タクフォレストリー

心にワクワクを届けたい。奈良県東吉野村在住 エックスモバイルの代理店やってます。 「…

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心にワクワクを届けたい。奈良県東吉野村在住 エックスモバイルの代理店やってます。 「おもしろきこともなき世をおもしろく」 サウナ小屋作りに興味あり。毎日note継続中

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東吉野村民やってます。Ⅲ[この村でやりたいこと]

東吉野村に移住して、もう少しで1年半になる。 何かを始めようと思い、まず、ケータイ屋をやることにした。 エックスモバイルの代理店である。 これは物価高と言われる…

スナフキンのサンダルを捧げる Ⅱ[微笑みのタイ王国]

時を同じくして、会社を辞めた2人は、暫くして、パスポートを取りに出かけた。先輩に、 「西畑君どうしてます?」 と聞けば、あの日以来、彼との連絡が取れないらしい。…

スナフキンのサンダルを捧げる Ⅰ[プロローグ]

「明日から廃部になります」 と突然上司に告げられた。川崎市の某社会人陸上部に所属していた僕は唖然となった。 しかし、会社は早期退職制度なるものを用意し、まだ3年…

福田という男 Ⅳ[なんちゃって大工職人]

高校の同級生である福田の話を書いている。 5年振りの再会で2人の積もった話は3時間にも及んでいた。勿論、自分の事も話した。勤めていた会社と陸上やトライアスロンを…

福田という男 Ⅲ[超ブラック自動車期間工]

高校の同級生である福田との再会は、2003年の阿波踊りの最中にあった。 僕は川崎市の会社を辞め、オーストラリアまで行き、そこからまた実家のある徳島で、当時は大工の見…

福田という男 Ⅱ[成りすまし家庭教師]

高校の同級生である福田の話を書いている。それは21世紀を目前に控えた1998年、2人は卒業して、たまたま東京の近くに暮らしていた。 新聞勧誘の仕事を始めた福田だ…

福田という男 Ⅰ[伝説の新聞勧誘員]

高校の同級生である福田のことを書こうと思う。あれは21世紀を目前に控えた1998年、上京して、たまたま近くに2人は暮らしていた。 彼は高校を卒業し、品川区の荏原…

転職アスリート Ⅶ[みかん収穫バイト]

愛媛県宇和島市の海を見渡せる丘に、みかん農家の集落がある。心地良い潮風が吹きわたる農園が、みかんの甘酸っぱい香りに包まれていた。 僕はケンさんが泊まる隣の農家さ…

転職アスリート Ⅵ[ラフティングガイド 下巻]

ラフティングガイドの仕事は朝一番、大きなゴムボートをバスの屋根の上に積み込む事から始まる。そして集まったお客さんと共にそのバスに乗り、上流のスタート地点へ向かう…

転職アスリート Ⅴ[ラフティングガイド 上巻]

25になろうとしていた。プロのトライアスリートになるとオーストラリアまで行き、夢破れ。諦めて、帰ってきた徳島で、 「今度は大工になろう」 としたが、現実は厳しか…

YouTube祝200回再生

友達に再生回数が200回を超えてると言われて喜んでいます。 もしよければBGMとして一杯再生して下さい。

転職アスリート Ⅳ[大工の弟子 後編]

なんだかんだで、高田の親方には、半年程お世話になった。 自分から言い出したので辞めるのは、少し気まずかったが、力になってくれたのが家族である。 そもそも、大工の…

転職アスリート Ⅲ[大工の弟子 中編]

一人前の大工職人になるための修行だと思っていたが、親方が請負で取ってくる仕事にトイレのリフォーム工事があった。 それは補助金の工事で和式のトイレから洋式スタイル…

転職アスリート Ⅱ[大工の弟子 前編]

オーストラリアでプロのトライアスリートになると、大見得を切って旅立ったのだが、1年もしないうちに、挫折して徳島の実家に帰ってきた。 当初300万あった手持ちのお金…

転職アスリート Ⅰ[レッスンコーチとメッセンジャー]

シドニーオリンピックが終了し、北京五輪が3年後に迫っていた。僕は社会人ランナーとして勤めていた会社を辞め、トライアスロンに挑戦するという暴挙にでた。 3年勤めた…

南十字星の真下で Ⅸ[キャンベルタウン 〜 ホバート]

「タスマニアデビルはいなかった、、」 結論づけるには余りにも早計で、今までの苦労は何だったのかと、思わせる程あっさり見切りを付けた。はるばる自転車でタスマニアま…

東吉野村民やってます。Ⅲ[この村でやりたいこと]

東吉野村民やってます。Ⅲ[この村でやりたいこと]

