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アウトドアする人だけの贅沢な時間"the time"とは

世界が認めるホワイトウォーター

高知県から徳島県にかけて流れ、日本三大暴れ川の異名を持つ四国吉野川。
全長197kmある流域の内、中流域に位置する峡谷を大歩危・小歩危峡と言い、激しい瀬が連続する激流区間はラフティング・カヤックのメッカです。2017年のレースラフティング世界大会も開催されています。

激しいだけじゃなく、澄んだ綺麗な水質をしていて(早明浦ダムが放水しなくなる秋は特に綺麗)、鮎釣りも盛ん。仁淀ブルーで有名な仁淀川と負けず劣らず美しい川です。

僕は過去にモンベル在籍中、ここで大歩危小歩危ラフティング事業の担当をさせてもらっていたことがあります。

(参考動画)

この動画は、同業他社である吉野川のラフティングカンパニー「HappyRaft」のPVです。大歩危小歩危の景色やラフティングの雰囲気がとてもわかりやすいので、ご参考までに。
※見ずに読み進めて頂いても構いません。ご興味ある方は是非。

フィールドの条件が揃う瞬間

僕はこの吉野川で、ホワイトウォーターカヤックというアウトドアスポーツに出会い、激しい川を下る爽快さに魅了されていきました。

特に吉野川に住んだ2年間は、仕事でもプライベートでもラフティングやカヤックで吉野川を下る、とにかく吉野川三昧の生活でした。

そんな中、特に好きだった時間帯が夕方。

ーその日最後のゲストを見送って、ツアーの片付けを済ませ、あらためてガイド仲間達とカヤックでもう一本下る。
毎日何本も下っている川なのに、ゲストを乗せてラフティングボートで下っている時とは、また違う雰囲気がある。

ー1日の終わりを感じさせるヒグラシの鳴き声だったり、とろけるような水面にカヤックで浮かぶ気持ち良さ。白く泡立つ激しい瀬は、夕日でオレンジ色に染まって、その水しぶきが日焼けで火照った身体に染みいる感じ。

言葉では表現するのはなかなか難しいですが、もうずっとこの場にいたくなるような、素晴らしい時間でした。

今考えるとその瞬間は、吉野川というフィールドの"条件が揃った”瞬間であり、その空気に包まれる体験は、今まで自分が体験したどんなお金をかけたものよりも贅沢だったと思います。

サーフィンで例えるならば、波も良く、天気も良いパーフェクトな日のことを「THE DAY 」と言ったりしますが、それに似てるかもしれません。あえてそれに寄せるなら「the time」でしょうか。笑

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味わうと虜になる、"the time"

僕は、この "the time"な瞬間に包まれる感覚は、普段の生活では、なかなか味わえないのではないかと思っています。

そして、ここにアウトドアで遊ぶ人の特権があるような気がします。

アウトドア遊びは、普段人が生活していないエリアに入って行き、ありのままの自然楽しむ遊びです。
自然のままの状態なので、安全は確保されていない。だからこそ、戻ってくる為にはスキルが必要で、ケガや命の危険に対しての事前準備をする。

それなりの労力が必要ですが、その為に時間を費やした人だけしか見れない景色があると思います。

そして、カヤックやサーフィン、キャニオニングなどのアウトドアスポーツは、視覚的な景色だけでなく、自然とのやり取りが五感をフル稼働させている。そこに「the time」が重なってしまうと強烈に心に残る体験になる。と実感しています。 

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日本には「the time」がまだまだある

僕は日本の自然は、素晴らしい景色を見れるチャンスがたくさんあると思っています。

スポーツ庁の「アウトドアスポーツ宣言」の文中にも、日本には”上質なパウダースノー,6,000を超える島々,急峻な山岳地帯など,世界に誇る,恵まれた自然環境と四季の魅力がある"との記載があります。

別の言い方をすれば、日本には、どの地域にもまんべんなく、山があり川がある。そして、海に囲まれている。これは、どこに住んでいても、ちょっと車で走れば、豊かな自然を楽しむことができる、ということだと僕は考えています。

それともうひとつ、NZを始めとするアウトドア先進国と比べると、日本はまだアウトドアがレジャーとして開発されておらず、アウトドア人口が少ないからこそ、山や川、海などの自然な表情が見れる場所がたくさんある、と僕は思っています。

とはいっても、いきなりアウトドアの初心者が、ありのままの自然に飛び込むのはハードルが高いと思います。

もし、友人がアウトドアを始めたいと言ってきたとしたら、僕ならまずは海や川などフィールドに面していて、かつ設備が整ったオートキャンプ場を選び、連れて行きたいなと思います。カヤックやサップ を積んで。

そうすれば、カヤックやサップのような親しみやすいアクティビティで、ありのままの自然の入り口も楽しめる一方で、多くの人が求めているであろうキャンプでのご飯や焚き火も楽しめるし、水やトイレもきちんとある。

そこで友人に受け入れてもらえそうだったら、少しずつ、よりワイルドなアウトドアへの誘導を進めていきたい。(笑)

そして、心に残る「the time」な瞬間を感じてもらえたら嬉しいなと思います。

(Photos by Yuya Nojiri)



こちらも「the time」について書いていますので、宜しければ読んでみて下さい。


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