【訃報】曙太郎死去……!!!

 お疲れ様でした、としか言いようがありませんわ……。非常に残念ですわね……。というわけで今回は曙のことを少しだけ振り返りたいと思いますわ。わたくしはプロレスの暗黒時代と共に曙の苦闘、そして開花を観ていた世代ですので、何とも言えないですわ……。

 曙は言わずと知れた第64代横綱ですわ。1998年に天龍源一郎の団体WARに入ろうとして相撲を廃業しようとしていたそうですが、相撲協会に受理されず、2003年にK-1へ。ボブ・サップとの試合でデビューしましたわ。その後、2005年にプロレスへ。当初は体も絞れておらず、動きもよいとは言えず、プロレスの難しさに呑まれていた印象でしたが、ジャマールと出会って開花しましたわ。「体大きいんだから、小さく動かなくていい」というアドバイスを受け、スタイルが変化しましてよ。攻撃を受けながらドッシリとリング中央に陣取り続け、相手をテイクダウン出来たら、突然素早く動いてのエルボードロップで体力ゴッソリ持って行くという、超巨体の曙にしか出来ないものとなり、その畳み掛けの緩急が素晴らしく、ガッと動くと歓声が大爆発するようになりましたわ。

 最終的には、曙のライバルといえば諏訪魔でしょうね。曙を度々バックドロップで投げていた覚えがありますわ。ゼウスやバーナードも曙をバックドロップで投げたことがあったと思いますが、足を抱えての投げだったかと。その点、諏訪魔のバックドロップは曙の太い腹をクラッチしていましたわ。ふつうはクラッチされることのない曙もモンスターなら、それをクラッチして綺麗に投げ切ってしまう諏訪魔もモンスターだと思ったものでしたわ。諏訪魔は浜も綺麗なバックドロップで投げていたと思いますわ。

 そんな諏訪魔でも、曙がヨコヅナインパクトというとんでもない必殺技を開発すると、度々沈むようになりましたわ。ヨコヅナインパクトがどういう技かと申しますと、誤解を恐れずザックリ書くと、単なるパイルドライバーでありながら、単なるパイルドライバーではなかった、超スゴいパイルドライバーなのですわ。

 平成以降のプロレスにおいて、パイルドライバーは、通常、痛め技となっていましてよ。相手を逆さまに突き刺す技ながら、同じように逆さまにして叩きつけるパワーボムの出現以来、勢いがない分、ワリを食った技となりましたわ。ですが、曙の放つパイルドライバー『ヨコヅナインパクト』は、その体の大きさ、体重から、物凄い迫力と音で、一撃必殺の説得力バツグンなのですわ。

 わたくし、おnoteで度々書いていることなのですが、音や声で試合内容をカバーする選手って、けっこういますのよね。パワーボムが一気に普及したのも、音や声との親和性が高かったからだと思うところもありますわ。曙はそういった細工はせず、声を出す時は自然なシチュエーションでというタイプでしたけれども、曙のパイルドライバーは、叫びながら相手を持ち上げ、炸裂させると、否応なくリングが凄い音をたてたのですわ。何というかこう、曙が「ウァァァァ!!!」と叫んで、次の瞬間にズドーン!!!みたいな、凄い声からの凄い音という。威力を倍加させるかのような気合いの入った声とインパクト特大の炸裂音はまさしくヨコヅナインパクトでしたわ。

 思い返せば、平成のパイルドライバーの名手といえば、ケンドー・ナガサキ、ミスター・ポーゴ、そして曙でしたわ。そして令和のNo.1パイルドライバー使いといえば、斉藤レイ。皆、フィニッシュを取れるパイルドライバーの使い手なのですけれども、ルーツを紐解くと、彼らはいずれも相撲出身なのですわ。相撲にパイルドライバーはありませんけれども、相撲出身でトップまで行った名レスラーが皆、パイルドライバーの名手というのは興味深い共通点と言えますわ。

 レスラーの持ち技として、相手を逆さまにして落とす技というのは、アクセントになるというのは、皆さまもご存知のことと思いますが、彼ら相撲取りの大きさですと、それはもうアクセントではなくインパクトですのよね。そう、何度だって繰り返し書きますが、インパクトでしたのよ。

 しかし、パイルドライバーの名手の中でも一際大きかった曙の体の大きさを思い返すと、何とも言えない喪失感が胸に去来しますわ。願わくば、王道のリング復帰が見てみたかったですけれども、かなわぬままとなってしまいましたわね……。

 これからは天からプロレス界を見守って、四股踏んで邪気をはらって下さいませーッ!!!

 押忍ですわーッ!!!

 

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