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【合格する人はここが違う】②「できる」の意味が違う

こんにちは、山藤あるとです。

【合格する人はここが違う】シリーズ第2弾です。

今回は合格する人が求める学力水準の話です。

多くの受験生に最後まで読んでもらえたらうれしいです。



「できる」の意味が違う

合格しない人の考え方

科目ごと、論点ごと、といろんなレベルでこの科目は「できる」「得意」とかこの論点は「できる」「得意」とかといった感覚があるかと思います。

合格しない人は、それなりの自信をもって答えを書ける、といったレベルで「できる」と言いがちです。

計算科目でいえば、問題集の個別問題で正解できるとか、答練でも特定の論点は毎回解けるとか、そういった感じです。

理論科目でいえば、何を書けばよいか思いつくとか、その定義は覚えているとか、そういった感じです。

「できる」と思っていた論点なのに思ったように点が取れていなかった、といったことがよく起こります。

最初に勉強を始めた頃は当然何も知らないですしできないですが、それが分かった、問題を解いて正解できるようになった、そこに自信もついた、といったレベルで「できる」と考えていたりします。

できなかった頃の自分と比べて「できる」ようになった、考えているという感じでしょうか。

あれも解けるようになった、これも解けるようになった、あたりで止まってしまうので、自ずと学力向上のスピードが鈍っていきます。

合格する人の考え方

これに対して、合格する人は、自分が納得がいく解答ができるかどうかといったレベルでないと「できる」とは言いません。

計算問題でいえば、他の論点に比べて正解を導き出すのに時間がかかるようなところは「できない」とさえ思っています。

理論科目でいえば、覚えた定義を書けても、自分の言葉で説明できずただ覚えたものを吐き出しただけのような時は「できない」と思っています。

自分ができると思っている部分と比べて「できない」と考えているという感じでしょうか。

できない部分を改善していった結果、他の部分よりできるようになったと思う頃には、今度はその抜かれた他の部分を相対的に「できない」と考えるようになります。

「できる」自分と比べているので、際限なく改善したい部分があり、自然と学力の底上げが継続していきます。

振り返り・考察

振り返ってみると、合格できなかった頃の自分は、個別の問題集は解くことができるのに答練では思うように点が取れないといった感じで、手応えと結果のギャップに悩んでいました。

できるようになれば点が取れる、と思っていました。
もう少しいうと、基礎はある程度身についたと思うので応用力で差がついている、と思っていました。

しかし、そこには大きな勘違いが2つありました。

1つは、点が取れるようになったかが重要であって、できるようになった(と思えるようになった)かどうかは関係ないということです。

何かのCMで聞いたことのある表現ですが、結果にコミットしていません。
これも、目的を見失っている思考といえます。

では、点が取れるようになるにはどうしたらよいか。

ペーパーテストにありがちな誤解ですが、知っているかどうかだけを求められているわけではありません。

特に公認会計士のような資格試験では、合格者には実務上の課題に対応する力が求められるわけです。

であれば、知っているだけでは足りず、それを使って課題解決をしていく能力があるかが求められているはずです。

畳水練という言葉にもあるように、試験で問われているのも、泳ぎ方を知っていますか、ではなく、泳げますか、であるはずです。
(泳げますよ、ということを紙に書いて伝えるのが試験といえます)

したがって、計算科目の解き方が分かった、理論科目の理屈を知った、といった知識を手に入れただけでは足りず、それらを使いこなす訓練を繰り返し、技術として身につける必要があります。

これを今回のテーマにあてはめると、知識を手に入れたあたりでできたと思ってしまうのが合格しない人で、使いこなせて技術として身についてきてようやくできたと思い始めるのが合格する人、とも整理できそうです。

合格レベルの基礎力の例

大きな勘違いの2つめは、差がついているのは応用力ではなく基礎力だということです。

下記の記事で、分からないところを勉強すれば分かるようになり、分かるところを勉強すれば速くなる、と書きました。

計算科目がイメージしやすいかと思いますが、分からないところを勉強して分かるようになったあたりで「できる」と評価するのが合格しない人で、分かるところを勉強して正確性を維持したまま自分が求めるレベルで速く解けるようになったあたりで「できる」と評価するのが合格する人、といった感じです。

合格者の速さ、基礎力の1つの例として、私自身も含め、合格するレベルの人(その年の論文式試験に合格した人)が、論文式試験後にその頃に実施されている入門生(その次の試験が初受験)向けの入門期答練をやってみたことがあります。

すると、制限時間1時間の計算科目の入門答練を、だいたいどの人も30分かかるかどうか位の時間で満点を取りました。
(みなさん、入門答練は満点じゃないとイヤだからケアレスミスがないかも含め入念に見直しをしてその時間です)

サンプル数はそれほど多くないですが、合格レベルの人の計算科目の基礎力は少なくともこれくらいというイメージは伝わるでしょうか。

計算科目も理論科目も、合格するためには、知識として知った理屈を自分のものとして思考できるようになることは最低限求められると考えています。

そのうえで、計算科目の場合はさらに技術を磨き上げ、思考を反射に近づけるくらいまで基礎力を練り続けていった結果、これくらいの基礎力が身につくといったところでしょうか。

理論科目の場合は、下記の記事で表現を借りるように記憶する、という話をしました。

基本的な理屈を理解し、その理屈で思考できるようになったうえでテキスト等の表現を借りて記憶していくと、記憶した表現も使って思考できるようになっていきます。

そうやって何度も塗り重ねてつなげて身につけていくのが基礎力です。

試験問題はかなりのボリュームです。
とても時間内にすべての解答欄を埋められるとは限らないほどです。
おそらく、基礎的な部分だけでも時間が足りないかもしれません。

入門答練を30分で満点が取れる人は、残り30分でもう1問分解けます。
それくらいのボリュームの出題があるからこそ、基礎力だけでもそれだけの差がつくということです。

そうであればこそ、合否の分かれ目は、応用的な部分で点が取れるかではなく、いかに基礎的な部分を取りこぼさないか、にあると思っています。

そのためには、数多くの基礎的な部分を解けるだけの速さと、その速さでもミスをしない正確さが求められます。

つまり、速さと正確さを兼ね備えた基礎力を高い次元で身につけることが合格への王道だということです。

まとめ

・合格する人
 自分ができると思っている部分と比べて相対的に「できる」かどうかで評価している
 相対的にできないと思っている部分をつぶし続けるので、学力の底上げが続く
 必然的に、「できる」と思える「水準」が上がり続ける

・合格しない人
 できなかった頃の自分と比べて「できる」ようになったかで評価している
 できた、になった時点である程度満足してしまい、その熟練度を上げることにあまり熱心ではない
 結果として、「できる」と思える「水準」に大きな変化はない

・ありがちな誤解
 試験で問われているのは、泳ぎ方を知っていますか、ではなく、泳げますか
 合格に必要なのは知識ではなく技術

・意識の違いがもたらすのは基礎力の違い
 知識として知った理屈で思考できるくらいの基礎力は最低限必要
 速さと正確さを兼ね備えた基礎力を高い次元で身につけることが合格への王道

最後までお読みいただきありがとうございます。

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