荒尾 康宏

やすマーケティングコンサル事務所代表 MBA(Vanderbilt大学)、中小企業診断…

荒尾 康宏

やすマーケティングコンサル事務所代表 MBA(Vanderbilt大学)、中小企業診断士、行動経済学会会員、Marketing Specialist(公益社団法人日本マーケティング協会公認)顧客価値創造、マーケティングで日本の中小企業を元気にしたい、運動:マラソン、テニス

マガジン

  • 書評

  • マーケティングの”ま”

  • 新商品・新サービス探検隊

    巷で新たに誕生する新商品・新サービスや新規開店のお店をトライして、感想並びに、マーケティング視点での考察をしています。

  • どう使う?マーケターが知りたい行動経済学のあれこれ

    マーケティングの大家、コトラー教授は「行動経済学はマーケティングの別称である」と言ってます。専門用語が多くてとっつきにく印象のある行動経済学の理論を取り上げてマーケティング施策への応用展開を考えます。

  • グルメ探訪録

    前頭葉を活性化するためにはじめて行ったレストランについて記録します。

最近の記事

「ひとり需要」はビジネス拡大のチャンスだ

最近、知合いがSNSでソロキャンプした写真を上げていてちょっとうらやましく感じました。でも、ソロキャンプって、10年くらい前だとよっぽど本格的にやっている人か、もしくはちょっと変わった人くらいしかやってない印象だったと思います。 他人を気にせずに一人で好きなことを楽しむ「ひとり消費」が広がっています。日経「ヒットのクスリ」B面で博報堂生活総合研究所の「ひとりマグマ」をオンラインで聴講しました。 同研究所のアンケート調査によると、1人の時間が好き、という項目について約80%

    • 「Hey! Tea, please.(お〜いお茶)」のグローバル戦略が興味深い

      4月30日に国内外の新聞60紙に全面広告で伊藤園と大谷翔平選手のグローバル契約を結び大谷選手への応援の手紙として掲載されました。 今年の春は緑茶飲料は各社が広告戦略を刷新しており、市場がにぎやかになっていました。 国内トップシェアの伊藤園は守る立場で、どっしり構えているのかな、と思いきや今回、グローバル市場を視野に入れて超大型のプロモーションを打ち出してきました。 もちろんグローバルブランディングを行うということは一番大きな日本の市場にもインパクトは大きいと思います。

      • パタゴニア創業者 イヴォン・シュイナードさんのストーリー

        日経新聞 日曜版の別刷のThe STYLE は文化的な特集記事が組まれています。読まずに飛ばすこともあるのですが、4月28日付は面白い記事がいくつかあり大いにインスパイアされました。 中でも、パタゴニア創業者のストーリは興味深く拝読しました。 サーファー、鷹匠、登山家、釣り人、鍛冶屋など様々な肩書きで、現在、86歳で今も元気にフライフィッシングを楽しんでいるそうです。今もあるパタゴニア本社の敷地内の鍛治の作業場で颯爽と立ってポーズを取っている写真が掲載されていますが、とに

        • 「かたちには理由がある」を読んで

          プロダクトデザイナーの秋田道夫さんの「かたちには理由がある」を読みました。 デザインには興味があります。 とは言っても、絵を描くわけでもうまいわけでもないですし、どちらかと言えば子供の時から美術は苦手でした。 今もせいぜいやることとしたらプレゼンの資料作成の時に、見やすくならないかなぁと工夫はしたりするんですけど、結局、時間がないとありきたりな箇条書きとグラフとちょっと拾い画像とかでビジュアル追加するなんていうお粗末なスライドを作ってしまいます。 そんな自分を少しでも

        「ひとり需要」はビジネス拡大のチャンスだ

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        • 書評
          45本
        • マーケティングの”ま”
          42本
        • 新商品・新サービス探検隊
          73本
        • どう使う?マーケターが知りたい行動経済学のあれこれ
          68本
        • グルメ探訪録
          2本
        • ブランドストーリーを作ろう
          10本

