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「田舎でのんびり起業」は3つのステージに分けて考えるといい

僕は今八ヶ岳南麓(山梨県北杜市)で暮らしています。「新しい働き方。暮らし方」でハッピーになろう!という企業パーパスのひとり法人を立ち上げてコンサルティングや地方関係人口創出に関することが仕事です。(ヘッダー画像はnoteギャラリーから挿入しました。suminomonicaさんありがとうございます!)

今回は「田舎でのんびり起業は3つのステージに分けて考えるといい」というタイトルで、実際に起業を目指す際に必要なことをステージに分けてお伝えしたいと思います。


田舎でのんびり起業とは?

僕がおすすめしている「田舎でのんびり起業」はお金よりも人生を大切にするライフスタイルです。もちろん生きていくにはお金は大事。だけどお金だけを目的にしたギラギラ起業とはちょっと違う。人生を楽しむための起業です。詳しくはこちらの記事も参照ください。

「田舎でのんびり起業」を3つのステージに分けて考える

「田舎でのんびり起業」というコンセプトで起業支援を行っています。僕が暮らしている八ヶ岳南麓にはまさにこのスタイルで暮らしている人がたくさんいます。

先日八ヶ岳で「田舎でのんびり起業」の初セミナーを開催しました。これまで地方移住のセミナーを何回か開催してきたんですが、移住よりも起業の方が興味が強いのか現地参加者が多かったのが印象的です。首都圏や名古屋からもセミナーのために八ヶ岳に来てもらって感激です。

今回はそのセミナーでお話しした内容から「田舎でのんびり起業」のステージについてお話しします。

ステージごとにやるべきことや優先順位も異なる

というのもこの3つのステージでは各々やるべきことや優先順位も全く異なるから、なんです。

起業前(創業期)、起業初期、そして成長へギアを変える。簡単にいえばこの3ステージです。起業を目指す人がいきなり高額な起業塾に参加したり、高額コンサルに教えを請うケースがありますが、ぶっちゃけ最初って「何が分からないのか、分からない」状態だと思うんです。

高額な勉強は何のスキルが必要なのか(何が分からないのか)が分かってからでも遅くないと思います。まずはこの3つのステージで考えてみてください。(もちろんやりたいことが明確に決まっている人は夢に向かって一直線に努力してください)

ステージ1:あなたを商品化する

最初のステージは「あなたを商品化する」ことです。事業を創るステージですね。なぜこれを「あなたを商品化する」と呼んでいるかというと、あなた自身がやりたいこと(かつ、できること)に値段をつけていくからです。

あなた自身が商品になれば、あなたは素の姿のままで起業できます。本当の自分を偽って、渋々無意味なブルシットジョブに明け暮れるようなこともありません。

「ありたいTo Be」「できること(資源)」「需要がある」の3要素が重要

このステージの目的はどんな「私はどんな事業ができるのか?」を掘り下げて具体的な事業案に落とし込むことです。そのためには「ありたいTo Be」「できること(資源)」「需要がある」の3つの要素を考えるといいですよ。

この3つが揃った事業なら、「ありたい姿を実現」できて「自分の得意」を活用できるビジネスになるわけです。一方でこのいずれかが欠けていると「田舎でのんびり起業」は難しくなります。

そもそも「ありたいTo Be」を満たさない事業はいずれあなたを疲弊させてしまいます。お金のために止むなく…という仕事ならわざわざ起業しなくてもいいですよね?それなら会社員の方がずっと安定していますものね。

「できること(資源)」を満たさない事業で売上を上げるのは難しいでしょう。例えば経験もなく、ちょっと本を読んだだけでコンサルティングを始めてしまようなものです。そのような浅い提案にお金を払ってくれるクライアントは多くはないでしょう。

ただし今は(資源が足りず)できないことでも、その資源の不足を補う方法が明確ならば問題はありません。例えば資金融通の算段がある、とか足りないスキルを補う仲間がいる、などのケースです。

