ブランドストーリーを作ろう その2 主人公を決める
前回は、ブランドストーリーにおいてもっとも根幹となるものが経営理念(ビジョン)であることについてでした。
では、次にブランドストーリーの主役について考えていきたいと思います。
さて、早速ですが問題です。
アニメ映画「ドラえもん」の主人公は誰でしょう?
答えは簡単です。
「のび太」です。
タイトルは「ドラえもん」ですが、ドラえもんはのび太に夢の世界の扉を開いてくれる相棒です。
ドラえもんの道具をきっかけにして、未来や過去、地底、海中、宇宙などの未知の世界で出会い、ピンチを乗り越え、そして一つ大人になるというのがストーリーの型になっています。
私自身の子供時代も含めて、のび太の気持ちに共感できるから何十年間も「ドラえもん」は子供たちの支持を得ることができるのです。
ブランドストーリーにおいても、もっとも顧客の共感を呼びやすい方法の一つがこの「ドラえもんスタイル」です。
企業やブランドはドラえもん役になって、のび太の夢がかなうことのお手伝いをし、一緒に冒険にも出て、お互いを助け合うようなパートナーであることをストーリーとして伝えるのです。
顧客が主人公のブランドストーリーには、企業やブランドの「手前味噌」にならないという利点があり、また、顧客体験や口コミの重要性と同じように「真実の声」となって伝えることができます。
では、どうやって顧客の主人公となる物語のタネを見つけることができるのか?
その第一歩が顧客との対話です。直接、面と向かって話すことだけでなくてSNSを通してでもいいです。もしかすると、カスタマーサポートに来るメッセージの中に宝物が見つかるかもしれません。
自社製品を買う場所や使う場所に出向いて観察してみることもよいかもしれません。
まず、顧客が自社の商品・サービスに接するに当たってどんな感情を抱いているのかを知りましょう。その感情に共感を持って理解を深めることです。
そして、その感情と最初に確認した企業理念がどのように関係するのかを照らし合わせてみましょう。
そうすることによって、ブランドの「普遍的真理」=魂を見つけ出すことができます。
まとめ
「ブランド・ストーリーを作る」の第二回は「顧客を主人公にする」ことの意義でした。もちろん、ストーリーには創業者や従業員などが主人公にしているものもあります。それらのストーリーにも顧客を惹きつけるものも多くあります。
ただ、顧客の共感を呼びやすいものとして、しばらくは「顧客を主人公にする」ことを、この連載ではしばらくフォーカスしていきたいと思います。
参考図書はこちらです。
最後までお読みいただき有難うございます。
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