鍵付き日記から破れた一葉の

硝子の破片が流入してくる
きらきらできれいです
創作 からくり屋敷 遊園地
執着と情念 なみだする女たち
くらくら 髪のかかった目は
うすい ブラウンでした

ひだまりがふかい湖みたい
検索窓 から 見える景色なんて
たかがしれてません?
靴下のゴムがすこしゆるいよ

吐息の音、ん、すこし無音ね
饒舌すぎると 多すぎるの
情報量と 滑舌のぶつかる回数
ちくちくしてる むね
入っていいよ すこしだけね

びいどろに 夕焼けが刺さって
じゃくじゃくと 再解釈されます
きれいねえ と反射した聲の深度
マクロビオティックなんですよ
あなたの 微笑みって すごく

温度を溶かして乗せた手摺りは
ざらざらしてて 掌を白くする
そこから 日が沈むのを見ていました
安い部屋の 窓についた 手摺り
何者でもなかった 電氣と水を含んだ
血と鼓動がめぐる やわらかな粒子の集い

羊の毛に顔をうずめて
風の匂いを嗅いでいたのです
心地よく軽やかな空腹と
すべてと繋がっている大地の硬さを
感じながら

ああ
生きて いずれは 朽ちる
ひつじも 花も 虫も わたしも
そして
愛だけが 残り香のようにふわりと舞って
川沿いを流れる風に さらわれるのだろう

ちいさなまどから 見ていた空を
いとおしく いとおしく 慕っていた
どこにもいけなかった 幼いわたし
水を飲んで 洋服の端で指先を拭いた
かげとひかりの 生み出す境界線を見て

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