「需要」も大事だが一番優先すべきは「ありたいTo Be」を満たすこと

「需要」を満たさない事業も難しいですよね。その事業にお金を払ってくれるクライアントがいない(少ない)ということですから安定した売上を作るのは難しいですよね。

とはいえここは差別化と紙一重です。競合を避けるためにはあえて限られた需要を狙いにいくのも戦略です。

また、どうしてもやりたいことがあるならば、需要が不十分でもやってしまった方がよいケースもあります。やりたいこと、ありたいTo Beを満たすこと。これが何よりも「田舎でのんびり起業」の動機になるはずです。まずは「ありたいTo Be」を満たす事業を考えていきましょう。

このステージでは事業のアイデアは多いほどいい

まず「ありたいTo Be」を満たす。そして「できること(資源)」を満たす。そしてできるなら「需要」も満たす。そんな事業を考えてみましょう。

よく起業コンサルティングなどでは「練りに練った一つの事業」に絞るべし、といいますが、この時点では事業のアイデアを一つに絞る必要はありません。

「田舎でのんびり起業」は複業が基本です。このステージで慌てて事業を絞る必要はなく、むしろアイデアは多ければ多いほどいい、と考えましょう。事業はあなたのありたいTo Beを実現する方法です。夢を実現する方法が数多くあるというのは素晴らしいことですよね。

ステージ1で役立つ情報

このステージは「あなたを商品化」するためにあなた自身を掘り下げていきます。具体的に考えるべきことは、これらの記事も参考にしてください。

ステージ2:小さく始め「当たり」を探る

ステージ1で「あなたの商品化」ができたら事業を始めましょう。このステージは試行錯誤を繰り返し「当たり」を探るのが目的です。

起業初期はピボットの連続。エフェクチュエーションで乗り越えよう

このステージは起業初期なのでピボットの連続です。予測不能が前提です。残念ですが起業初期にすべてが期待どおりに進むことは(滅多に)ありません。

考え抜いたはずの事業なのに、売上が出ない…そもそも集客ができない…みんなどうやってるんだろう?やっぱり僕の才能で起業なんて無理だったのかな…。

不安に陥ることもあるでしょう。でも安心(?)してください!このステージが順調なことはむしろ珍しいんです。このステージで大事なのがエフェクチュエーションです。

ここではエフェクチュエーションの詳細は割愛しますのでこちらの記事も参考にしてください。

リスクを最小化して、まずは事業を複数始める

このステージで大事なことはリスクを抑えることです。エフェクチュエーションでいえば「許容できる損失」の原則の考え方です。

このステージではまだ事業は柔らかく、ピボットを重ねていきます。このタイミングで大きな融資を引いたり、後には引けない勝負に出る必要はありません。勝負を賭けた事業が必ずしも「当たり」に育つとは限らないためです。

そもそも事業を始める前は「何が分からないか、分からない」状態です。起業前に完璧だと思った事業でも実際にやってみれば穴だらけ、障壁だらけということもあるでしょう。

ここではまずリスクを最小化して「事業を始める」ことを目標にしましょう。この時点でもまだ事業は絞らなくても大丈夫です。このステージの本質は試行錯誤。途中でいくつかの事業が頓挫することも織り込み済みです。だからこそリスクを抑えて事業を始めることが大事なのです。

試行錯誤の中から「当たり」のビジネスを見つける

このステージではエフェクチュエーションが重要。手中の鳥の原則、レモネードの原則、そしてクレイジーキルトの原則。いずれもその時点の資源でできる最善の行動をせよ、ということです。

僕自身このタイミングではピボットしまくりました。アフィリエイトも稼げるようになったものの暮らせるほどでもなく。コーチングでは集客が続かず。Udemyやココナラを試してみても思ったように売上も立たず…

合宿プログラムを企画したり、補助金活用を目指して申請をしたり、業界団体の標準研修プログラムに採用してもらおうと慣れない女性活躍推進のプログラムを作ったり。

いずれもコーチングの形を変えたものです。でも残念ながらどれもうまくは進みませんでした。(それぞれの経験は後日すごく役に立ちましたけどね)

