オーストラリア、日本人差別、IKIGAI、足るを知る

オーストラリアでは今空前の日本ブーム。円安も追い風となり、実に多くのオーストラリア人が日本旅行をしています。

私の患者様のオーストラリア人も今年だけで10人以上が日本に行き、皆一様に大満足して帰ってきています。

たった1人だけ、「京都、大阪、どこ行っても人が多すぎて疲れた。唯一ゴタンダが良かった。人少なくて、(目黒)川が流れてて、朝川沿いをランニングしたわ!」という独特の感性を持つ患者様がいました。

オーストラリアにはアジア人差別、日本人差別といったものはなく、むしろ日本に対して友好的な人が多い。

ただし、銀行窓口での手続きや、大事な話をしている時に、英語で意思疎通ができなければ、イライラされたり、キレられることもあります。それは日本人差別ではなく、相手をするのが面倒くさいだけ。実力不足。

日本人だからという理由だけで毛嫌いされたことは、22年オーストラリアに住んで一度も感じたことはありません。

それもそのはず。オーストラリアはそもそも移民国家で、大都市シドニーでは人口の48.6%が海外生まれ。64%は片親、もしくは両親が移民。

日本人に対してよそ者なんて感覚はないし、私達日本人がオーストラリアでインド人を見た時に、よそ者は自国に帰れ!なんて思わないですよね。

ただ、利益をもたらしてくれなさそうな人間は雑に扱われます。例えば、服装や化粧からザ・日本の大学生みたいな見た目でレストランに入っても丁寧に扱ってもらえません。それは単純に金払い悪そうだから。

貧乏人も金持ちも、すべてのお客様を平等に扱うのが美徳という感覚は日本に比べて薄いのかなと思います。

丁寧に接客されたければ、まずは身だしなみを整えること。それだけでレストランやお店でも丁寧に扱ってもらえます。

昨今の日本ブームとともに、日本の思想も注目されています。kaizen、ikigai、wabisabiなど。

「トヨタ式の改善」は、良い取り組みとして参考にされています。日本では、欧米を見習い、長所に目を向けて長所を伸ばそうという考え方がもてはやされていますが、オーストラリアでは短所(改善点)を見つけ出し、小さな改良を積み重ねるという考えをもてはやしています。

要は無いものねだりだし、隣の芝が青く見えるわけで、長所も短所も両方自己分析して、両方伸ばしたほうがいいに決まってる。0-100でどちらかに絞る必要はないのだから。

ikigaiだって、オーストラリア人からすると、日本人は「生き甲斐」という思想を持って生きてるんだぁなんて思ってるかもしれませんが、日本にいる日本人からしたら、生き甲斐なんてねーよ。給料も安いし、休みもないし、どうやって生きがい見つけろっていうんだよという感じだと思います。

どこの国にいても、やっぱり隣の芝は青く見えるものなんです。

以前患者様に、「来週から大型連休始まるけど、どこか行かれますか?」と聞いたら、「世界中の人が休みをとって大金を叩いてゴールドコーストにバカンスに来るんだよ。俺たちはそこに住んでるんだよ?なんで連休中にわざわざ高い金払ってこのパラダイスから逃げ出す必要があるんだよ」と言われてはっとしたことがあります。

足るを知る。幸せになるために必要なものはもう手の中にある。それをうまく使えない人間は、どこに行っても楽しめないと教えられました。

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