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Static Cleaner Lost Reward - Breathing Under Honey

Kallista Kult他、さまざまな名義で活動を繰り広げるオーストラリアのTarquin Manekによる2023年の宅録ポップアルバム。レーベルは本作について「実にいかれたエキゾチカ、クレイジーな音楽」と評している(loop-me-crazy song-forms, zonked exotica)のが面白い。実際にダブワイズ且つそのような雰囲気に覆われたアルバムだ。

Stones on the Beachは、粗いギターをトーンダウンさせたような音響ながら前面に打ち出して、バックをシンセサイザーパッドで覆うというシンプルな作りだが全編を覆うゆったりしたインプロビゼーション的雰囲気とミニマルポップな感性が折り重なる不思議な魅力がある。

Submerging Emergencyは、エキゾチカフィーリングあるパーカッションと、実験的なオーケストレーションでレーベルがペットサウンズに例えているところが印象的だ。中毒性の高いリズムトラックと短いフレーズを繰り返すベースラインがダブワイズエコーに包まれたオーケストレーションの中で呪術的に迫るアプローチが素晴らしい。

Basic Troubleは、冒頭の雰囲気がOn The Cornerを思わせるが、意外にもその後はシンプルなビートに戻っていく。ギターのダビーな感触を活かしつつエイトビートを基調にしたタイトさと混沌を併せ持つトラックだ。ラジカルなアプローチだがやはりポップな側面がありとても面白い。

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