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【「やぱ好き」創刊までの母子手帳4ーーこんな音声素材があったなら】

前回の記事では、英語学習における音声素材の限界とニーズについて、触れてみました。

近年、革新的なアプリケーションやツールの出現によって、学習の可能性が大いに広がっていることはみなさんも感じていると思います。今回は、今後の理想的な音声素材(=この「やぱ好き」で制作したいもの)について書いてみたいと思います。

みなさんは、単語帳などの音声を聞いているとき、音声を聞き逃してしまっていることはありませんか(特に英文)。

単語帳やフレーズ集の音声って、だいたいこんな順番で音声が流れますよね。

「英語(例: Good morning)」→ポーズ→「日本語(おはよう)」


気がつくと、日本語(おはよう)だけが聞こえてきて、その時点で英語(Good morining)は聞き逃してしまっているーーなんてことが起きます。巻き戻せばいいのですが、スマホをバッグに入れていたりすると、いちいち取り出して操作するも面倒で、そのまま放置してしまいます。

そもそも、未知の単語やフレーズを学んでいるので、例えば英検単語のthriveという音声が流れてきても、まさに“寝耳に水”で、その後流れる「成功する」という日本語でようやく意味が結びつくわけです。


英→日→英→日のリピート再生

ここで1つ工夫を凝らして、「聞き逃してしまう」ことを前提に、音声を2〜3回流すのはどうでしょう。こんなふうに。

thrive→ポーズ→成功する
thrive→ポーズ→成功する
thrive→ポーズ→成功する

「成功する」が流れた後にthriveが出てくるため、意味の結びつきを補完できます。しかも、これは、「英→日」を流しているようで「日→英」も実現しているわけです。

でも、冷静に考えてください。
例えば、単語帳1冊分の音声が、すべての単語で3回流れたら、2つの大きな問題があります。
・音声量が長くなりすぎる
・長すぎて飽きてしまう、途中で挫折する

容量が膨らみすぎるという問題は、まず媒体上、致命的です。前回の記事にも書きましたが、CDの容量に入りきらなくなります。この容量問題は、(出版社ではない)ベンチャー由来のサードパーティを中心に出現してきたアプリケーションが解決しましたが、今はまさに過渡期(いまだに多くの方がCDを求めている)ため、時間の経過が必要かもしれません。


プレーン音声をラジオ風に

長すぎて飽きてしまうという課題は、ここが作り手の腕が試されるところですが、単純に面白くすればいいのです。どんな教材もそれを授業する先生次第で、面白くなったりつまらなくなったりするもの、と言ってしまえばそれまでですよね。
無機的に流れる音声に、味付けする、まるで面白いラジオを聞いているような感覚で楽しめたらいいんです。


例えば、denyという単語がありますよね。「〜を否認する」という意味です。
高校生のころ、ある先生が授業中にいきなり、「denyでない!(でぃない、〜でない)」と言い出したんです。つまり「〜ではない」→「否認する」で覚えられるだろ!?と。くだらないこと言うなあと当時は思ったのですが、20年以上経ても意味を覚えているんですよね。

そういう、(ある種くだらなくても)記憶に残る解説が入ることで、少しは楽しく聞き流せるのではないかーー。

ラジオ形式の「英→日→英→日」の音声素材が、まさに「やぱ好き」で実現したいことの1つです。(なぜ、いままでそういうものがなかったのかといえば、純粋に、大きな組織のもとでそうした自由な素材を作るのが難しいからです)

長くなりましたので、今日はこの辺で。


MASANO-RINGO
『日本の論点』編集→記者→英語雑誌編集長→「やっぱり英語が好き!」編集主幹/新宿高校/SILS/Getty Images contributor/国際交流グループPhotowalk Tokyo創設/簿記2級/ニュース検定1級/1985年生まれ
Twitter: @WMasanoringo
YouTube: https://www.youtube.com/@yapasuki

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