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Crowded House - Woodface

本作はロック周辺の喧騒溢れるイメージがある1991年にリリースされた3作目になるが非常に穏やかで美しいアルバムだ。リリース当時は必ずしも主流の音像ではなかったかもしれないが、とてもビートルズ愛とエバーグリーンな雰囲気のある良質な作品だと思う。

Chocolate Caleは、アプローチこそ異なるがどことなくDrive My Carを思わせるマイナーブルース的な雰囲気がある。かつてのレジェンドを現代の視点で描くと同時に自身とも重ね合わせるようなイメージがある歌詞のユーモアがシリアスなコード進行とタイトな演奏を組み合わさってとても印象的だ。

続くIt’s Only Naturalは、インディーサイケ風のイントロから歌が入ると一気に惹き込まれる。2声のハーモニーを含めたメロディーラインがとても良い。声の質感のダイレクトな雰囲気もとても美しい。全編ビートルズ愛に包まれたアレンジも音像もとても計算されているように思う。その分、アレンジに突出した要素は少ないかもしれないが、補って余りある2声のメロディーの充実が素晴らしい。

She Goes Onは、アコースティック期のXTCを思わせるギターとパーカッションの組み合わせがとても心地よい。そしてやはりメロディーがとても美しい。静かなリムショットとささやかなコーラス、終盤はわずかにバンドを支えるパッド系の温かみあるサウンドもあり逆回転するギターのメロディーとともに終えるエンディングまで終始穏やかだ。

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