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求められている物と出したい物

どうも。
制作やっていると、こんな問題にもぶち当たったりする事がある男、八神です。
さてさて、今回はクリエイターとしての生き方みたいな話をちょっとさせて頂きたいな、なんて。

これが正解だ。と思っている時点で間違っている可能性がある

やっぱりだけど制作をしていて、「こういうことをやりたい!!」みたいな物が生まれる事ってあると思うんですよ。
それこそ拘りっていうんですかね、そういう物は産まれて然るべきです。
制作でご飯を食べようと思っている方で、制作に対して熱量が無いのであれば、結構それはしんどいと思うんですよ。
だって制作って時間がかかる割に、見返りが少ないと言うか、なんつーか……。
制作のお仕事って本当にかかる時間とか、しんどいわけで。
かといって「効率化」を図るとそこにはクリエイティブが欠けてしまって、クオリティも下がる訳だし……。

さてさて。
じゃあ熱量を注いで制作をしたとして。
その拘りがリテイクになる可能性がある訳ですよ。
先方がその拘りを気にいるのかは全く別問題な訳ですよ。

自分にとってスゴい良いとした物が、クライアントにとっての良い物なのかは分からない訳なんですよね。
まぁここには戦略的な物が必要で自分が拘ったシーンを採用してもらうのもまたテクニックがあったりするんですが、それは別の話……。

じゃあ自分が作りたい物で、お金を得られて実績を得られて人気を得られて。
そんな事、無いんですよ。

クライアントが依頼をする理由は「自分達が伝えたい物をキャッチアップして伝えてくれる」という期待感から依頼をしている訳であって、
別に「クリエイティブに魅了されたから」依頼をした訳じゃないんですよね。
つまりですが「良いと思っていようがいなかろうが、依頼仕様書のレギュレーションから外れていたらリテイク」なんですよ。
キャッチアップからずれたらそれは、リテイクになるはずなんですよ。

自分が作った物が世間やクライアントさんが受け入れてくれる程、甘く無いんです。

キャッチアップした鳥籠の中で

クライアントからの依頼はしっかりと読み解くと間違い無く「趣向・目的」などが見えて来ます。
「こういう風に作ればきっとクライアントさんが気に入ってくれて、採用してもらえるだろう」というラインが認識出来ます。
そして、これだけを作っても「チェックは通る」のですが、基本的に「次の案件」に繋がらない可能性が高いです。

なんでかはとっても簡単で。
「先方が気に入っているのは間違い無いとして本来は動画などのクリエイティブは、視聴者という刺さなくてはならない先があるので、そこが見据えられていない場合は対費用効果が出ない」からです。
動画を作る上で、クライアントは動画を作るプロでは無いので「自分がやりたい事がかなり中心」になってしまっています。
言わば、視聴者さんに届ける上で「本当の正解か」という事については検討がされていない可能性が高い訳です。
そうなってくると、次に「クライアントさんのやりたい事を満たしながらそれが視聴者に刺さる物」にしなければならない訳です。

ドッジボールって訳じゃないですが、基本的には線が引かれて「そのラインの中で」クリエイティブをする必要が出て来ます。
しかしながら。
【その線が全て見えたら、その中でやりたい事・拘りを入れる事】は叶います。

鳥籠という表現をしてしまっていますが、この鳥籠の広ささえ分かればその中で部屋を如何にコーディネートする事は出来るのです。
やりたい事が主語になってしまうのは間違いなく誤りです。
しかしながら、その鳥籠さえ捉えられればそこから世界を拡げる事が出来る訳で。
拘りたい!!じゃなくて、ミッションをこなす。チェックポイントを通る。これらをしっかりとこなした上で舞う方法を見つけると。
クリエイターさんとして生きていく上で、もっと楽しく生きていけるかも知れません。

お題からより良い物を。縛りプレイか、燃えるじゃん。

例えばリクルート用PVを作るとして。
会社としては、もちろんながら求職者を増やさなければならない。
そうなると会社の魅力をしっかりと伝えた上で、そこで自分が働いたら。というイメージやステップアップに繋がる印象を与える事が大切だと思います。
この時に会社の魅力ばかりを伝えると魅力という名の【エゴ】に変換される可能性があるので、そうなるとマイナスプロモーションになる可能性すら考えられます。
だからこそ、ココに関しては塩梅が絶妙である必要があり、どのように伝えながら、好印象にするか。
という事をまずは考えていくのが一般的じゃないかな〜なんて。

ここまでは言うならば「一般的」な制作会社でしっかりとやらなきゃならない事だと思います。

さて、じゃあここからとなるわけですが。
「その会社が持っているアイデンティティはどこにあるのか」「何を尖らせて伝える事によってその魅力が更に引き出されるのか」
会社の業績が良いとか、離職率が低いとか。
そういう事ではなく、パワポで作れそうな内容では無い魅力はヒアリングなどからヒントがたくさん手に入るはずだし、
その制限の中で「他のクリエイターには作れない物」を作る。
楽しいじゃないっすか!!

こうやって先ほど表現した鳥籠の中で、制限がある中で自分だからこそ出来る事をぶつけていく。
これが出来るようになってくると間違い無く「口コミ」が良くなっていきます。
「八神さんに依頼するとちょっとアイディアややりたい事を伝えると凄い素敵な動画と脚本を作ってくれるよ!!」と言われるようになった時に、
「クリエイティブに魅力されたお客様」が増えてきます。

こうなって来た時に徐々に「クリエイティブをしっかりと発揮する事が求められる」ようになってきて、自分が理想としていた「自分が楽しいクリエイティブを続けていくとそれでお仕事になる」ようになってきます。
こうなってきたらもうクリエイターとしてはめちゃくちゃ幸せな状態になってくるんですよね。

出したい物を最初に出すのでは無く、出したい物を出す為に鳥籠を理解してルールの中で自分が出来るクリエイティブを発揮する事で、
最終的に理想に繋げていく。
そんな手順が踏めるようになると、クリエイターとして食べていく中でとっても毎日が幸せで楽しく食べられるようになると思います!!

じゃあお前は毎回それが出来てるのか?って言われると。
クリエイターとしては合計で考えると10年以上生きておりますが、毎日勉強です。
でも、そんな勉強だらけの毎日が。楽しくて幸せだったりして。


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