        記事

          ハリポタ速読チャレンジ34週目

          ハリポタを洋書で寝る前に1日30分読んでいます。 231日目:400ページから407ページ ホグワーツに戻ったハグリッドに対してアンブリッジがどこに行っていたのかを聞くと海に行っていたと言い訳します。日焼けしてないと言われると、 「敏感肌なんです」とこびた笑いを浮かべていいました。ハリーは彼の歯が2本折れているのに気づきました。 232日目:408ページから413ページ ハグリッドは授業でセストラル(魔法の生き物)を持ち出してきました。 「セストラルが見える人は、

          ハリポタ速読チャレンジ34週目

          「On」が飽和市場で勝てるワケ

          私が「On」を認知したのは、今年の箱根駅伝でトップランナーがこのシューズで走ったことを知った時からです。 それ以来、電車で履いている人を見かけたら「おっ、履いてる!」って目が行き、メールアドレスを登録したのでプロモーションが届くようになり、この数ヶ月衝動買いの一歩手前にいる状態でした。 デザインが斬新でカッコいいし、「スポーツシューズ界のアップル」と言われるブランドを履いてみたいという好奇心というか欲求が高まっています。 日経の「ヒットのクスリ」で創業者のオリヴィエ・ベ

          「On」が飽和市場で勝てるワケ

          「小さくても勝てる」ではない、「小さいから勝てる」んだ!

          日経に連載4回で掲載された「小さくても勝てる」は、中小企業に成長のけん引役としての期待が高まっていることがよく表れています。 こちらにも書いています↓ 今回の連載ではさらに具体的な事例を交えて成長へのヒントを与えてくれています。各回をまとめると以下の通りになります。 第1回:日本の中堅企業の増収率は大企業よりも高い。国は、従業員2,000人以下の企業を中堅企業として定義しM&Aなどの手段を用いながら中小企業が中堅へと成長する好循環を経済再生の切り札と考える。大事なことは

          「小さくても勝てる」ではない、「小さいから勝てる」んだ!

          日経記事 やさしい経済学「組織の課題と変革の方向性」

          日経新聞「やさしい経済学」で連載された埼玉大学 宇多川准教授の「組織の課題と変革の方向性」を読みました。 イノベーションを起こし市場で地位を確立した企業であるほど、環境変化に応じての新たな変革が起こしにくくなる「適応のパラドックス」のメカニズムとそれを理解し乗り越えて変革組織へと舵取りするための考え方がわかる内容になっていました。 組織変革について、経営学の多面的な切り口から論じ、変革リーダーとして対話型ストーリーテリングの重要性にまで展開されており、毎回、お腹一杯になる

          日経記事 やさしい経済学「組織の課題と変革の方向性」

          ドンキの口コミ収集術を学びました

          日経クロストレンドカレッジのオンラインセミナーで「ドンキのUGC活用術 10万件収集のコツとデータから見えた顧客感情」を聴講しました。 UGCとは、顧客が自ら生み出すコンテンツ(User Generated Contents)のことで、口コミとして消費者の重要な情報源となり、企業にとっても有益なマーケティングツールとなるだけでなく、生の声や利用シーンを知ることで新たな商品の価値や改良のアイデアを発見することが期待できます。 ドン・キホーテは「マジカ」という自社の電子アプリ

          ドンキの口コミ収集術を学びました

          イチローの「全力の中で形を作る」がなぜ人の心に刺さるのか

          先日、テレビで「イチローと3人の高校生」を観ました。去年12月放送された再放送です。 イチロー選手といえば、私の世代でもっとも輝かしい活躍を見せた日本人の1人です。 番組の全体の感想として、イチローさんの冷めることない熱を感じることができ、少しでも見習える部分があれば取り入れていきたいと思いました。 一番印象に残ったのは「全力の中で形を作る」という言葉です。 巨人の浅野選手が高松商2年の時に同校で指導した際に残した言葉です。 キャッチボールから手を抜くことなく全力で

