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息子くんのお盆ウィーク

知的障害のある息子のスケジュールは多忙です。

息子は月曜から金曜までB型就労支援事業所に通って仕事をしています。真面目に頑張って働いているとスタッフさんから聞いています。

少ないお給料でお小遣い、交通費、お弁当代、レクリエーション代を賄います。ささやかな生活費を私に手渡してくれます。そして貯金をします。お金を貯めて旅行に出かけたりします。最近は念願だったでアマゾンプライムに加入しました。

息子は月に2度ほどガイドヘルパーさんと外出をします。マクドナルドで昼食を食べて、古本屋巡りをします。月に2回、近所の散歩のスケジュールも組み込んでいます。ガイドヘルパーさんが不足しているせいで、キャンセルになる場合もあります。

月に2回、週末にショートステイに行きます。クーラーの効いた個室のベッドでテレビを見ながら、ごろごろしているそうです。スタッフさんとも仲良しです。

それ以外の空いた日に、事業所のレクリエーションがあったり散髪の予約をいれます。このスケジュールを組み、予約やガイドの依頼をし、外出先の選定や交通カードのチャージなどの雑用が私の仕事です。

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さてお盆休みが始まりました。

山の日の休日はガイドヘルパーさんと行ったことのない古本屋を2軒まわりました。土日はショートステイに行きました。ショートから帰宅したあと、帰省してきた姉と私とみんなでカラオケに出かけました。

息子はカラオケが大好きです。ずっと行きたがっていましたが、私と2人だと間が持ちません。お姉ちゃんが帰ってきたら、みんなでカラオケに行こうと約束をしていました。だから娘の帰省をとても楽しみにしていました。

何日も前から、カラオケで歌う曲目を書きだしたメモを持ち歩いていました。クリスマス会でソロで歌うと勝手に決めました。そして6月には披露する曲を決め、毎日歌って踊って練習を繰り返していたのです。この情熱はどこから湧いてくるのか検討もつきません。なぜなら息子は

歌うことが大好きですが、言葉は話せません。歌の歌詞は声になっていないのです。これホントに謎です。


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カラオケボックスで、3人で順番に曲をいれていきました。トップバッターの息子は張り切って歌います。息子は真剣に画面を見つめて、口を動かし、身体を動かしますが、私と娘には曲しか聞こえません。こんな感じでカラオケタイムを楽しむのです。

ちなみに私の1曲目は、カードキャプターさくらの主題歌「プラチナ」です。この曲は自称わたしのテーマ曲です。肩慣らしをはエヴァンゲリオン、機動戦士ガンダムです。このあたりから、さらに過去に遡ります。赤毛のアン、あらいぐまラスカル、魔女っ子メグちゃん、キューティハニー、ひょっこりひょうたん島、GetWild、・・・もうコテコテの昭和アニメ大行進です。

子どもたちも、息子は仮面ライダーシリーズ、遊戯王・・・娘もプリキュア、ポケモンと、それぞれが小さかった頃の曲を歌い出します。

どうやら大人も子どもも同じように子ども時代に戻るみたいです。それぞれに楽しい時間を過ごしました。

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退室の時間が迫り、息子に最後の曲を選ぶようにいいました。息子は忍たま乱太郎の「100%勇気」を歌い出しました。

ところがタイムアウトで、お姉ちゃんが「もう帰るよ。」と曲を終了させました。その途端、息子は怒り狂い機械を触りまくり、もう1度歌うと騒ぎだしました。こうなると説明が耳に入らずコントロールが効きません。私たちはボックスに置き去りにして逃げ出しましたが、すぐに諦めた息子が出てきました。

機嫌が悪くなった息子を、本屋に連れて行きました。晩御飯に息子の好きなトンカツ屋さんでご飯を食べて、やっと機嫌が戻りました。まだ歌い足りない息子は、帰宅してまた踊って歌っていました。

息子の生活は、仕事と楽しい時間で出来ているみたいです。ホントうらやましい生き方です。


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おかげさまで家族で楽しいお盆を過ごしています。

そろそろ雨が降ってきました。台風の被害のないことを祈ります。



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