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Osmar Milito - Viagem

1974年に発表された本作はピアニストでありアレンジャーでもあるオズマールミリートによるボッサラウンジ感あふれるアルバムだ。アレンジャー視点のバランス感覚ある選曲の美しさが全編通じた統一感につながっていると思う。

Up, Up And Awayは、5th Dimensionのシングル曲だが流麗なピアノとストリングスの美しい導入に続くコーラスワークが素晴らしい。コーラスの裏でゆったりと支えるストリングスと細かく動くピアノのバランスも美しい。オリジナルではギターが担っている部分をピアノに置き換えてBPMを少し落としたことで元々持っていたこの曲のラウンジ感が一層増幅されているようでとても印象的なアレンジだ。

Que Maravilhaは、多くのカバーがあるがやはりテンポを落としてゆったりと響かせるアレンジが美しい。導入部分のブラシを使ったスネアワークは、コーラスの登場に合わせてタイトに変化する切り替わりがとても心地よい。

Eu So Quero Um Xodoは、クラシカルな冒頭のフレーズから幾何学的なブロックコードによるピアノアプローチへ、そして静かにストリングスと流麗なラウンジアプローチへという様々な表情を持つ楽曲だ。複雑なアレンジと細かなタイム感に溢れたアレンジだがそれらを意識させない上品な仕上がりが素晴らしい。

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