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声を上げれば、意外と社会は変えられるーわたしの人生の起点 Vo.1

こんにちは、コンタニです。
”人生の起点をつくる”をキーコンセプトに、人と人が関わり合う暮らし、場づくりをする会社を現在起業準備しています。

そんなコンセプトに沿って(?)、noteでもゆるゆる連載を始めようと思います。
バックグラウンド、現在のお仕事や活動内容問わず、”自分の足で人生を切り開こうとしている人”に、これまでの自らの人生の「起点」についてお伺いしていくnote連載にしようと思います。
第一弾は、以前からコンタニの大切な後輩であり、現在地方テレビ局で働くAさん。今回は内容を踏まえて匿名で書かせていただきますが、そんなこと関係なく考えさせられる彼女のストーリーを、是非ゆっくり読んでみて下さい。

ー(コンタニ、聞き手)そもそも、意外と、大学を出てからテレビ局に、報道記者として入ろうというところの経緯をお聞きしてなかったから、まずそこから聞きたいな。

まず、大学は教育学部だったんですよね。先生になろうと思ってたんです。ただ、正直先生を志したのは、”親を安心させたかったから”というところのほうが、今思うと大きかったような気がします。

教育実習、採用試験の準備をする中で、周囲を見て、「試験を受けるための勉強になっちゃってる気がする。それでいいんだっけ?」と思うようになってしまいました。

疑問を持ってからは、改めて自分自身がどうしていきたいのか、考える時間をとりました。
そもそも教育というものに興味を持つようになったのはどこからだっけ。テレビを見て、遠い異国の子供たちの話が知れたりとか、ニュースでいじめの話を見聞きしたからかなあ、とか。よくよく考えるとメディアがきっかけだったなあ、ということに気付きました。

勿論、教員はとても重要な仕事ですが、自分が教員になったとしても深く関われるのは1クラス分くらいだし・・・
自分自身は、もっと広く影響力、発信に関われないかな、関わりたいのではないか、と考えるようになりました。

教職免許自体はとっておきましたが、自分の想いに気付いてから、就活を一気に路線変更し、テレビ局を受け始めました。キー局も検討はしたのですが、自分が受ける理由が無いなと思い、自分の出身の県の地方局を全部受けました。テレビ局は、概ね「総合職」と「アナウンサー職」で選考が分かれているんですが、前者で受けていきました。皆さんご想像の通り、選考は超競争環境で激戦です。最初に内定が出た局に、入局することを決めました。

基本的には高学歴の中での競争ですし、会社の中に入れた後も、その中に学閥的なものがないと言えば噓になります。私の出身の大学から、その地方テレビ局への入社者は過去一人もいませんでした。いないことで、「この大学から受かった人はいないんだから、受けるのは辞めておきなよ」と大学側から止めるように声を掛けられることもありました。

最近、私の後に続く形でその大学から内定者がまた出たと聞いており、次に続く方が出てきたことをすごく嬉しく思っています!

ー大学側からそんな風に言われたなんて・・・
それでも自分の意志を貫いて行動して、結果として後に続きやすい道を生み出したってことだね。これこそがリーダーシップだね、凄すぎる。実際にテレビ局に入って、報道記者になってから、印象に残っている仕事やエピソードはある?

報道記者なので、事件があったら現場に駆け付けて取材をします。殺人事件を追いに現場へ・・・ということは多いです。都市部だとまた違うと思うんですけど、私が仕事をしている地域では、あまり未解決のままになる事件が少ないので、犯人が今も捕まらないままずっと、という事件は特に印象に残っています。

事件への取材は、発生時の現場はもちろん、調査、裁判など全て取材します。警察の方とも連携するわけなんですが、よく「事件は社会を映す鏡だ」という話になります。

なぜこの人はそうならなければならなかったのか。
そうせざるを得ない状況とは、いったいどういう状況なのか。

一つの事件の背景にある、社会構造、課題については、いつもよく考えさせられます。

事件の取材とはまた別ですが、テレビ局に対してSOSのFAXが送られてきたことがあり、その時のことも印象に残っています。

母子家庭で貧困な状況で、県営の住宅で何とか生活しているという方から、「どうか今の自分が抱えている状況を、世の中に伝えてほしい」という主旨でFAXが送られてきたんです。

行政にも相談しているけどどうにもならないと・・・そんな中でテレビ局にSOSを何とか必死に送ってきたようなんです。詳細の状況をお聞きしてみると、精神疾患を持っている母親で、お子さんは学校には通えている、お子さんと一緒に暮らしたいのだが、自分に疾患がある関係で養護施設で暮らすように言われている。ただ、その養護施設で子供は職員から虐待を受けているんだ・・・という主張でした。その現状を伝えてほしいのだ、という話でした。

