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最期の時まで⑦

5月7日
一緒にいたね…
考えただけで心臓の鼓動が激しくなる。
確かこの日はスピッツの話しをした。
夜はテレビから流れる『紫の夜を超えて』を
一緒に聴いた。
『もし、男の子産まれてたらマサムネ一択だな!』そう言って笑った。
早くアルバム出ないかな?
そう言ったね。
『君が探してた 美しい惑星は
 この頃僕もイメージ出来るのさ
 本当にあるのかも
 いつも寂しがり 時に消えたがり
 
 従わず 得られるならば 
 砂の風に逆らい
 再び生まれたい ありがちで特別な夜
 袖をはばたかせ あの惑星に届け
 紫色の夜を超えて…』

貴女は今、どの惑星にいるの?
いつも寂しがり、時に消えたがり…

ねぇ…これで良かったのかな?
私たちは、こんなに悲しまなくていいのかな?
貴女と同じ様に消えてしまった女の子の
お母さんがこんな事を言っていた。
(喉が切れる程叫び出してしまう)
こんなに苦しいのに、無理だよね⁈
これで良かったなんて思える訳ないよね?!

もう苦しまなくていいよ…
そう言って欲しかった?
ねぇ!
ねぇ!
どうして欲しかった⁈
どうしたら今も此処にいたのよ❗️
ずるいよ!
3年前の今日、一緒に笑っていたじゃない!
スピッツのアルバム出るの待つって言ったじゃない!
嘘つき!嘘つき!
何にも言わないから、お母さんは
この日も
『じゃあ、明日の夜仕事終わったらまた来るからね。』って、ベッドに入った貴女に
おやすみを言って、鍵をかけて帰ってしまった。
あと1日しか貴女といられないのに。

なるべく早く近くに越して来るからね。
大丈夫だからね。
貴女は『うん。』と言ったじゃない。

待ってて欲しかったよ……

とてつもなく寂しい。

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