愛された孫 1-3(私小説)
翌朝は珍しく親に起こされずとも目が覚めた。この頃は夏でもエアコン無しで寝ることが出来た。網戸から朝の風がさらさらと入り込んできた。
腹を掻きながら寝ている姉を横目に、私はリュックから着替えを引っ張り出した。二日目は海に行くと決まっていたから、すぐに出掛けられるようにしなくてはと気合が入っていたのだ。着替え終わると、まだほんのりと自分の体温が残っているパジャマをたたんで枕元に置いた。普段はパジャマなんて脱ぎ散らかして放置しているが、海に行く前に些末な事で怒られてはつまらない