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【一口馬主】 大狩部牧場とぐりぐり君: 両者の発言から考える引退馬の未来について

3連休の競馬も終わり仕事の足音が迫る祝日、月曜日の夕方。
皆さまはこの年末年始をいかがお過ごしだったでしょうか。

元旦から災害や事故が続き、不安な年始のスタートでしたが、その一方で家族でのんびり過ごされた方も多かったものと推測します。

筆者も昨日北海道から東京へ戻ってきまして、それまでは自分や妻の家族との時間が多かったため、今やっと自分の属しているコミュニティや友達とのLINE、Youtubeの動画などを追いかけているところなのですが…

興味深い内容を2件見つけましたので、今回は別の角度での「一口馬主」をテーマに記事を書いていけたらと思います。


個人的に今1番HOTなチャンネル

最近、大狩部牧場の下村社長がYouTubeチャンネルを開設したということで、競馬界隈では注目を集めております。

まだチャンネル登録者数が2,000人強ですので、世間の注目度がどれだけのものなのか筆者には十分理解できていない状況なのですが、種牡馬や馬の性質、大狩部牧場の繁殖馬や仔馬について語ってくださったり…と個人的には今1番HOTなチャンネルだと思っております。

そんな下村社長のチャンネルを約1週間ぶりに見たところ、どうやら一口馬主をやっている筆者にも関係のありそうな動画がアップされていました。

「生産馬をクラブ法人に提供して販売することを視野に!!」
と聞くと「おー!! 大狩部牧場の馬に出資できるのか!」となりますが、注目すべきはその背景ですね。

どうやら当牧場の生産馬であるラブリークイーンが引退後、牧場へ戻されずに馬主の意向でジェイエスの繁殖牝馬セールに出されることが物議を醸しているようです。確かにノーザンファームなら絶対に許さないでしょうね(汗)

今も続く“暗黙の了解“

先ほどの動画を見ていくと、この馬主と生産牧場でのトラブル?の原因は、セール取引馬が故に細かい条件を決めるのがセールでの販売後となるため、どうしても口約束にならざるを得ないという背景があるようです。

確かにセリ後だと馬主と生産牧場とのパワーバランス次第では、後出しジャンケン感から売り手側が不利になりやすいのは想像できることで(筆者の知識不足だったら恐縮ですが)セリの制度自体にも一考の余地があるのかもしれないなと。

そして大狩部牧場はラブリークイーンというオープンまで勝ち上がった馬を牧場へ戻せなかった後悔から、今後は庭先取引(=セリではなく馬主との直接取引)においては契約書に「牝馬が引退後は、牧場側に戻す権利を有す」と記載しておくことや、そもそもセリではなく、一口馬主という対法人との取引も視野に入れていくという内容でした。

生産牧場としては牝馬をベースに血を繋いでいくことが求められるため、昔ながらの“言わなくても“ではなく、しっかりと権利を明確にしておくのが重要というのは社長自身が仰る通りかと思いますが、その一方で「牡馬はどうするのか?」(もちろん牧場の性質上、仕方ないことであるのは理解した上で)「一種の性差別であり、都合が良くないか?」とも思った次第です。

あの競馬有名人が一口馬主からの脱退

一方で一口馬主をやっている身からすれば、クラブ所有の牝馬は引退後、生産牧場へ戻してあげることができるのであれば、長いスパンで生産サイクルを見ていった際に自分たちのスタンスが生産界で重要な機能を果たしているとも捉えることができ、誇りを持つべきことではないかと考えております。

そんな中である有名な競馬関係者が一口馬主に区切りをつけるということが話題となりましたね。

そう、ぐりぐり君こと犬塚悠治郎オーナーです。
これだけの名馬を所有して募集額回収率が36%ということは、それなりの頭数へ出資していたのではないかと想像しますが…苦

それはともかく、気になるのはなぜ、このタイミングで一口馬主を辞めるのかですね。ポスト内容からは個人馬主の方が儲かっているとも解釈することはできますが、そもそも馬主が儲かるビジネスなのかは甚だ疑問です。

そして今回、大狩部牧場からの問題提起である所有馬してきた愛馬に対する引退後の対応なども考慮すると「どの立ち位置(一口&馬主含め)でやっていくのが良いのか」と考えさせられるニュースだった次第です。

忘れてはいけない牡馬の存在

実は筆者も一口馬主元年は牝馬しか出資していなかったのですが、その理由がまさに今回の牡馬・牝馬の引退後における処遇の違いでした。

やはり出資馬が姿を消してしまうというのは(どの馬にも起こりうるとは言えども)心苦しいものであり、一口馬主がバブル状態になっている現在、何でも売れてしまうという現状が弊害を引き起こしているのではないかとも思い、複雑な心境なのも事実です。

これまでもダート・障害路線の拡充、馬への積み立て制度など偉そうに意見してきましたが(笑)、今後はより牡馬を中心とした引退馬のセカンドキャリア拡充が重要になってくるものと改めて感じております。

そんなこんなで今年も様々な観点から馬のライフサイクルについて考え、発信していきたいと思っている次第です。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます!

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