20240504-05 kyoto
山々の峰の背後に
やけに奥深い次縹の空
鳥の聲を聞いたよう氣がする
あなたの詩は経口補水液のようだと
わたしに継ぐそのくちにうかぶ微笑を
水面に映る木々を見るようにみていた
笛の音が燦々と降る
音のない暖かな春の日に
響く祀り囃子は 夜明けの合図よ
おどるからだのゆれるすきとほった
ひざしのてらす はだのうちうちに
うちゅうぎんがと あいをみていた
ひとつのちいさな ちりほどのたましひ
わたし
かわるのですね
かわってゆくのですね
もうかわったのですね
ああ、、、
開いた扉をなぞり
それが閉じていた歳月の
古く永い 晦闇を思ふ
もうおわるのだね 然様なら
さようなら 闇よ 然らばだ
開いた扉から囂々と
渦を巻く目醒めのよろこび
民の意識が変わり 世界が変わる
眩しさに思わず目を閉じる時のやうに
やわらかな睡氣に包まれて
植物の匂ふ みやこで
すやすやとねむるあいだ
わたしという土壌に
言の葉のくさはひ すくすくと育ってゐる
のだ
ああ
生きるのは楽しゐなア
深蘇芳くちにふくんで
華やかな馨りと苦味 喉に滑らせた
昨夜の幻想にしばし 微睡む
愛ふかき神さまのうえ
ゆられて 家路をたどる途中
とおく 東北 青森では
お岩木山にひかりのさす
なみだをさそう 浄らかさ
まるであの女の吹く美しい
美しい 笛の音のやうだ
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