見出し画像

その空間に光はゆらぎ、たわむれて

心地のよい空間の草々を後にして

今回の自転車の旅では、山を越えて大阪から奈良へと
やってきた。草々を後にして東へと進む。広い空の下、
気持ちのよいサイクリング。九州の旅で出会った空を
懐かしみ、また関西でも空を見上げ自転車を走らせる。

長崎の旅で見上げた空を懐かしんで

SとN。佐賀にも大きな空があった


自転車を東へと走らせて
広い空の下、次の目的地へと向かう
整備された道路沿いをひた走り
道路沿いに建つ直方体の建物へ

その建物はガラス張りの国立国会図書館 関西館と

本が立てられたような印象の新しく増築された書庫棟
建物の周囲をぐるりとまわり
正面のアプローチを通って建物へ
ガラスの直方体のエントランスから、地下に埋められた建物へ
階段を降りながら移りゆく内部の景色を楽しんで
ゆるやかな階段によって階下に導かれ
守衛の方にホールまでは写真撮影可とうかがって
中庭に面したホールにゆらぐ光を感じ
温かみのある大理石の床と硬質なアルミの対比
その向うの中庭には緑があふれ
壁や天井から落ちる柔らかな光は
風景を映しガラスに反射したわむれて
ガラスによって増幅する自然の風景も楽しんで
ホールの空間までに留めて、また緩やかな階段を上り
奥へと続く通路へも
奥もホールの空間で、右手には
建物の模型も。中庭と建物の構成がよくわかる
吹き抜けに面した階段や、カーテンウォールにゆらぐ光
建物には圧倒的な空間も内包されて
先程ぐるりとめぐった地下のホールも見下ろして
光を拡散させるドットの模様のガラスに
光はゆらぎたわむれて
エントランスの空間や素材も楽しみつつ
建物を後にして今度は外観を。芝生の貼られた
ノコギリ状の屋根の下には閲覧室が設けられている
今回は建物と中庭との関係をメインに
建物の外観デザインを楽しんだ

新たに増築された書庫棟を記念して

作成された動画で建物の構成を

2002年に開館した国立国会図書館関西館は、国主催の
建築設計競技として、総計493という多くの応募作品
が寄せられた。建物の形の主張の強い多くの作品の中
にあって控えめな新鮮さが、多くの票を集めたという。
作品をまとめた書籍もあるので、また探してみよう。

以下に陶器氏の建築についてのことばを引用する。
シンプルな直方体の形態の中に、カーテンウォール
の硝子に映る木々のうつろいや光の揺らぎ。精緻
なディテールによる緊張感。ナチュラルな色彩に
よる光のたわむれ。内外の場面における静謐な空間。

そして、そこにあるのは日常性から非日常性への
変換のための静けさの演出であり、エントランスに
いたる儀式化されたアプローチによって"静けさと
シンプルさ"の創出が試みられているという。静けさ
は自然の営みを感じさせ、シンプルさは美も内包
するすべての規範であると、陶器氏は語っている。

その建築にはさまざまな思いがこめられて。ゆらぐ光、
静けさに包まれた空間、建物の内部にいながら自然を
感じる場所、空気感、建築を五感で感じる幸せな時間。
一つの建物で、様々な建築へのアプローチを楽しんだ。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?