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うつわの魅力は眺めることと使うこと。想像力が刺激される

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うつわの世界は限りない。さまざな技法、窯元の個性、一枚一枚の柄や色、そして焼き加減。同じデザインでも器によって違いがある。
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うつわと空間への旅をもう一度

ほしだの森を後にして、今回の旅はさらに南へと進む。 しばらくすれば県境を越え奈良県へ。大阪、奈良、京都 は関西の地にて、きゅっと密集している感じで自転車 でも楽しくめぐることができる。そして次に訪れたの は、九州にいた頃から気になっていたうつわのお店。 九州でふれたうつわの世界。その楽しみをもう一度 ほしだの森を後にして、山を越えて お店の名前は、草々。暮らしの中で、身近なものである うつわを届けるお店。毎日手にとって、その形や感触 を感じるうつわ。場所は生駒市の高山町

そして福岡の思い出の場所をたどる

九州、福岡での最後の旅。能古島を後にして、福岡の 街を西から東へと走る。その途中で、思い出の場所にも 立ち寄って。福岡市美術館の後は、近くの工藝風向へ。 この場所から九州の焼き物、うつわへの旅が始まった。 うつわへの旅も九州での大切な思い出のひとつ ホームページで過去の企画展も懐かしむ 工藝風向で知った井上尚之氏の器は今では宝物に スリップウェア、わら釉、流し掛け。どれもよい感じ そして小代焼ふもと窯へ。晩酌の焼酎にはそば猪口を 工藝風向にて、あらためて民藝の良さ

有田で出会った陶器の置物

楽しい有田の旅は続く。そろそろ上有田の昔ながらの 町並みも終わりにさしかかる頃、気になる外観の建物。 時間を気にしつつ、覗いてみようかと少し迷う。その時 ショーケースの中に見覚えのある置物。遠くからでも、 その独特の佇まいは間違いない。私のよく知る置物だ。 やはりそうだ。かわいらしさとは無縁の表情。でも それを手元において毎日眺めていると、だんだんと かわいらしく思えてくる。陶芸家の岡山富男さんの 作品である。初めて目にする実物の四足陶猫。まさか、 有田の地で出会えるなんて

JICONに込められた思いを感じて

旅先での出会いを楽しんでいる。思わぬ所で、お気に 入りの猫たちにも、美しい空間にも。次は今村製陶の 町屋を目指す。JICON。それは今村製陶が手がける 有田焼ブランド。有田には伝統と革新が混在している。 今村製陶の立体的な町屋建築。スキップフロアの書斎 コ―ナーが中庭に面している。JICON。仏教用語で 今を表すことば。有田焼の今を作り、伝える今村製陶。 旅もそろそろ終わりが近づく。今この瞬間を楽しもう。

有田町には深川製磁本店がある

CHINA ON THE PARK忠次館へ、昨年の夏に訪れた。 そこは、深川製磁の初代・深川忠次氏が手がけた作品 から、現代の作品まで、深川様式のすべてを展示する ギャラリーである。さまざまな魅力のあるうつわや、 深川恵似子さんによる洗練された作品にも惹かれた。 そして有田の町に深川製磁本店がある。路地裏の先に 見えるさくら色の外壁に、当時のモダンな様子を思い 浮かべる。1934年の大正期に建てられた深川製磁本店 はスクラッチタイルを外壁に用いた木造3階建。建物 と所蔵品は

その格子戸の奥にある美しき世界

有田の町を楽しむ旅を続けている。トンバイ塀の無数 の茶色。ひな祭りの飾り付けの彩り。西洋館の薄い緑に 陶山神社の淡い青。立ち止まり、また進み、町に散り ばめられた美しさをたどる。そしてその格子戸の奥へ。 1879年に八代深川栄左衛門により設立された香蘭社 by koranshaは、現代のライフスタイルに合わせた器 色絵薄墨墨はじき時計草紋鉢。透明感のある美しさ 墨はじきは、黒が白に反転する 街に残るトンバイ塀へのまなざし 十四代今泉今右衛門は51歳の若さで人間国宝に

週末の旅を続けよう

2月の初旬、三川内山から大川内山へ、最後には有田町 への旅を楽しんだ。そしてまた、週末の旅を続けよう。 今回は、その続きの有田町への旅。前回は有田を自転車 で駆け抜けた。今度は有田をゆっくり巡る旅にしよう。 PICFAとはPICTURE+WELFAREの造語。障害のある 人たちが、創作活動を仕事にできる障害者施設の名だ。 前回、三川内山から大川内山、そして有田町への道の 途中に、幾度となくあらわれた丸兄商社の黄色い看板。 気になっていたが、調べることなく有田町を訪れた。

