マガジンのカバー画像

書評

46
運営しているクリエイター

記事一覧

「成瀬は天下を取りに行く@Audible」感想

「成瀬は天下を取りに行く@Audible」感想

本屋大賞で話題の「成瀬は天下を取りに行く」をAudibleで聴きました。

本屋さんで何度か「読もうかな」って思いつつ手を出しそびれていたのですが、Audible会員が無料で聴けるようになり、それではということで聴くことにしました。

最初、走りながらに聴き始めましたが面白すぎて続きが気になり電車の中でも聴いているときに思わず吹き出してしまったりしながらあっという間に聴き終わりました。

聴き終わ

もっとみる
「かたちには理由がある」を読んで

「かたちには理由がある」を読んで

プロダクトデザイナーの秋田道夫さんの「かたちには理由がある」を読みました。

デザインには興味があります。

とは言っても、絵を描くわけでもうまいわけでもないですし、どちらかと言えば子供の時から美術は苦手でした。

今もせいぜいやることとしたらプレゼンの資料作成の時に、見やすくならないかなぁと工夫はしたりするんですけど、結局、時間がないとありきたりな箇条書きとグラフとちょっと拾い画像とかでビジュア

もっとみる
「八月の御所グラウンド」を読んで

「八月の御所グラウンド」を読んで

「しょうしゃはほっぺにたまひでのままのちゅうがもらえる」

これをひらがなで書いてしまうワードセンスに声を出して笑ってしまいました。

直木賞作品ということで万城目学さんの小説をはじめて読ませていただきました。

普段からできるだけ小説も読みたいとは思っているんですけど、他にも読みたい本が多くて、受賞作品とかでないとなかなか目が行かないので本屋大賞や直木賞が読むきっかけになってくれています。

もっとみる
「実践 仕掛学」を読んで

「実践 仕掛学」を読んで

大阪大学で仕掛学の教えている松村真宏先生の「仕掛学」の続編である「実践 仕掛学」を読みました。

実践編ということで、ページの半分以上を著者と教え子たちが実際に行った45の実例に割いています。成功例だけでなく予期しない結果となったものも紹介されていますので、仕掛を取り入れてみたいと思っている場合には多いに参考になると思います。

仕掛学とは、つい行動してしまうきっかけを作る仕掛けを体系的にまとめた

もっとみる
「林陵平のサッカー観戦術」を読んで

「林陵平のサッカー観戦術」を読んで

サッカー観戦が好きで、よくJリーグの試合を見にスタジアムに行きます。

日本代表の試合もよく応援に行っています。(先週も国立競技場にいました)

地元のJリーグのファンクラブにも入っていてホームの試合の日は毎試合のように応援に行っています(自転車で行ける距離にあるので)。

ただ、経験者ではないので正直な話、サッカーの詳しい戦術のことを理解しているとはいえないです。解説の話を聞きながらなんとなくわ

もっとみる
「湖池屋の流儀」を読んで

「湖池屋の流儀」を読んで

週末に日本を代表するマーケターの一人である湖池屋の佐藤章社長の本を読みました。

随分前ですがNHKのプロフェッショナルでキリンビバレッジのマーケターとして登場された時からすごい人だな、と思って記憶していました。

その時も感じたのがチームに活力を与えるエナジャイザーとして成果を発揮している人で、それは、湖池屋の社長になってからも変わっていないというのをこの本を読みながら思いました。

キリン時代

もっとみる
「いいね!」を集めるワードセンス

「いいね!」を集めるワードセンス

ワードセンスってすごく大切だと思います。Notesを毎日書いていても言葉の選び方って難しいし、他の方の記事を拝見していて興味が湧くのってタイトルのセンスが素晴らしいと思います。

ということで、この本を早速読んで見ました。

本書では、ワードセンスがあるとどんなメリットがあるのか、実際にどうすれば磨くことができるのか、具体的テクニックについて、著者の齋藤孝先生が感じた芸人さんの光るワードセンスや著