勿論、各当事者に、それぞれの状況と主張があるので、依頼されたようにそのまま調査する・報道するとはなりません。ただ、そのような話を受けて愕然としました。地方で一般的には生活コストも低め、世帯収入も全国平均に比べると高いほう、比較的物質的にも精神的にも豊かに暮らせているんだと思っていたこの地域で、このようなケースがまだあるのか、そしてそれが埋もれていたのか、という現実に驚愕しました。

他にも近い話で、地域でDVを受けている母親とお子さんを守って暮らすシェルター施設があるのですが、そこを取材したとき、地域内だけではなく全国から家族たちが逃げてきていることを知りました。

このようなことを取材して、見聞きする中で、徐々に、「報道して伝えるだけでは、実際には社会を変えられない」という想いが高まっていきました。

ーそれが、「今後は政治の道を目指している」と話す理由に繋がっていった、ってことだね。

そうです。高校の同級生で出馬する友人が出たことも大きいです。
「自分もそうなりたいと思っている」と、すぐ話を聞きに行って相談をしに行きました。

そこから、実際に国会議員の方に会わせていただいてお話を聞かせていただいたり、地域の女性の市議会議員さんのお話を聞きに行ったり、プロボノで少しインターンさせていただいたりと、政治家として活動するとはどういうことなのかのイメージをつけていきました。ちょうど自分が出産して育休中の時だったので、そういった形で社会と関わりながら、徐々に「伝えるだけではなく、実際に社会を良くしていく側に立ちたい」という想いが強くなっていったと思います。

私が暮らしている地域では、女性の政治家、ましてや20代30代の女性議員は一人もいません。実際に出馬するとなったら、出方にもよりますが選挙活動に伴うお金は基本的に自分で負担しなければなりません。家族の応援、支援もとても重要になってくるわけですが、「社会を良くしていきたいという気持ちはわかるけど、どうしても出馬することでの人からの見られ方、影響が気になってしまう」と、家族から応援を受けることにハードルが高いケースも少なくはありません。

でも、だからといって、自分が志したことをチャレンジせずにやらないようでは、一生状況は変わらないままなんですよね。どうしても政治の道へ行くことは諦めきれないので、今はテレビ局の仕事を続けつつ、次の立候補の機会に向けて準備をしています。

ーどうしても聞きたいことがあって。
確かに仕事柄、事件や取材を通して、社会課題をまさに他でもない形で感じる現場、社会の構造を考えさせられる体験が多かったんだと思うんだけど。そういうことを自分の体をもって体験しても、皆が皆、「自分の手でよくできないか」「社会を変えられないか」と強く自分の意思へ転換できないと思う。むしろ、「自分がそう思っても、自分なんかで変えられるわけがない」と思ってしまうほうが大半だと思う。そう思わずに、「自分の手でよくしたい」と強く思い続けられる理由、背景はいったいどこから来るものなんだろう?

それで諦めてしまっても、結局困るのは自分だし、自分たちだし、と思っているからだと思います。

やらない理由、行動しない理由はいくらでも出てくるんだと思うんですよ。
例えば、私は今二児の母親なんですが、「ああ、こういう部分があると子育てしにくいな、働きながら育児するのが難しいな」と、例えば制度や地域社会の仕組みに対して思ったときに、「まあでも、仕方ないか」とはたらきかけていくことをしないと、自分が生きづらいだけなんですよね。そして、それが社会全体の生きづらさにそのままなってしまう。

今後未来を生きていく人たちのためにも、そして何より自分のためにも、良くしていきたいと思うんです。

あと、皆さんあまり体験談としてないかもしれないですが、「はたらきかければ、声を上げれば、意外と社会は変えられるよ」ということも伝えたいです。
ある時、車を運転していて、道にすごく草が生い茂っていたんですよね。視界が悪くなるレベルで草が邪魔をしていて。「これ、車運転するときに危ないな・・・」と思ったんです。

「これ、きっと私だけじゃなくて他の人にとってもそうな気がするな・・・」と思い、その場所を運営・管理している自治体の連絡先が記されていたので後で電話したんです。
そしたら、2週間後くらいに、その道の草が刈り取られてたんですよ!(笑)
凄く綺麗になっていた。めちゃめちゃ嬉しかったです。「ちゃんと動いてくれた!」と。

だから、声をかければ、意外と社会は自分の手で変えられるよ、と。
そういったことを伝えていけたらいいですね。

ー勇気が溢れ出るお話、ありがとうございました!!!
Aさんは政治の道、私は実業の道で、一緒に社会を良くしていけるように頑張れたらなと思います。自分のことだけではなく、それを踏まえて社会全体にオーナーシップをもって圧倒的に行動する姿に、本当に感動しています。引き続きよろしくお願いします!






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