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大感動した町中華の絶品海老チャーハン【中華料理ふくや @後楽園】

東京ドームを背にしばらく進む。この辺りは本当に道路が広い。そんな広い道路から一本路地を入るとすぐに、赤い屋根を構えた目当ての町中華があった。屋根が赤い町中華を見るだけで興奮してくるのはきっと僕自身の本能だろう。今回のお目当ては「中華料理 ふくや」の海老チャーハンだ。僕はチャーハン大好き人間なのでここに来る前からずっとこのお店の海老チャーハンが気になっていたのだ。


お店に近づくと、1人の男性が外で待っている。どうやらお店は満席のようだ。僕もその男性の後ろで並び始める。目の前に並ぶ男性は僕が並び始めたタイミングですぐに店内に案内された。僕の席はまだ用意できないようなのでしばらく外で待つことにした。


お店の外観

2〜3分待っていたら、僕の後ろに30代前半くらいのお兄さん2人組が並び始めた。2人が並び始めるのと同時くらいのタイミングで、店内から店員さんが出てきて、3人まとめて店内に案内された。店員さんは

「ご相席でもよろしいでしょうか?」

と店内に入ってから言ってきた。他に空いている席もなさそうなので、頷くしかない。相席だと料理の写真撮るの恥ずかしいんだよな。そう思いながら入り口に一番近いテーブル席に3人で座った。僕が座った席は暖房の風が直撃する位置でちょっと暑い。


男3人で壁に貼られたメニューを眺める。僕はあらかじめ海老チャーハンを食べると心に決めていたのだが、いざメニューを見るとやはり迷ってしまう。上下に赤い帯がかかったメニュー。麺類やご飯物に一品料理、点心と一通り揃った中で1〜2品だけを決めなければならないのは毎度酷だと思う。海老チャーハンの他にはオムライスやレバニラ炒めがとても気になった。しかしそうやって優柔不断になっている僕の隙を、相席した男2人は逃さなかった。なんと2人は僕が注文を決めあぐねている間に、自分たちの注文を先に済ませてしまったのだ。しまった、先を越された。彼らが注文したのは、ワンタン麺大盛りとチャーハン。僕は遅れをとらないよう、この2人のお兄さんに続くように、

「海老チャーハンと餃子をお願いします」

と店員さんに伝えた。すると店員さんが

「すいませ〜ん、餃子今日終わっちゃったんですよ」

と言ってきた。なんということだ。町中華のドランチタイムで餃子が売り切れるなんてことがあるのか。このお店の餃子は、よほど人気だということなのか。そう考えると、このお店の餃子を食べられなかったことに対する心のダメージは大きい。しかしショックを受けている場合ではない。僕はそこですかさず、

「あ、じゃあ春巻でお願いします」

と伝えた。いくらチャーハン目当てで来ているとはいえ、何かしらの一品物は付けさせていただきたい。このお店が春巻きを売っているお店でよかった。餃子が美味しいお店は、大体春巻きも美味しいはずだ。

メニュー

店内にBGMはかかっておらず、厨房の方から聞こえてくる中華鍋の音をBGM代わりにして料理を待った。一緒に相席したお兄さん2人は2人とも髭を生やしており、2人ともiPhoneがProだった。後から入って来た常連らしきお客さんはお店に入ってすぐにピリ辛つけ麺という料理を注文していたが、メニューのどこを見てもそのような料理は見当たらなかった。裏メニューなのだろうか。


一番最初にテーブルに運ばれて来たのは、相席しているお兄さんが頼んでいたワンタン麺だった。めちゃくちゃ美味そうだ。お兄さんは大盛りのワンタン麺を注文していたが店主さんが間違って普通盛りで作ってしまったらしく、追加の麺を後でご用意いたしますと店員さんが謝っていた。町中華だと注文ミスはあるあるである。もちろん目の前のお兄さんはそれを気にする様子はなかった。彼は割り箸を1膳取ると写真なんて1枚も撮らずに目の前のワンタン麺を啜り始めた。これが人間として、お店の客として正しい姿なんだろうと思ってしまった。彼らの後に料理の写真を撮るのが尚更恥ずかしくなってくる。

次にやって来たのは相席しているもう一人のお兄さんが頼んでいたチャーハン。それはもう見た目100点満点のとても美味しそうなチャーハンだ。チャーハンを食べるためにわざわざこのお店までやって来た僕としては目の前でお兄さんが食らっているチャーハンをいち早く食べたいという気持ちでいっぱいだった。僕は自分のチャーハンの登場を今か今かと待ち続けた。


