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100年の時を越える無線塔

日本遺産に登録された佐世保の鎮守府関連の施設

以前の佐世保の旅で、それらの風景に出会った

そしてまた佐世保への旅。その時に知った日本遺産の
施設を訪れるのが、今回の旅の目的の一つでもある。
その施設は針尾送信所。日本海軍が日露戦争を契機
として無線連絡体制の強化のため、1918年から4年
もの歳月をかけて完成させた長波送信施設である。

針尾送信所は近代建築の保存等を行うDOCOMOMO
にも2009年に146番目の施設として登録されている。

ドコモモに選定された建物を訪れるのも楽しみの一つ

またヤギのいる原っぱを通り過ぎ
次の目的地へ向け、広がる海と緑の風景を眺めつつ進む
道沿いのねむの木の花や
さまざまに組み合わされた石積みの塀や
あじさいの花を楽しみながらの6月中旬の佐世保への旅
高台からの風景。次なる目的地を確認する
それは山の中に佇む3本のコンクリートの塔
田園風景の中を抜け、だんだんと近づいてくる
それは高さ136mのコンクリート造の無線塔
森のトンネルを抜けて1号塔へ
迫力のあるその姿を見上げてみる
足元にはノアザミの花
出入り口の扉は風化し閉ざされている
中を覗いてみるとウインチが残されていた
そしてまた塔を見上げ、コンクリートにふれる
塔と塔の間の案内所でボランティアの方に施設を説明頂いた
ムラサキバレンギク。花咲く風景を楽しみつつ
その先に建つ3号塔を目指して進む
森の中のアプローチを抜け
木立の奥の無線塔の姿を確認しつつ
その入口へと向かう
こちらは内部に入ることができて
内部には圧倒的な空間が広がっていた
また塔を見上げその高さを実感する
辺りを見渡すと海の向うにかかる橋。早岐駅で見た橋だ
もときた通路を戻って、次は送信所に残された電信室へ


空からみる送信所の風景にも圧倒される

100年の歴史を伝える送信所を動画で学ぼう


驚くべき風景が広がっていた。100年前に建設された
高さ136mの無線塔。日本で最初に鉄筋コンクリート
が使用されたのが1890年といわれ、それからわずか
30年足らずで佐世保にとてつもないものが作られた。

型枠の高さが1m36cm。それを100段、コンクリートの
打設を繰り返し建設された約136mの塔。足場は内部
足場で、外部の足場は型枠につけた専用の金物で固定
したり、内部からロープで吊り下げられていたという。
どれだけの思いで作れば、100年経った今も美しい姿
を保てるのだろうか。当時の技術力に驚かざるえない。

3本のコンクリートの塔は、1997年に役割を終えた。
その姿は今でも、過去の歴史を伝えつづけるように、
穏やかな風景の中にそびえ立っている。ボランティア
の方から熱心な説明に施設への愛情を感じ、圧倒的な
規模、そしてそのコンクリートの質感にふれ、当時の
技術力を実感した。佐世保にある日本遺産を感じる旅。
次は3本の無線塔の中央に残された電信室へ向かう。



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