東吉野村に移住して、もう少しで1年半になる。
何かを始めようと思い、まず、ケータイ屋をやることにした。

エックスモバイルの代理店である。

これは物価高と言われる現在に於いて、生活費を下げるには通信費の見直しが1番だと以前から思っていた。

その中で特に携帯代の見直しは、あまり知られていない様に思う。

山間部はドコモの電波が圧倒的に強いので、ドコモ回線を用いたMVNOのエックスモバイル社の代理

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スナフキンのサンダルを捧げる Ⅱ[微笑みのタイ王国]

スナフキンのサンダルを捧げる Ⅱ[微笑みのタイ王国]

時を同じくして、会社を辞めた2人は、暫くして、パスポートを取りに出かけた。先輩に、

「西畑君どうしてます?」

と聞けば、あの日以来、彼との連絡が取れないらしい。しかも会社を無断で休んでおり、会社の人間が西畑君を探し回っているという。

もしかして事件に巻き込まれたのでは、と心配になり、僕もすぐに電話をしたが、

「電源が入っていないか、故障しているためつながりません」

とアナウンスが流れるだ

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スナフキンのサンダルを捧げる Ⅰ[プロローグ]

スナフキンのサンダルを捧げる Ⅰ[プロローグ]

「明日から廃部になります」

と突然上司に告げられた。川崎市の某社会人陸上部に所属していた僕は唖然となった。

しかし、会社は早期退職制度なるものを用意し、まだ3年目の僕に、退職金200万円を提示してきた。

さらに辞めてから1年間は、会社の寮に残ってもいいという。

まだ20歳だった僕は、迷わずその条件に飛びついた。世間知らずの田舎者で、当時は、あまりお金を使うことがなく、

「200万円もあれ

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福田という男 Ⅳ[なんちゃって大工職人]

福田という男 Ⅳ[なんちゃって大工職人]

高校の同級生である福田の話を書いている。
5年振りの再会で2人の積もった話は3時間にも及んでいた。勿論、自分の事も話した。勤めていた会社と陸上やトライアスロンを辞めて、今は大工の見習いをしていること。

上京して貯めたお金が、もう底をつきそうになっていることなど、お互いの近況を話している中で、福田は、

「俺も実は大工職人として現場に行ってる」

と言い出した。ちょっと待て!と、大阪で浄水器を売っ

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福田という男 Ⅲ[超ブラック自動車期間工]

福田という男 Ⅲ[超ブラック自動車期間工]

高校の同級生である福田との再会は、2003年の阿波踊りの最中にあった。

僕は川崎市の会社を辞め、オーストラリアまで行き、そこからまた実家のある徳島で、当時は大工の見習いをしていた。

その日はお盆に帰省した友達と阿波踊りを見ていた。崩れた浴衣を着て、見るからに酔っ払いの男が、目の前を通り過ぎた。

笑った感じが似ていたので、

「おい、福田!」

と声をかけた。すると男は振り返り、目が合った、約

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福田という男 Ⅱ[成りすまし家庭教師]

福田という男 Ⅱ[成りすまし家庭教師]

高校の同級生である福田の話を書いている。それは21世紀を目前に控えた1998年、2人は卒業して、たまたま東京の近くに暮らしていた。

新聞勧誘の仕事を始めた福田だが、夜に別の仕事を掛け持ちする事になる。それは福田の彼女がやっている、家庭教師のバイトを手伝っていると言うのだ。

福田が家庭教師をやって、生徒に教えていると聞いて我が耳を疑った。僕は、

「オマエが勉強教えとんのか?」

と福田に問い質

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福田という男 Ⅰ[伝説の新聞勧誘員]

福田という男 Ⅰ[伝説の新聞勧誘員]

高校の同級生である福田のことを書こうと思う。あれは21世紀を目前に控えた1998年、上京して、たまたま近くに2人は暮らしていた。

彼は高校を卒業し、品川区の荏原中延にある独身寮に住んでいた。僕も近くの川崎市に居たので徳島の田舎者同士でよくつるんでいた。

僕らは別々の会社に勤めていたが、常にお金がなく、蒲田駅のボロくて安い居酒屋で飲むことが多かった。そんな中、福田は給料日前になると

「タク、金

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転職アスリート Ⅶ[みかん収穫バイト]

転職アスリート Ⅶ[みかん収穫バイト]

愛媛県宇和島市の海を見渡せる丘に、みかん農家の集落がある。心地良い潮風が吹きわたる農園が、みかんの甘酸っぱい香りに包まれていた。

僕はケンさんが泊まる隣の農家さんにお世話になることとなった。

日の出と共に、バケツのようなカゴを背負い、ひたすら、みかんを採る。

「ほーなん、カゴいっぱいやけんねー」

とカゴが一杯になれば、それをコンテナに移し換え、さらにそのコンテナが満杯になったら軽トラに積み

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転職アスリート Ⅵ[ラフティングガイド 下巻]

