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僕らの中2病 ③

時代が昭和から平成に入って間もない頃に田舎町のある中学校で起きた、ありふれた日常を綴った物語である。

町で唯一の洋服屋「ニシキヤ」で1番大きいパンティーを確認した3人が学校に戻ってきた。

真司と大輔はさっそく職員室にいるルーシーの席まで行き、

「だいたいコレくらいやったな」

と2人でコソコソ話していた。日本語の分からないルーシーは、

「ワッツ? エニシング トゥラブル?」

と凄く迷惑な顔をして彼らを蹴散らすように言うと、大輔は、

「ノー ウォーリー!ヒゲ ソーリー!」

と答えてその場を立ち去った。そして彼らに言わせると5Lでは絶対にルーシーが入らないと断定した。ちなみにニシキヤでは未だかつて5Lの下着は売れたことが無いという。

放課後、真司は釣竿を持って現れた。これからルーシーのアパートに行って干してあるパンティーを引っ掛けて取るという。

真司は得意の釣りの腕をこういう形で遺憾なく発揮した。ベランダに干してある赤い下着をなんと1発で引っ掛けた。

次の日、彼はそれを教室にいるひょうきん者のマサルに手渡した。マサルはあろう事か、そのパンティーを頭に被って英語の授業に現れた。

最初は何か仮装しているのかなと、あまり相手にされていなかったが、教壇で教えていたルーシーが彼に気付いた。ルーシーは見る見るうちに顔を赤らめ、鬼のような形相で、

「オーマイガー!ハウ カム ゲット ワン?」

と怒ってマサルを追いかけだした。しかし、マサルの逃げ足は早く、ルーシーの下着をマントのように風になびかせて走り去るのであった。

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