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【卒業生note】Sさんから母校への手紙 vol.1-1

 2024年3月1日、安田女子高校STEAMコースから一期生が卒業し旅立っていきました。今は、どんな大学生活を送っているのでしょうか?




☆こんにちは

 この3月に卒業して長崎大学に進学したSです。ご無沙汰しています。大学の生活について、後輩の役に立てばいいなと思って、手紙を書きました。先生の方で、編集してもらって後輩にうまく伝えてもらったらいいかなと思います。

長崎大学の正門

 思い返せば、私が薬学部に進学したいと思ったのは、高校の時に生物と化学がとても好きで、大学に行って、もっと専門的に学んでみたい!と思ったことが始まりでした。まだ、大学での90分授業に慣れていなくて、たまに睡魔と戦っています(笑)。
 高校時代と変わらず、言語を勉強することが好きです。母国語の日本語、C1レベルの英語【編集者注:CEFRのレベルの1つ、英検では1級の高得点合格に相当】に加えて、長崎県に来てからスペイン語とインドネシア語の勉強を始めて、大学でドイツ語の授業を取って、と毎日頭の中はいろんな言語が飛び交っています。

スペイン語の自主学習ノート ~ 女性名詞が左、男性名詞が右
男女どっちだっけ?ってよく迷います(笑)

 また、大学はそんなに高校と変わらなくて驚きました。習う内容が専門的になって、服もお化粧も自由になった高校みたいです。大学生活が全く想像できなくて、高校の時抱えていた不安が少しばかばかしく感じます(笑)。

☆薬学部での学習

 長崎大学では、薬学部の1年生は専門科目と教養科目を学びます。

・専門科目

 薬の勉強に必要な生物や化学をメインに学びます。

専門科目の教室 ~ 100人近くが集まって授業を受けます
授業を受ける自分の視界 ~ 教授はスライドを使う方と板書する方に分かれます

【生物】
 高校の知識と大学の知識をミックスして勉強しています。細胞が実際にどんな働きをしているのか映像を見たり、人のタンパク質を構成するアミノ酸は20種類あり、構造式と名前を覚えてくるよう言われたりします。今のところ、暗記が多いように感じていますが、いま私が教わっている先生は原理をしっかり解説してくれるので、それと結び付けて知識を取り込めば、苦ではないし、むしろ楽しいくらいでわくわくしています!いまは生物の授業が1番楽しいです。
 
【化学】
 薬品分析化学と有機化学を学んでいます。
 ・薬品分析化学
 いわゆる中和反応や滴定などを、大学の新しい知識を通して論理的に学びます。今後は滴定実験などもやるそうなので楽しみにしています。先輩から共有してもらった小テストでは、モル濃度の計算の発展した問題や、薬品分析化学で出てくる専門用語の和訳や英訳の問題が記述式で出ていました。今は実験用語の解説がメインで、量が多くテストが危険です(笑)。私は高校時代にタンポポのDNA抽出実験や京橋川のプロジェクトで実験器具にふれていたので、器具の使い方は新しく学ぶことがあまりありませんでした。
 
・有機化学
 Lewis(ルイス)構造式やkekule(ケクレ)構造式、原子軌道(先生は1sとか3pとか見たことありますよね)を自分で書けるようになろう~みたいなことをしています。この分野は授業だけでは理解が難しかったため、友達と話しながら協力して理解しました。有機化学の先生は教科書の重要なところだけを授業されるので、予習が大事です。教科書20ページくらいを通読して、流れだけでも理解して授業に臨んでいます。また、有機化学の教科書は練習問題がついているので、復習がてら解いてみて、わからないところは友達や先生に質問して、次の授業までには分かるようにしています。
 後輩の中で興味を持つ生徒がいるようだったら、このYouTubeを教えてあげてください。大学の化学がなんとなくわかると思います。

有機化学のノート~先生の説明が早いのでかなり字が汚いです(笑)。
この日の内容は高校の熱化学方程式や反応速度の分野の大学ver.でした。
有機化学の小テスト~いつも隣の子や友達と相談しながら解いてます。

【薬学】
・薬学概論
 薬学部の歴史や薬に関わる法律、薬剤師としてコミュニケーションをどうとっていくかなどを考えます。今度の授業で、新しい薬の形を考えてみよう!というクリエイティブな授業もあるので、STEAMを思い出し、とてもワクワクしています。(ちなみにスライムを提案する予定です)

・教養科目 

 英語や第二外国語(選択で中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語の中から選ぶ、私はドイツ語を選びました)を受けたり、オンデマンド授業(授業が動画でそれを見る)として情報、環境、健康について学んだり、選択科目でインド、病理学、英語で社会学を学ぶ授業が取れたりします。オンデマンド授業は大学生として健康にどう向き合うか(栄養バランスや運動量の講義)、ITやグラフの読み取りに必要な知識、SDGsや世界の環境、プラネタリーバウンダリーについて多角的に学びます。
 
【英語】
 英語の授業は2種類あって、アメリカ人の先生が授業を行うものと日本人の先生が授業を行うものがあります。アメリカ人の方は、スピーキング・リスニングが中心で、ペアワークがメインです。日本人の先生の授業は、ライティングがメインでこの前はeメールを書いてみようという課題が出されました。(ここだけの話、選択科目を英語で受けられる授業がありますが、英語が好きじゃないと授業についていくのが大変だし、試験も多分英語で出されるので受ける人は気を付けてください。)

実際に書いたEmail

 メールの書き方は日本語でも英語でも習いますが、STEAM生は正直困らないと思います。周りは「慣れない・・・」と結構困惑していました。目上の人にメール書いたことないのがふつうだもんな~とSTEAMとの違いを感じます。

【ドイツ語】
 ドイツ語の授業では、アルファベットの発音から始めて、動詞の活用についてやっています。英語と構造が似ているので、親近感があります。ちなみに英語はドイツ語と1番似ているらしいのですが、そういうとドイツ人に怒られるそうです。(笑)


【編集者より】
 長くなってきたので、今回はひとまずここまでのご紹介ということにしておきます。次は生活や環境についてご紹介する予定です。お楽しみに。


■ 執筆者:STEAMコース1期生・S
朝は毎日ヒバリの鳴く声で起きています。
買い出しに行くと、自分が食べたいものばかりに目が行き、栄養バランスが心配です。
最近開発した自家製豆腐ドーナツとれんこんパンケーキがお気に入りです。
実家でカマキリが50~70匹ほど孵化しました。早く会いたいです。

■ 責任編集:安田女子高校STEAMコース主任(4年目)
教員歴24年(理科と情報、専門は物理)。
趣味は読書、好きなことは謎解き、好きな食べ物は粒あんです。


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