日記230420

曲を作って
言葉を書いて
本を読んで

そして死んでいく

金を稼いだり
稼がなかったり
高級ホテルで寝たり
野宿したり

いろんな夜を通り過ぎて
ひとは死んでいく

葉っぱがきれい
陽光に透けて
花萌葱色の 光線

世界は美しくて
目を細めてしまう
眩しい街路から
初夏の白茶けた
あわい匂いがする

あのひとのつくった曲
とてもいい曲なのだけれど
だあれもしらない
それが ただ
間違ってるとか正しいではなく
さみしいんだ わたしたち

だれもしらない美しさが
人知れず朽ちてゆくのが

花束、読みかけの本、注意書き

うたたねの形に沿った旋律
したまつげ ふわふわ生えてるって気付く
機嫌の悪い 母親の 昏く沈んだ聲

顎をあげて 空を見たの
木製のドアは 半分だけあいてる
春先の風が つむじかぜになって
くるくる 滞留していた

切りすぎた前髪が
さらさら ゆれてる


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