その願いはすぐに叶った。店員さんが僕の目の前に海老チャーハンを運んでやって来た。チャーハンの見た目は目の前のお兄さんの物を見ているから想像ついていたけど、驚いたのはエビの多さ。大きめのエビが10個近く乗せられている。こんなに乗せてもらっちゃっていいんでしょうか。僕は目の前のお兄さん2人になるべく見られないように素早くチャーハンの写真を撮った。

さっそくチャーハンからいただこうかと思ったが、まずはチャーハンに一緒に付いて来たスープからいただいた。レンゲで少しすくって口に入れる。少し濃いめで身体に沁みわたるスープ。めっちゃ美味い。目の前のお兄さんがこのスープで麺を啜っている姿がとても羨ましく思えた。

スープ

スープでレンゲと喉を潤したところでチャーハンをいただこう。レンゲで一口分取る。レンゲを入れた時点でパラパラ感があることは分かった。僕はこのチャーハンを食べるためにわざわざ後楽園までやって来たのだ。その期待を背負った最初の一口を口の中に入れた。めっちゃくちゃ美味い。超美味いじゃないか。胡椒の味が強めで、パラパラ感がありつつふわっとしたチャーハン。シンプルな味付けだからこそ良さを最大限に発揮している。これは僕の好みにジャストミートしたチャーハンだ。たった一口食べただけで凄まじく感動した。

海老チャーハン

海老も旨味がちゃんと残っていて食感もプリプリ。強めの塩気がクセになる。なんて美味いチャーハンなんだ。

5分くらい遅れて春巻も登場。そうだ、春巻も頼んでいたんだった。チャーハンのあまりの美味さに忘れていた。春巻きを一口かじってみるとすっげぇ熱い。上顎が一瞬で火傷した気がする。そんな熱々の春巻の皮はカリカリ過ぎず柔らかい食感。その中に控えるは熱くて濃いめの餡。春巻きもかなりのクオリティだ。美味しい。

春巻

僕がチャーハンに感動していると目の前でワンタン麺を食べているお兄さんの元に追加の麺が運ばれて来た。小さな丼に入れられたスープの中に半玉ぐらいの麺が入っており、あれくらいのサイズのラーメンがあれば僕も食べたかったな、と思った。お兄さんは目の前の丼の麺を食べ終え、その後その追加の麺に手を付けるかと思いきや、

「あぁ、俺もうお腹いっぱいだわ」

と口にした。僕はその言葉を聞いて吹き出しそうになった。えっ、嘘でしょ。君さっき大盛り頼んでたよね?自分は大盛りを食べられるだけのキャパがあると思っていたからわざわざ大盛りを頼んだんだよね?

そのお腹いっぱいのお兄さんは、残った麺を隣のチャーハンお兄さんに食べてもらっていた。それで大盛り頼んでおいて残すってどういうことだよ。ダッセーな。チャーハンお兄さんはまだまだお腹に余裕があるようで、あっという間にチャーハンも麺もたいらげていた。

チャーハンお兄さんが料理を食べ終わると、ワンタン麺の大盛りを残したお兄さんは天に向かって

「ごちそうさまでした…」

と爽やかな顔をしながら呟いていた。それが大盛り頼んで残したヤツの顔かよ。


お兄さん2人が先に食べ終えてお店を出て行ったので、そこからは僕は何も気にせず一人でチャーハンと春巻きに舌鼓を打った。本当、最後の一口を食べる時がめちゃくちゃ惜しい気持ちになるチャーハンだった。

大満足でお会計。昔ながらの町中華なのにPayPayが使えることが意外だった。お店を出た後、このお店の食べログをチェックしてみたら評価は3.3ぐらいだった。決して高評価というわけでもなく、食べログ百名店にもノミネートされていない。しかしここで食べたチャーハンは凄まじく美味しかった。だからめちゃくちゃ嬉しかった。本当に美味しいお店は、実はネットの評価の陰に隠れてしまっているのかもしれない。


今日は本当に良いチャーハン体験ができた。チャーハン大好き人間として今後も本当に美味しいチャーハンを提供するお店を開拓していきたい。今回行ったお店にまた寄る機会があったら、次はオムライスと餃子を注文してみよう。




今回行ったお店

中華料理 ふくや
●住所:東京都文京区後楽2丁目19−7
●アクセス:後楽園駅から徒歩8分
●営業時間:
 平日:11:30~14:00 / 17:00~21:00(お酒L.O.20:00)
 土曜:11:30〜14:00
●定休日:日曜・祝日
●支払い方法:現金、PayPay
●駐車場:なし

頼んだメニュー

●海老チャーハン ¥950
●春巻 ¥500

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