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グンマ・ドリーム


起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード2023」に参加させて頂きました。中高大学生+一般を対象としたビジネスプラン部門と、既に新たなビジネスモデルを構築・実践しているベンチャー部門があり、私は後者に参加。大変ありがたいことに、部門入賞を頂戴しました。



①JINSやカインズなど群馬を代表する企業の経営者の皆様に審査頂けること、②群馬県内の学生から一般まで広く公募されること、③上毛新聞が主催であること。移住者として群馬にコネクションゼロで起業した身としても、また、群馬の皆様にkoyomiを知って頂くためにも、この上ない機会と思い、応募しました。

コールドプレスジュース自体は100年前からある原始的なジュースだし、日本でもkoyomiは後発。規格外の野菜を事業に活かすこと自体は新しいことではない。では、koyomiの何が革新的なのか。
今回の発表では、koyomiが一般のジュース店とは真逆の発想で事業を運営していること説明しました。

通常の場合、ジュース店(に限らず一般的な飲食店)は自分が売りたいメニューを成立させるために、自分が欲しい野菜を、欲しい量、欲しい時に注文します。
一方、koyomiは特定の農家と通年お付き合いする中で、農家が出荷できるものを出して頂ける分だけ仕入れます。koyomiのメニュー構成は仕入れてから考えます。ジュースのレシピも旬次第で常に変化します。koyomiは逆転の発想で事業を運営することで、農家の生産性アップに貢献します。



メニューやレシピに縛られないと、農家もkoyomiも自由になる。そして、koyomiはありとあらゆる野菜や果物のオファーを受ける様になります。私達は極力、農家様から頂いた相談には乗り、最大限の数量を引き受けます。ジュースで使い切らない素材は、シェイクヒップやスムージー、パフェの原料になる。他にもサラダやカレー、スープなどにも変身し、ロスゼロを徹底しています。私達は農家との関係性を再定義したことで、豊富なメニューが受け口となって仕入れた素材を使い切る生産性の高いオペレーションを作りました。

結果、ハイグレードの野菜をたっぷり使ったメニューはお客様の健康習慣を作り出します。koyomiは素材の質とコスト管理の両面で優位性があるので、高価な野菜をたっぷり入れたレシピとすることが出来て、結果、お客様の身体に良い変化が起きる。体は正直なので、習慣化に繋がり、高いリピート率を生む。という好循環が回り始めています。



こうして、農家とお客様とkoyomiの三方良しの関係を作り、その規模を一緒に拡大していく。これが、koyomi流の農家と生活者を繋ぐエコシステムであるという趣旨の発表でした。

通常とは真逆の方向に活路を見出した地方発の持続可能なビジネスモデルとして評価頂き、また「群馬らしさがあり、群馬の将来にとって必要な事業」というコメントも頂戴し、大変嬉しかったです。私は移住者として「群馬らしさとは何か」を常に観察したり、考えています。「らしさ」はカッコ良さだと思うから。似合うものを着こなすとかっこいいし、らしさが所作に出る人は本物だ。

群馬の野菜は「優しく、甘く、みずみずしい」。群馬の黒土や、美味しい水、その気候。きっと色々な要素が絡み合って「優しく甘く、みずみずしい」という共通の特徴を持っているのでしょう。人は自分らしくいられる時、一番に輝きます。ジュースも同じ。地産の野菜達は、地域の仲間とうまく混ざり合います。それぞれに共通する「らしさ」があるから。そして、お互いに主張しない調和の取れた中にも、それぞれが独自にスタイリッシュな「優しく、甘く、みずみずしい」味を表現している。

「地産地消」という、いにしえの知恵をジュースという文化に乗せて、群馬県の皆様の健康に寄り添うこと、これが私達が抱くグンマ・ドリームです。


GIAに参加して感心したのは、歴代の参加者のコミュニティ。11年目を数えるGIAに関わった方、過去の出場者や受賞者、またGIAから派生するGunma Innovation Schoolの皆様が構成するコミュニティの熱はまさに起業家の熱源。群馬には起業家を応援する風土がある。

運命に委ね、この地で事業を興して本当に良かったと感じる一日でした。

翌日にはお客様が可愛いお花をお持ちになり「群馬にkoyomiができて良かった。私の居場所を作ってくれてありがとう」というお言葉を頂戴しました。心の栄養とは、このことです。感謝です

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