もっとみる
「52ヘルツのクジラたち」を読んで

「52ヘルツのクジラたち」を読んで

知人が良かったという話をしていたので週末に読んでみることにしました。

時々見かける児童虐待のニュース。ニュースになるのは命を落として重大な事件となったようなものだけで明るみになっていないような悲惨なことも多くあると思います。

耳にするだけでもつらくなってくるような話です。これまで普通の傍目から見ると良い環境良い生活をしているような人でも何かの拍子で害を加える立場にも虐げられる立場にもなりえます

もっとみる
「話す力」を読んで

「話す力」を読んで

最近、本屋さんのビジネス書コーナーに「話す」系の本をよく見かけます。

リスキリングの中でも「話す」ことへの苦手意識を克服したいというニーズが高いからだそうです。

そういったスキル系の本とは少し違うかもしれませんが阿川佐和子さんの「話す力」を読みました。

本屋さんの新書コーナーで見つけて面白そうだったので手に取ってみました。

10年ほど前に「聞く力」という本が大ベストセラーになったそうで、私

もっとみる
ブランディングのロードマップ「デジタル時代のブランド戦略」を読んで

ブランディングのロードマップ「デジタル時代のブランド戦略」を読んで

本書は、ブランド論について特にデジタル変革期になっての変化を重点においてまとめられています。

編者が中央大学の田中洋名誉教授です。「ブランド戦略論」を執筆されて網羅的にブランド戦略についてまとめられた方です。

先週、マーケティング協会のセミナーにも参加し本書の読みどころを各パートの著者の方から直接聞くことができました。

全体の印象として、アカデミアの第一線の先生方が書かれているだけあって、各

もっとみる
「ひゃっか!」を読んで

「ひゃっか!」を読んで

直木賞作家、今村将吾さんの「ひゃっか!」を読みました。

今村翔吾さんといえば、直木賞作品の「塞王の盾」を始め歴史小説、時代小説家ですが、この作品は現代の高校生の花いけバトルを描いた青春小説です。

作家のイメージからすると意外なストーリーです。しかも、主人公が女子高生ですしちょっとした恋愛感情なんかもあって読み始めは少し違和感も感じてました。

でも、読み進めるうちにすごく面白くて一気に読み終わ

もっとみる
「思考の穴」を読んで

「思考の穴」を読んで

今年1冊目の読書として「思考の穴」を読みました。

昨年末から話題の書になっていましたがようやく読むことができました。

イェール大学の行動心理学の人気教授の講義のエッセンスをまとめた本書は、人間が誰しもが持つバイアスについて、どうしてそうなるのか、また、論理的であるためには(=穴をふさぐ)どのような点に気を配る必要があるのかを、わかりやすく丁寧に解説しています。

8つのチャプターに分かれており

もっとみる
「お客様を幸せにする 行動経済学のアプローチ」を読んで

「お客様を幸せにする 行動経済学のアプローチ」を読んで

年末年始の休みにこの1冊を読みました。

600ページという「国語辞典か?」ってくらいの分厚さです。

著者の松木一永氏は実務家で、行動経済学をビジネス課題に応用するコンサルタントです。

「行動経済学は死んだ」→再現性問題
「顧客を私利私欲で導こうとする」→スラッジ

行動経済学の注目が集まる中でこれらの批判も広がっています。

本書ではこれらの批判に対して、反論ではなくなぜ起きるのかに向き合っ

もっとみる
「パーパス+利益のマネジメント」を読んで

「パーパス+利益のマネジメント」を読んで

ハーバード・ビジネススクールのジョージ・セラフィム教授の本を「パーパス+利益のマネジメント」を読みました。

パーパス(企業の存在意義)の追求が利益を生み出すことにつながることを主張しています。

そして、パーパスと利益の両立を目指す上で指標となるものが、ESG(環境、社会、ガバナンス)です。

ESGは、財務的指標だけで企業を評価するのではなく、非財務指標である環境、社会、ガバナンスへの取り組み

もっとみる