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関西人とキダ先生

浪花なにわのモーツァルト」という異名で親しまれた作曲家「キダ・タロー」さんが亡くなった。関西では衝撃が走り、ラジオでは追悼企画として作曲音源を流していた。それぐらい関西のテレビ、ラジオ文化には欠かせない人だったことが窺える。

自称3000〜5000曲と言われる膨大なCMソングやテーマソングは数知れず。CMだと

  • かに道楽(グループ店舗のも手がけた)

  • アサヒペン

  • 有馬兵衛向陽閣

  • 日本海みそ

  • 日清食品「出前一丁」「チキンラーメン」

テーマソングなどで言えば

  • NHK「バラエティー生活笑百科」

  • ABCラジオ「ABCヤングリクエスト」

  • アホの坂田

  • 大阪市営地下鉄(現大阪メトロ)のイメージソング『地底のランナー』

  • 近鉄バファローズ(現オリックス)の応援歌

これ以外に市町村歌、校歌、社歌も含めて枚挙にいとまがなくたくさんの曲が作られてきた。「関西人がみんな口ずさめる」と言われるぐらいだったし、「キダ先生」と呼ばれる影響力もあったわけだ。

作曲にとどまらず、テレビ出演も多かった。生前最後の出演だった深夜番組『探偵!ナイトスクープ』では「最高顧問」という肩書きの準レギュラーだった。時に辛辣で飾らない軽快な語り口はテレビでも印象的で、「顧問」と呼ばれるゲストコメンテーターたちの中では別格だったのが窺える。もはや「最高名誉顧問」だ。

僕自身も26年生きてきた関西人。「かに道楽」「チキンラーメン」などのCMで聴きまくってきたし、キダ先生の作った曲の多くは空で歌えるレベル。

最近「日本海みそ」のラジオCMを聴いていると味噌好きの血が騒いで衝動買いし、しばらくお味噌汁に入れている。これもまたキダ先生の作品だというのだからすごい。ちなみに味は甘みが強い。

「関西人」というステレオタイプに影響を及ぼしたキダ先生の曲たち。90歳超えてもお元気にテレビ出ていただけに衝撃は大きい。関西以外でもいくつか作品を手がけたとて、その方面での印象は薄いし、他地域の人にとっては「なんでそんなに騒いでんの?」と聞かれることだろう。
とはいえ、偉大なキダ先生であることは変わらないし、関西人の心だ。

そんな先生に敬意を表して合掌。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。