黒猩猩

くろしょうじょうです🐒 小説、詩、エッセイ等を書いています。 色々読んでくれたらウキウ…

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くろしょうじょうです🐒 小説、詩、エッセイ等を書いています。 色々読んでくれたらウキウキです🐵 よろしくお願いします🦧

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どすこい【詩】

はっけよーいで始まった 僕らは土俵におろされた みんながみんな裸ん坊 ここから出てはいけないよ 手を地につけてはいけないよ どすこいどすこい どんとこい 寄り切り寄り切られ恋振られ まだまだ続く一人相撲 めそめそ泣くうち いつかは幕内 涙は得意のはたき込み どす恋どす恋 どんと恋 まんまるの上で生きている 座ることなど許されず それでも必死に立っている いつかは横綱 誰にもよこすな どす乞いどす乞い どんと乞い 必死でつけた鎧は剥がされ 僕らはいつも裸ん坊  土俵際まで

    • 狼男【超短編小説】

      沈んでいく海の底から眺めたまんまるの月。  必死の叫びは泡となって消えた。 必死のもがきは海の藻屑と消えた。 やがて月が消えた。 視界が消えた。 人としての輝きを失い、狼へと変わった。 それが人としての最後の記憶だ。 ねずみを食べて、泥水を飲んで、がむしゃらに走った。 血反吐を吐いて、弱音を吐いて、それでも足は止めなかった。 山頂にたどり着いた時、海の底から見たときより月が大きく見えた。 神々しいほどの美しさに恐怖を感じ、思わず叫んだ。 「ワオーン」 狼の白い息が月光に

      • 欲望【詩】

        富より名声 名声より富 どちらも選べぬ欲望よ どちらも瞬く星のよう 私の心に宿る炎 あの子よりその子 その子よりあの子 飽くなき探求追い求め 私の心に眠る蕾 咲かせるがための恋心 とどまることを知らぬ欲望は 波のように打ち寄せる しぶきが涙になる前に 歯止めをかけるは防波堤 私の心のテトラポット あれもこれもが輝いて 私の心は踊りだす 全てを私の手のひらに そう願うは人の性 そう願うは人の夢 #詩 #欲望 #恋愛

        • 冬【詩】

          もふもふ毛布に身を包み あちあちスープで舌鼓 体がぽかぽかしたならば 冬を探しに出かけよう もこもこコートに身を包み あちあちカイロで完成だ 外へ出たなら身震い これはきっと武者震い ぽつぽつ雨が降り出して ふわふわ雪へと変身だ 鼻と耳を赤く染め 冬限定の雪化粧 きりきり凍てつく厳しさに ぽっきり心が折られても まつ毛に雪が残ったなら 涙なんかはいらないね ぺたぺた足跡付けながら てくてくお家に帰ろうよ ぺたぺた足跡たどりながら はるばる春はやってくる #詩 #冬

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        どすこい【詩】

          白黒【短編小説】

           かつて、世界は色であふれていた。青い地球のどこかで黄色い花が咲くならば、真っ赤な太陽は微笑み、七色に輝く虹が、新たなる生命の誕生を祝福した。  ある世界的なミュージシャンが言った。 「バナナは赤い」  バナナが黄色だと決めつけるのは、バナナの可能性、黄色の可能性を潰すことになる。つまらない固定概念は捨ててしまおう。それが彼の意見だった。 「リンゴは黄色い」  彼の意見に賛同した人々が、口々にそう言った。バナナは赤くて、リンゴは黄色い。それが世の中の新たな固定概念となった

          白黒【短編小説】