昨年8月の今成夢人vs入江茂弘という試合についてですわ

 皆さまごきげんよう。今回は少し前の試合についてのお話になりますわ。ガンバレプロレスにて2022年8月13日に行われた試合で、先日、わたくしのフォロワーさんから提供していただいたネタですわ。その方は今成に思い入れがあるらしく、しかしながらこの試合の不穏しぐさで界隈がざわつきずっとモヤモヤしていたそうで、突如爆誕したプロレスモンスターのわたくしならばどう見るかを聞きたかったとのことで、熱い気持ちをぶつけて来て下さったのですわ。記事も複数ご購入下さっていますし、わたくしご購入者さまからのリクエストはとりあえずネタとしてストックしますので、「観てみますわ」とだけ伝えて、とんがりコーンを指に装着しては食べ、指に装着しては食べを繰り返して、頃合いを見て視聴を開始しましたわ。

 わたくし、観る前の今成のイメージは「あぁ~、何かいましたわね、DDT系列に」という薄いもので、調べてみましたら168cm88kgとあり、末端インディーのペラい体のしょぼい選手を想像しましたわ。つまり、期待していなかったと申しますか、軽んじていたと申しますか、ザックリ言いますと蔑視しかけていたといってもいいですわ。とにかく「まぁ観てみますけども」というだいぶニュートラルな気持ちで動画を再生しましたの。

 すると今成の見た目に違和感。

「体が出来ていますわね……!」

 そうなのですわ。わりかしちゃんとプロレスラーの体をしているといいますか、厚みも普通にあっていい見た目なのですわ。小さな後藤洋央紀みたいな雰囲気でしてよ。そして試合が始まるとヘッドロックの応酬があったのですが、「はいはい、すぐロープに振りますのね」と思いましたのに、そこからしばらくヘッドロック時間が続いたのですわ。こんなことありますの???インディペンデントで???

 しかもしかも、両者、昨今の形だけのヘッドロックではなく、本物のヘッドロックを出していましたわ。それにわたくしは目を見張りましたのよ。もう1度書きますわ。こんなことありますの???インディペンデントで???

 というわけで本物のヘッドロックなのですが、何をもって本物のヘッドロックとわたくしが書くのかを説明させて下さいまし。本物のヘッドロックは、顔面絞めではないとわたくしは思っていますの。首極めの連動で顔も絞める複合テクニックが本物のヘッドロックですのよ。

 どういうことかと申しますと、そうですわね、まずゴッチ式のボディシザースのお話をさせて下さいまし。昔のプロレスでよくあるボディシザースは、座っている相手の背後から足をクロスするように絡めた胴絞めですわよね。でもゴッチ式のボディシザースはうつ伏せの相手に乗っかりながら片足を深く差し込んで、その足の足首にもう片方の足の膝裏をフックして、栓抜きの形を作りますの。そしてそのまま栓抜きしぐさで相手のお腹を引っこ抜くように角度を作ると極まりますの。

 ヘッドロックはこれ(ボディシザース)と似ていて、相手の顔に自分の腕の硬い骨の部分を引っ掛けてクラッチし、これまた栓抜きの要領で首を引っこ抜くように角度をつけると首が極まり、その余波で顔が絞まるのですわ。ただ、相手の体が起きていては栓抜きしぐさが成立せず、首を極められませんので、相手の体を低くする為に足のスタンスを広げて、重心が低くなるように、相手に体重がかかるように体を斜めにしますのよ。その時の自分と相手の体のバランスが三角形になるようにしますの。

 ということは、逆説的にヘッドロックで極めさせない為には、体を起こして三角形のバランスを崩せばいいのですわ。ではどうすれば体を起こして三角形を崩せるかと申しますと、相手の胴に腕を巻いてクラッチし、絞めるようにしながら自分の体を密着させて、姿勢を伸ばして行きますの。すると高さが生まれて三角形のバランスが崩れ、ヘッドロックの位置が高くなりますの。こうなりますと、相手は広げた足のスタンスを保てなくなり、足が揃って行きまして、重心が高くなりますわ。すると、ヘッドロックを掛けられている側が比較的自由に歩けるようになりますので、ロープに寄ること逃げることが出来るのですわ。この一連の動きが今成と入江の攻防にはありましたの。とはいえ今成はヘッドロック中に骨を当てずに腕の内側の柔らかい部分で絞めてしまうシーンがありまして、技術のツメが甘い(技術をちゃんと知らない)のか、クセがついちゃっているのか、はたまたわざとなのかは判然としませんでしたわ。でも全然アリですわ。知らなければ知ればいい、クセは直せばいい、わざとならばこういう試合以外でやればいいのですわ。えぇ、わたくしは甘いですわ。だって今成、とても頑張っていて、わたくしの心に響いたのですもの。ガンバレプロレスの“プロレスラー今成夢人”、名前を覚えましたわ~!!!

 さて、序盤を超えての試合内容といたしましては、入江の厳しいエルボーが主な軸ですわ。これが、当たりが強い振り切るエルボーなのですわ。リズミカルに軽く当て合う最近よくあるエルボーと違いまして、一撃一撃に相手を倒せる威力がありますわ。中には仰向けに寝ている今成をそのまま打ち抜くエルボーパットもありまして、凄いエルボー群の中でもひときわ凄い一撃でしたわ。わたくしが「あぁっ!!!」と、往年のNOAH中継の解説の百田光雄のような驚き絶叫をあげた程。最後は今成が執拗にスリーパーで絡み付きどうにか勝ちましたけども、入江にあまりにもボコボコにされた為に救急搬送(!)された程の激しい試合で、わたくしはこの試合を教えて下さった方に「これはDDT系列の昨年のベストバウトか何かですの?」と普通に聞きましたわ。中嶋勝彦の相手が今成ならばアリだと思える試合だったといえば、わたくしの言いたいことが伝わるかしら。今成夢人、覚えてもいい名前ではないかしら。繰り返しますが、わたくしは名前を覚えましてよ。

 今成夢人、わたくし気に入りましたのよね。それといいますのは、この試合が、わたくしが愛してやまない昔の中邑真輔の魂の試合、2004年1月4日の高山善廣戦と似た構成の試合で好みというのもあるかもしれませんわ。とはいえ、この試合ならではの見どころ魅力が、前述したようにありまして、この試合を観たことは素直に、とてもいいインディペンデント体験となりまして、わたくし、DDTを記事コンテンツに加えるのもアリだと思ったぐらいなのですわ。今後DDTのことをわたくしが書くことがありましたら、それはこの今成夢人vs入江茂弘の試合あってのことだと思い出して下さいまし。そして願わくば、この試合の視聴をお願いしますわ。

 押忍ですわ~!!!

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