中央です。
大阪モノレールはお乗り換えです。
The next stop is Senri-Chuo.
Station number M08.
終点(final stop)と言わなくなっただけでも開通を実感する。しかし、かつてあったモノレールへ一番近い階段の案内が省略された。地下ゆえなのとモノレールよりも北に駅があることが少し迷ってしまいそう。でも、看板見りゃわかるか?
あとは英語放送「M08」の部分が「エムエイト」と繋げて読んでいたのが「エム、エイト」と分けて読むよう録り直されている。
未開のゾーンへ
千里中央を出発。これより、未体験ゾーンへ突入する。
トンネルはシールドマシンという巨大ドリルで掘った丸みを帯びたものに変化。「シールド工法」と呼ばれる仕組みで平成以降の地下鉄はみんなこんな断面。しかも、レールの音も「シャー」っと滑るようななめらかな音。さすが、サラ(新品)の路線だけある。
箕面船場阪大前
箕面船場阪大前駅に到着。文字通り「阪大」こと大阪大学の箕面キャンパスに直結した駅だ。元は「箕面船場駅」となるはずだったが、駅名が決定した時にキャンパス誘致が決定。結果、このような長い駅名になった。
箕面船場阪大前を出発するとトンネルを抜けて再び高架を走る。新御堂筋は下へ下り、箕面の街を一望できる。地下鉄なのにモノレールのような感覚だ。
箕面萱野駅
程なくして「箕面萱野駅」に着いた。
駅名看板は自社の電車と同じ濃い茶色とクリーム色、御堂筋線の赤をアクセントにしたカラーになった。
かつては阪急に合わせた紺色、ひらがな強調だったが、既存駅も含めて新デザインに取り替え。親会社の繋がりを感じさせるデザインは姿を消してしまった。
カルピス自販機
ホーム上にはカルピスとコラボした自販機。
カルピスを発明した三島海雲が箕面市のお寺で生まれたことにちなんでいる。カルピスを買収したアサヒ飲料はなぜか「摂津」にゆかりある製品が多い。
三ツ矢サイダーは兵庫県川西市平野、炭酸水「ウィルキンソン」は同県宝塚市、箕面を含むこれら3つの街は「摂津国」と呼ばれた場所で共通する。たまたまかもしれないけど。
駅は行き止まり式。これ以上延伸の予定はない。含みを持たせないここが真の終着駅であることを主張する。
みのおキューズモール
行き止まりの先には「みのおキューズモール」が直結。駅に先駆けて前々から営業しているが、このほど、「ステーション棟」がニューオープン。神戸の中華街の名店や大阪ミナミの洋食屋などが入居している。開通フィーバーなのか一方通行の入場規制が敷かれていた。
バスロータリー
1階にはバスロータリーが整備。阪急箕面駅などへ向かうバスが出ている。延伸に伴って、バスの系統が大規模再編された。
喪失感→開通ハイ
「千里中央行き」消滅の喪失感はどこへやら、新時代の到来で「開通ハイ」になっている僕。
計画時点のイメージムービーをYouTubeで見てから紆余曲折あって、ここまでたどり着いたことを知ってる僕にとっては現実になった嬉しさは計り知れない。本来の2020年の予定から4年遅れていたから、地元民には喜びもひとしおだろう。
今まで「バーター」と言われそうなぐらい脇役だった「北大阪急行」がこんなに知られるようになった。元々沿線民であったからにはここまで嬉しいことはない。今後ともよろしゅうたのんます。
一通り済んだら「箕面船場阪大前」へ移動。こちらはまた別の記事で。
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