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ANAマケプレの事例から見るNFTマーケティングのコツ #Xスレッドアーカイブ

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国内企業のNFTマーケットプレイス参入にどういう印象を持っていますか?一時期は登竜門的にいろんな企業の参入が相次ぎましたが、バブルが去って「レッドオーシャン」として捉えている人も多そうです。

そんな中堅実に成長している国産マーケットプレイスがあることをご存知ですか?

まず国内で有名なNFTマーケットプレイスへの参入事例を見てみると、「GMO」「LINE」「楽天」「メルカリ」などがあります。

メルカリの「プロ野球NFT」に関しては2024年3月末をもってサービスを終了することが発表されていたり、その他のサービスも一時期よりかなり耳にする機会が減りました。

海外に目を向けてみても、「スペース・ジャム」や「マトリックス」などの人気映画のNFTを取り扱っていた「Nifty's」の閉鎖。

そして日本発IPの「ハローキティー」のNFTを発行した「RECUR」の取引プラットフォームも先月11月に閉鎖を発表しました。

大手クリプト系VCのTigar GlobalがOpenSeaの評価額を94%も下げた現状からも見るに、NFTマーケットプレイスで「堅実に」成長と聞くと嘘のように思うかもしれませんが、日本の中でも後期参入だったある企業が成長路線を歩んでいます。

それは大手航空会社の「ANA」です。子会社の「ANA NEO」からメタバースプロジェクトの発表、その後にNFTマーケットプレイスもローンチし、異業種の参入なので注目が集まっていました。

そんなANAの施策がなぜ「成功」と言えるのか。

それは他のマーケットプレイスに実現できなかった自社ブランドと保有するアセットの「強さ」にあります。

一般的なマーケットプレイスは、どれだけ強力なIPやコレクションを誘致できるか。どれだけ取引量を伸ばして手数料収益を多く上げることができるかを目標にしているところが多いでしょう。

一方でANAの運営するマーケットプレイスは、自社の航空ファン向けのデジタルコンテンツ売買プラットフォームとして機能しています。要するに自社商材を販売する場ということ。

従来のマーケットプレイスと異なり、NFT業界の落ち着きや誘致力に関係なく運営が可能な点が優れているといえます。

そして肝心の企業の巻き込み施策についてもアップサイドを生み出す変数として活用しています。

新施策として同時期に始めたメタバースの部分に「伊藤園」「みずほ銀行」「三菱UFJ銀行」などの名だたる企業の誘致に成功しています。

航空ファンであれば誰しもが貯めている「マイル」をメタバース上での買い物で使えるようにしているのも、自社エコシステムの活性化に貢献できており、ユーザーが使う動機を自然に生み出せている点も特徴的です。

一方、これは再現性のある手法なのでしょうか?一部そうで、一部はそうでないと言えます。まずこの環境を実現できたのは、強力な自社アセットとそれに付随するファンがいたということ。

またメタバースの文脈では交通業種だからこそ理にかなっている「地方創生」との掛け算も要因にあります。

ユーティリティがないとNFTは成功しないと言われているのものの、こういったすでに抱えているファンに刺さるモデルは一定数の収益化の可能性があるということ。

対照的に計画性のないNFTの発行はブランディング的にも、かえって逆効果だと断定できます。

これから活用する企業にいえることは、NFT化やNFTプラットフォームの構築を長期的な目標とともに実施する必要があり、しっかりとした基盤となりうるファンや自社アセットを抱えている事業体のほうがかなりの優位性があることが証明されたということです。

ブロックチェーンやその他技術を活用した施策は簡単に万人が理解できる内容では無いからこそ、トレンドに乗れたとてしても簡単に収益性のある事業を生み出せるモデルとは到底言い難いです。

このことには多くの事業者が気づいてきています。

多くの事業への活用事例が1~2年前に登場し、市場での検証が終わりつつあるいまだからこそ、より「意味のある」ブロックチェーン活用施策を行うために、これらの事例と結果を調べてみてほしいです。

活用事例の分析と調査は今後も発信していきます。

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