みかわち焼を学び感じる旅

三河内駅を降り、三川内のやきものの里を巡ってきた。 平戸窯悦山を後にし、北へと向かう。通り沿いにある 建物は佐世保市うつわ歴史館と三川内焼美術館。本当 は先にこちらを訪れてから、作品にふれて興味のある 窯元へ訪れるのがよさそうだが、まずはやきものの里 へ向かった旅。さて、あらためてみかわち焼を学ぼう。 少しずつ盛り上げては削る緻密な作業だ 平戸松山窯のYouTubeチャンネルで美術館の紹介も。 作陶されている方の視点での解説も興味深い。 初めて訪れた三川内焼のやきもの

やきものの里の窯元をめぐって 

平戸松山窯を後にして、三川内焼のやきものの里の旅 は続く。里をめぐって、次に訪れたのは天満宮の境内社 である釜山神社。でも一心に上って釜山神社を通り過 ぎてしまった。また上るのはあきらめて次へ向かおう。 釜山神社は、途中の朱色の鳥居の所で、うっかりと 見過ごしてしまった。案内板には確かに境内社と 書いてあった。今度から案内板は注意して読もう。 驚きの造形だ。虫かごの作り方について、しっかり説明 頂いた。どの窯元も丁寧に対応頂いてうれしくなる。 みるみるうちに形づくられる

うつわの中の楽しそうな唐子たち

次に訪れたのは平戸松山窯。三川内焼は、当時平戸藩主 松浦鎮信公が、平戸で陶工達に作らせたのが始まりと され平戸焼ともいわれている。この窯元の主流は染付。 青一色で唐子の表情や、多様な絵柄が表現されている。 繊細な筆使いで唐子のやわらかさが表現される 創作唐子、創作染付、平戸染付の紹介も。どれも魅力的 九州の商品を発信する九州ヴォイスの動画にも 2月初旬、三川内焼の平戸松山窯を訪れた。やきものの 里を歩きながら、建物の佇まいにひかれて、なんとなく 門をくぐってみる。中に

三川内山のやきものの里を楽しもう

三川内山地区はやきものの里として、400年の歴史と 伝統がある。里のいたる所に焼き物が散りばめられ、 案内板なども充実している。ギャラリーや窯元、神社や 旧跡などをめぐり、三川内の焼き物の風景を楽しもう。 路地の風景を楽しみつつ、所々に設置される案内板を たどり、やきもの里に広がるおだやかな景色にひたる。 路地を歩くほどに、三川内の風景が体になじんでくる。 里は歩いて回れる距離感で、自転車を押しながら景色 を楽しむ。点在する窯元も魅力的だ。次はその窯元へ。

もう一度旅を始めよう

皆様、ご心配をおかけしました。キーボードも難なく、 使えるようになり、また旅路を、日々をつづりますので お付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします。 あの日から二週間と少し。暗闇の中、呆然としたことを 思い出し、道があると思って踏み出した足が地につか ない時、あんなに動転するものかと思い返しています。 今まで、振り向けば崖とか、山道が行き止まりとか、 ひやりとする場面もいくつかありましたが、とうとう 痛い目にあいました。この痛い怪我を忘れることなく、 これからは十分に

瑞穂窯のうつわを求めて

小代焼といえば工藝風向で知ったふもと窯。それと もう一つ知っていた窯が福田るいさんの瑞穂窯だ。 以前に、柳川を旅した際に訪れたうなぎの原田で、 レジ横に置かれていた角皿。素敵なうつわですねと、 お店の方に声をかけると福田るいさんのうつわです、 と教えて頂いた。そこで知った福田るいさんの名前。 古小代の里公園を後にし、道の駅おおむたを目指す。 なんとか時間内に道の駅に到着。福田るいさんに先程 は、電話でとお伝えすると、とても歓迎して下さった。 小代焼瑞穂窯の窯元は福田るい

小代焼の窯元を巡って

小岱山のふもとの小代焼の窯元を巡ろう。中平窯から ふもと窯へ。そして次の窯元へ向かう。しばらく進むと 木々の先に、ひっそりと本谷ちひろ窯が佇んでいる。 窯元の前野智博氏は、会社勤めを辞められ、28歳から 陶芸の道を志した。瑞穂窯で7年間修行をされた後、 さらなる学びのため、沖縄やちむんの里へ。1998年に 開窯され、小代焼の歴史を受け継ぎながらも、沖縄の やちむんの技法も混ざる個性的な器を作られている。 瑞穂窯で修行されており、雰囲気の似た作品も幾つか あった。次は瑞穂窯