転職アスリート Ⅵ[ラフティングガイド 下巻]

ラフティングガイドの仕事は朝一番、大きなゴムボートをバスの屋根の上に積み込む事から始まる。そして集まったお客さんと共にそのバスに乗り、上流のスタート地点へ向かう。

バスの中ではパドルの使い方とボートから落ちた時の対応を軽く説明して、

「いざ激流の吉野川へ」

最初は、流れの穏やかな所で、実際にパドルを使い旋回したり後方に進む練習をする。

慣れてきたらボートを、わざとひっくり返し、落ちた時の救

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転職アスリート Ⅴ[ラフティングガイド 上巻]

転職アスリート Ⅴ[ラフティングガイド 上巻]

25になろうとしていた。プロのトライアスリートになるとオーストラリアまで行き、夢破れ。諦めて、帰ってきた徳島で、

「今度は大工になろう」

としたが、現実は厳しかった。
暫くして、ハローワークに通い始めた。無数にある求人だが、自分のやりたい仕事はなかなか見つけられなかった。 

そもそも次の仕事をやれるような精神状態ではなかったように思う。

何もしない日々が続いて、夕日が沈む瞬間を自分の部屋で

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YouTube祝200回再生

YouTube祝200回再生

友達に再生回数が200回を超えてると言われて喜んでいます。
もしよければBGMとして一杯再生して下さい。

転職アスリート Ⅳ[大工の弟子 後編]

転職アスリート Ⅳ[大工の弟子 後編]

なんだかんだで、高田の親方には、半年程お世話になった。

自分から言い出したので辞めるのは、少し気まずかったが、力になってくれたのが家族である。

そもそも、大工の年季という仕組みが、あやふやである。もとより修行期間がどれくらいという目安も無ければ、その間の工程や内容も行き当たりばったりであった。

そして最初の給料が3万円で、次の月から5万円である。小遣い程度とは言われていたが、本当にこの金額だ

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転職アスリート Ⅲ[大工の弟子 中編]

転職アスリート Ⅲ[大工の弟子 中編]

一人前の大工職人になるための修行だと思っていたが、親方が請負で取ってくる仕事にトイレのリフォーム工事があった。

それは補助金の工事で和式のトイレから洋式スタイルに変えるのが主な仕事内容である。

タイル張りで昔ながらの和式トイレをツルハシで解体し、バリアフリーの床を造り、洋式の便座を据え付ける。

これが主な工事の流れである。ほぼ肉体労働なので、体力に自信があった僕は即戦力になっていたと思う。

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転職アスリート Ⅱ[大工の弟子 前編]

転職アスリート Ⅱ[大工の弟子 前編]

オーストラリアでプロのトライアスリートになると、大見得を切って旅立ったのだが、1年もしないうちに、挫折して徳島の実家に帰ってきた。

当初300万あった手持ちのお金は100万程になっていた。とにかく、実家に帰ったのだが、

「何かを始めなければ」

と焦る気持ちと、

「何をするべきか?」

との迷いで、頭の中がいっぱいであった。
そんな中、オーストラリアで出会い、一緒に過ごしたシェアメイトの青年

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転職アスリート Ⅰ[レッスンコーチとメッセンジャー]

転職アスリート Ⅰ[レッスンコーチとメッセンジャー]

シドニーオリンピックが終了し、北京五輪が3年後に迫っていた。僕は社会人ランナーとして勤めていた会社を辞め、トライアスロンに挑戦するという暴挙にでた。

3年勤めた会社を退職したのだが、しばらくは、辞めた会社の社員寮で暮らしていた。そこは、

「退職しても1年間は残っていい」

という親心のような緩い規則があった。
今から思えば、会社を辞めた人間が、その社員寮に1年近くも居続けるのは、どうかと思うが

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南十字星の真下で Ⅸ[キャンベルタウン 〜 ホバート]

南十字星の真下で Ⅸ[キャンベルタウン 〜 ホバート]

「タスマニアデビルはいなかった、、」

結論づけるには余りにも早計で、今までの苦労は何だったのかと、思わせる程あっさり見切りを付けた。はるばる自転車でタスマニアまでやって来たのに、

「動物園へ行けば会える」

と簡単にあしらわれた。ここから先は、言い訳になるが、まず、寒すぎて心が折れていた。

しかし、こちらのカフェで食べるフィッシュ&チップスは、言葉にならないほど旨すぎた。

「もうこの辺でい

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