小説 開運三浪生活 84/88「北上川雪景色」
二月二十五日に行われる広大の二次試験まで、六週間あった。ここからは、追い込みである。やるべきことは明確で、試験科目の数学と化学に集中するのみだった。赤本と過去に受けた記述模試の問題を繰り返し解けばいいのである。
センター試験であの点数が取れたのなら、二次でよほどのヘマをしでかさない限り合格はカタいはず——。過去に文生が経てきた広大受験のように、二次で大逆転をかまさない限り合格できないような窮地ではなかった。よくしたもので、あともう少しで合格という好況が、かえって文生のモチベ