          イチローの「全力の中で形を作る」がなぜ人の心に刺さるのか

          「GDPなんてオワコンだ!」って言うために求められる新たな指標

          来年、日本はインドにも抜かれ名目GDP世界5位になりそうです。 もともと抜かれること自体は時間の問題でしたが円安によってさらに早まりました。2010年中国に抜かれ、昨年はドイツ、そして、来年はインドです。 長く世界2位を誇っていたことを思うと日本人としてはさびしさも感じてしまいます。 中国やインドについては人口が日本より圧倒的に多く仕方ないと感じる面もあるとは思います。でも、一人当たりGDPで見ると日本は世界34位でそう高くはありません。 日本人は頑張ってまたGDPの

          「GDPなんてオワコンだ!」って言うために求められる新たな指標

          ハリポタ速読チャレンジ33週目

          ハリポタ洋書を寝る前30分読んで何日で読み終わるか。現在、5巻目の「不死鳥の騎士団」です。 224日目:346ページから350ページ 秘密に集まって訓練するアイデアはハーマイオニーでしたが、シリウスが賛成したことで逆にちょっと心配になっています。 彼は本当に今の自分のいるところでできることがないことに当惑していると思うの、だから、彼は言ってみたら私たちをけしかけようとしていると思うの。 225日目:351 ページから358ページ ハリーは額が痛みからヴォルデモートの

          ハリポタ速読チャレンジ33週目

          中小企業向け補助金施策の是々非々について

          日経新聞の経済教室に掲載されたデイビッド・ワインスタイン コロンビア大学教授の記事はなかなかに刺激的でした。 記事の中身としては、株価が上がり低い失業率を維持しているにも関わらず好調とはいえない日本経済について、バブル崩壊後の人口動態と生産性の低下が原因となりGDPでドイツに抜かれ世界4位となってしまったこと、さらに、日本経済停滞の理由について考察しています。 私がひっかったのは、経済停滞の理由として上げた3つの内の1つです。 理由の3つとは、1.女性の効率的活用ができ

          中小企業向け補助金施策の是々非々について

          牛丼が給料日前のサラリーマンの味方でなくなる日は近いのか?

          牛丼 並の価格が12年前に250円と聞くと、信じられないと思う人もいるのではないでしょうか。日経新聞に牛丼の原料費の高騰についての記事が出ていました。 日経新聞の記者の市場調査力もすごいな、と思いました。 なにせ「吉野家」「すき家」「松屋」の3チェーン×3店の合計9店舗を回ってそれぞれの牛丼並の肉、お米、玉ねぎの重量の平均値を出して卸値から原価を計算しているのです。出汁や水分の量も念頭にいれて綿密に計算したそうです。 記者の調査力に感心すると同時にそういえば牛丼の値段で

          牛丼が給料日前のサラリーマンの味方でなくなる日は近いのか?

          「副業」する従業員がいるときに経営者として考えたいこと

          メルカリが空き時間の仕事を仲介するサービスの「メルカリハロ」を全国展開するそうです。日経新聞にも大きなスペースで報じられており、今朝のニュースでも取り上げられていました。 すでに先行したサービスでタイミーやクラウドソーシングのCrowdworksとかもあるのに、そんなに大きなニュースなのか?って正直思いましたが、メルカリがすることにはインパクトがあるということなのかと思います。 昭和を感じさせるドラマのシーンで無銭飲食した人が代金の代わりにお店で皿洗いをして返すというのが

          「副業」する従業員がいるときに経営者として考えたいこと

          事業承継税制について考える

          事業承継税制の特例処置が2年延長されて2026年3月末までとなりました。 でも、事業承継の問題は今後2年で解決するものではないですし、2年後には再延長されるのか、また、別の形に変わるのかはわかりませんが、なんらかの対策は継続されるのではないかと個人的には思っています。 この特例処置は後継者が取得した一定の資産について、贈与税や相続税の納税を猶予する制度です。猶予された納税は後継者の死亡等により、納付が免除されます。 2018年に特例処置として要件が大幅に緩和され、事前の

          事業承継税制について考える