段階的詳細化法による小説執筆
小説を書くにあたり段階的詳細化法というやりかたを自分なりに用いている。
まず大雑把なアイデアを出す。『皐月物語』なら皐月が恋愛を通じて成長していく話にするとか。
そこからプロット、本文へと段階的に詳細化しながら執筆が進んでいく。その途中のプロットはプロットで、本文は本文で段階的に詳細化させていくのが今の私のスタイルだ。
最初はアイデアを小説化するためにプロットを組む。アイデアが少しずつ具体化していく。
主人公をどんな子にするか。他の登場人物をどうするか。年齢は、場所は……など。あとは話の展開。どういう話の流れになったら結末に至るか。このあたりはまず思いつくままに決める。
次にこの話の流れをプロットとして何段階にも詳細化していく。物語を進めるための出来事を少しずつ具体化していく。最初は大雑把に出来事を考える。次に出来事をもう少し細かく決める。それらをつなぐ話も考えるが、これは考えなくても本文を書く時に考えればいいかもしれない。
これでだいたいのプロットが出来上がり、本文の執筆に取り掛かる準備ができた。ここからさらにプロットを細かく具体的に組んでいけば執筆の際にやりやすくなるかもしれないが、この段階になるとプロットを組むのなんてもう嫌になる(笑)。早く本文を書きたくなるに決まってるじゃん。
本文はプロットに沿って書く。私の場合はだいたい場面ごとにプロットを分けているので、それを本文にするとちょうど章になるような感じになる。だいたい当初考えていた章立ては荒いので、章はさらに細かくなる。
いざ文章を書き始めると、初心者で凡人の私には始めから終りまで流れるように書き上がることはない。必ず行き詰る。ここでプロットを立てる時に使った段階的詳細化法を使う。
やり方は二つあって、一つは書きたいことを適当に列挙しておいて、後からそれらを膨らませたりつなげたりして文章に仕上げる。
もう一つは書きたい会話だけを勢いで書いてしまい、後から地の文を埋める。こういう作業をしていると、あ~パソコンで良かったと心の底から思う。こんなの原稿用紙でやったら地獄だ。
プロットの空白地帯はぼ~っと考えながら、登場人物が動くのを待つ。キャラクターが動き始めたら手も動く。
物語を書いているうちにキャラクターが勝手に動いて話の展開が変わってくる。そうなるとプロットを変更することになる。あるいは話の結末をも変えなくてはならなくなる。『皐月物語』ではそうなってしまった(笑)。
でもこういうときにプロットを組んでおくとあまり変更に混乱は生じない。たぶん。
現在投稿している『皐月物語』は書き終えた後か、気が向いた時に手を入れることになる。内容を削るか、増やすか、分離してサイドストーリーにするか、表現を磨く。
つまり投稿し終えた『皐月物語』も完成に向けてまだ段階的詳細化の途中の段階ということになる。
ここで今まで書いた原稿の完成度を上げようと思うと先に進めなくなってしまうので、この作業は物語を最後まで書き終えてからにしなければならない。いくら過去の文章を読んで恥ずかしくなり書きなおしたくなったとしても、こればかりは押し切らなければならない。
今回は執筆日記が長くなってしまった。こんなことを書こうと思ったのはちょっと執筆に行き詰っているからだ。アイデアが固まっている場面と場面のつなぎになる章ではいつも手が止まる。行き当たりがばったりとしてしている証左だ。
適当に流して次の章に行ってしまおうかな、という誘惑に駆られることもある。あとで手直しすればいいや、みたいな。早く次の話を読めるという点ではこの方が読者にはいいのかもしれない。でもあまりひどい文を書くと後に悪影響が出そうなので、やっぱりある程度は自分で納得できる形で連載小説は投稿したい。
最後まで読んでくれてありがとう。この記事を気に入ってもらえたら嬉しい。