やがて個人向けコーチングではなく企業向けコンサルティングの事業が立ち上がりました。僕のコンサルティングはコーチングの手法を用いた事業戦略の壁打ちや言語化を進めるワークショップ運営が中心です。

コーチングの事業化がピボットを重ねてコンサルティングになりました。DXコンサルも行っていますがこれは自身で経験したIT環境構築の転用です。

起業当初に考えていたものとは形は違えど、八ヶ岳で暮らすことができ、のんびり暮らせる仕事を手に入れることができるようになりました。結局試行錯誤を続けていれば、(当初とは違った姿で)事業も生まれるものです。

ステージ3:「当たり」のビジネスを伸ばす

さあ、いよいよ事業を伸ばすステージ。試行錯誤を経て「当たり」のビジネス(というか生き残ったビジネス)が見えてきたはずです。伸ばしていきますよ!

「当たり」の要因分析をして事業の選択をする

まずは「当たり」の要因分析をしましょう。なぜその事業は当たったのでしょう?市場の需要があった?あなたのスキルが優れていた?相性のいい顧客セグメントがあった?

また事業の取捨も考えましょう。ここまでの試行錯誤の過程で収益をうめなかった事業から「当たり」の事業に資源を集中させていきます。

ここで考えるべきは再現性です。「当たり」のビジネスを「まぐれ当たり」に留めずどんどん伸ばすためには、その「当たり」を効果的に再現する必要があります。投資によって「当たり」の再現を加速させましょう。

リスクをとって必要な投資を行いビジネスを拡大する

ここで初めてリスクを取ってビジネス拡大を進めます。今以上にビジネスを伸ばすために重要なことはなんでしょうか?ビジネス成長を阻害するボトルネックを解消するために投資をしていきます。

例えば見込み客が足りないことが課題ならば、集客を伸ばすために広告投資を行うことが考えられます。商品やサービスの供給力が足りないことが課題であれば外注化などの投資で供給力を高めることができます。

もしかすると十分集客できているのにコンバージョンが低いことが課題かもしれません。その場合は外部コンサルを活用するなど、スキルを獲得するための投資が有効になるでしょう。

ここで大切なのは、あなたのビジネスを伸ばすために必要な投資を選ぶ、ということです。見込み客がたくさんいるのに広告投資をしても対応できない案件が増えるだけです。成長期は広告が必要!といった画一的な考えではなくボトルネックを解消する投資は何かを考えて進めましょう。

PDCAと改善を回してボトルネックを解消して拡大しよう

このステージで重要なのはPDCAと改善です。どこがボトルネックなのかを考えていきましょう。

広告によって集客は改善できたけれど、今度はコンバージョンが課題になった。集客改善によって顧客は増えたがサポート品質が劣化し継続率が下がってしまった。状況によって課題はさまざまです。

ビジネスは常に変化します。今はどこにボトルネックがあるのか?それを考えることで投資すべき領域がわかります。

ステージを分けて「田舎でのんびり起業」する

「田舎でのんびり起業」はお金だけを追いかける起業スタイルではありません。ステージ3まで進んだら、その先はあなた次第です。外注化や自動化を進めて自由な時間を求めるもよし。安定した収入を得た上で新しく事業を立ち上げるもよし。あなたの望む「田舎でのんびり起業」を実現していきましょう。

参考情報:田舎でのんびり起業を考えているなら

田舎でのんびり起業、いかがですか?田舎暮らしに十分な収入を得つつ、人生を大切にする起業です。田舎でのんびり起業を目指す人を応援する起業コミュニティ・プログラムの「ヤツビジ」を運営しています。無料メルマガを運営しているので興味がある人はこちらも登録してみてください。

田舎、といってもあなたが気に入ったところが一番なので八ヶ岳にこだわる必要はありません。でももし八ヶ岳南麓に興味があるなら八ヶ岳で移住・起業を考えている人向けの交流・体験プログラム「ヤツクル」を運営しています。よかったらこちらのメルマガにも登録してみてください

あと、こちらは僕の会社(ひとり法人ですけど)のホームページです。よかったらこちらも見てみてください。


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