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美術館は時代を超えてその先へ

京都市京セラ美術館。1933年にオープンのその建物は
公立美術館として日本に残る最も古い建築だという。
創建当時の和洋が融合した本館の帝冠様式。建築意匠
を最大限保存しつつリニューアルされ、伝統と革新
が混じりあう京都のランドマークであり続けている。

その美術館では、戦後に駐留軍に接収され展示室が
バスケットボールコートになったこともあるという。
時は流れ現代へ。そして2014年、開館80周年を機に
京都市美術館将来構想が策定され、2015年の公募型
プロポーザルで青木淳・西澤徹夫設計共同体が選出。
2020年の5月26日にリニューアルオープンへと至る。


モダニズムの流れにあらがうような
頂部に設置された瓦屋根を見上げる
新しい空間によって内部に取り込まれた外壁面
建物に散りばめられたデザインをたどりつつ
古い空間から新しい空間へと進む
照明器具もいろんな角度で楽しんで
当時の空間を想像しながら
リニューアルされた展示室や
光が満ちる新しい空間へ
いつものように丸、三角、四角も楽しんで
丸い窓の分割線もおもしろい
2階の談話室のカラフルなトリドリという名のスツールは
誰でも使えるように高さを変えられる

談話室とラーニングツールについての詳細動画も

奥にあった模型。ありし日の美術館は
姿をそのままに生まれ変わった
様々な形の照明器具は18種類もあったという
天井に鮮やかなステンドグラスが並ぶ2階のロビー
その時は別の企画展も
その圧倒的な空間は時を超えて今へ
空間の中心には大階段
そして天井には和と洋。日本の格子天井にステンドグラス
もちろん階段があれば上り下りを。視点を移動させながら
階段が主役の重厚な空間を楽しんだ
タイルや石が連なって空間はより濃密に
以前はここが美術館の正面入口
いつかの懐かしい記憶をたどってみる
またもう一度、階段を上る
天井に広がる光の装飾を楽しみながら
2Fのテラスでは建物の外観を間近でみることができる
建物の各部の装飾や
細工を施された石のディテール
扉に設けられた彫金物による装飾
様々なデザインの照明器具や
床に落ちる影をたどり
ステンドグラスからの光にふれる
京都市京セラ美術館に時を経たデザインの数々を
めぐるのもまた楽しい
新しい姿と古い姿が重なり、溶け合い、輝いて

過去から未来へと。美術館に流れる空気を感じる

美術館の姿を空からも楽しんで

昨年のイベント。子供が小さかったら申し込んだのに

設計者から館長に。青木淳氏の思いも知る

90年前に建てられた建物に散りばめられたデザイン
が時を超えて迫ってくる。注がれた思いと情熱が今も
色褪せることなく、そこに漂っているようにも感じる。

当時のデザインは残されて、新しいデザインと空間が
重なり合う。新しく設置された素材は輝き、時を経た
建物を照らし呼応する。京都は古いものと新しいもの
が混ざりあい、惹かれあい輝く場所。遠い過去から続く
デザインのつながりを、これからも楽しんでいこう。

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