コトバはいらない【詩】

プログラムは精緻を極め
私たちは早熟な身体に知識を詰めます
大人の要望でそうなりました

私はもっと遊んでいたいです
子どものままでいたいです
大人の定義を誰か説明してください

説明がなされたら
私は定義を徹底して避けます
でも誰も適当ごとしか言いません

大人の苦しみを私にも与えようと
様々な理由をつけ大人を強要してきます
それでいて 早熟な身体を

無垢とは美しいでしょう
そう思うのはあなたたちが汚いからです
自身の浄化を諦め 無垢を貪る

原風景は二度と帰ってこないから
よごされて こわされて
文明は無垢を遠ざけます

チープでテンプレートなコトバ
大人がもっとも得意とする
なにも伝わらない 無温度な文字列



魂 のやりとり

この 簡単で 恍惚な 

やり方は簡単です

私の頬に伝うナミダ
   それと
あなたに伝うナミダ

顔を近づけて ナミダとナミダを
あわせて それがポタリと地面に
音をたてて落ちます 手をにぎり

ふたりで笑いあいます
ナミダは止まり
風がふいてきます

あとは 手をにぎったまま
目をつむり
風を 永遠を 繰り返す波

だれが
なにを
言っても

ずっとこうしていたい

そう 心から言える時間
ひとりでもできるよ

あなたの心の奥に
ほら
手をさしのべられるのを
ずっと待ってる

あの子に
あなたのナミダを
みせてあげて

その目だけでいい
コトバはいらない

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