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地域スポーツクラブの社会貢献について

サッカークラブの引きこもり支援

J2リーグに所属するギラヴァンツ北九州と、北九州市引きこもり支援センターすてっぷが共催している『ギラヴァンツオープンマインドプロジェクト』。

通称GOPが、明治大学さんには公開WEB講座や論文として取り上げていただきました。日本財団さんの関連するウェブメディアAZrenaさんには記事にしていただきました。

GOP初期メンバーとして、プログラムを作った人間として、ちょっと誇らしいです。ありがとうございます。

イベントのご案内(ぜひご視聴ください)

公開講座は10月9日(土)15時~、zoomで開催です。どなたでも参加できますので、詳細はこちらから。
https://www.meiji.ac.jp/jinbun/topics/kouza2021.html?fbclid=IwAR2Plvnj9gNYKGs8ZoTtTpTR9j0S6QPAsgzoHse336unij005YbS8ftvFao

記事の方は公開されていますのでいつでもご覧いただけます。
【ギラヴァンツ北九州が、ひきこもり支援に取り組む理由。地域の媒体になるために】
https://azrena.com/post/17533/

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GOPの思い出

タイトルの写真は、2018年にGOPに参加していただた皆さん。試合に勝ったこともあり全員に達成感が溢れています。この写真も全員が「アップしていい」と言ってくれました。(通常はNGなんですよ)

このとき、ギラヴァンツの玉井社長がわざわざ来ていただいて「サッカーの可能性を拡げてくれてありがとうございます」とまで言ってくれました。

高年齢の引きこもりが社会課題とも言われる中、参加していただいた皆さんが少しずつ前向きになっていることがわかります。

このとき以降、一歩ずつ前進される皆さんの姿も見ています。支援団体の横の連携や、参加者さん同士の横のつながりが強くなったことも、良い結果のひとつだと思っています。

地域のスポーツクラブが支えるもの

チームは現在厳しい状況ではありますが、このプログラムを始めたのもギラヴァンツがJ3に落ちた頃でした。

強いか弱いかだけのチームだと、結局は持続できません。人も同じですけど、厳しい時こそ立ち返る原点が必要なんです。

勝敗は時の常ですし、予算の少ない地域の弱小クラブですから、必勝は難しい。トータル一勝一敗一分けでやっていくのがプロスポーツ。悪い方の目がでた時に、どう立て直していくのか。

そんな時にベースになるのが、自分たちは何のためにプロとしてスポーツクラブを運営しているのかが重要です。それが拠り所になると思うんです。

地域の意味をスポーツ哲学に載せる

北九州とはどんな哲学を持った街なのか。それは「再出発できる街」なのではないか。そんなことを考えて、このプログラムを作った記憶があります。

北九州は鉄の都市と戦争の都市が合併し、日本中から人が集まってできた多様な都市です。文化も歴史も違う、言わば寄せ集めの人たちが、なんとか協力して生きていこうという街です。

そういう意味では、ここ2年ほどは前へ前へとプレスするサッカーを目指していましたが、引いて守るサッカーの方が北九州らしいのかもしれませんね。

攻撃的なのではなくて、基本は耐える時間の方が長いのが鉄の街ですよね。直近の3試合くらいは引いて結果も出てますし。

北九州が全国に貢献できる道

北九州のアイデンティティをもうひとつ唱えるならば、それは東アジアにおけるハブで流通の拠点だったということになります。

日本サッカー自体が成長するにも東アジアという地域の中で切磋琢磨する必要がありますし、ギラヴァンツがそのハブになれるはずなんですね。歴史的には。

そのようにダイバーシティを体現するチームであってほしいというのが、僕が願ったGOPの原点でもあります。

という話を、GOP(ギラヴァンツオープンマインドプログラム)を作るときにしていました。それが5年前だったので、今は理解していただける人も増えたのではないかと思っています。また、説明していきましょう。

GOPの評価と課題

このプロジェクト、「2019 北九州SDGs未来都市アワード」にて、「SDGs賞」(企業部門)を受賞しました。

また、小倉東ロータリークラブさんよりご支援いただいて、中学高校生向けバージョンのGOPも始めることができました。

そして、厚生労働省やJリーグからのヒアリングも受けるなど、大きく広がりを見せつつありました。

ただ実は、メンバーの中で最初に共有した課題は「8050問題」といわれる40代からの支援についてでした。

39歳までの引きこもりを対象としたサポート事業はありますが40代以降は支援の手もなく。そのような前提があったためターゲットの年齢層は高くなりましたが、逆にロジカルな説明を入れることができました。

それは良い結果に繋がったとは思いますが、まだまだ困っている人が多くいるのも事実です。

このように評価いただけるのも嬉しいですし、このような取り組みが広がっていく一助になれれば、より嬉しいです。真似していただける地域やクラブチームがでてきますように。

あ、本当は「社会貢献」ではなく、「地域の新しい価値を創造する」ためにやっていくべきことだと思います。そういうプログラムにしてきたつもりです。

追伸:クラブは地域の『媒体に』

「クラブは地域の『媒体』になり得る」という言葉に多くの人が共感してくれています。そうなんですよ。勇気づけの媒体でもあるし、啓発や、教育や、福祉など、様々な可能性を持っているのが総合型ローカルスポーツクラブなんですよ。サッカークラブではなくて、スポーツクラブなんです。そういう意味では、「媒介するもの」「ハブ」なのかもですね。

https://azrena.com/post/17533/

※今年も中学高校生向けのGOPジュニアが開催されます。ご興味ある方はこちらからご確認ください!
https://www.giravanz.jp/news/p35654.html#gsc.tab=0

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